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黒猫の三角(ネタばれあり) [森博嗣]

森博司さんのVシリーズ第1弾。
探偵「保呂草」と瀬在丸紅子らが挑む密室殺人です。
さて、内容はともかく(笑)この作品で最もなるほど、と思ったのは
エピローグです。
保呂草が犯人である「保呂草」の動機について意見を述べている箇所です。
森さん本人がこのように考えていられるかはわかりませんが・・・・
動機が自分たちや大勢に理解できない→異常である、という考え方は
人間の尊厳を無視し、人間の複雑さを排除しようとするシステムである、というのは一理あります。
動機を全て理解することなど不可能だと思います。
今の世の中で異常だと言われている動機が、ひょっとしたらある時代では正常、大勢の人が
理解できるもの、になるのかもしれないわけです。
そう考えるとちょっと恐ろしい気もするのですが、
まあ、動機に限らず自分に理解できないから、異常である、という考えはきわめて危険です。
この小説は前に書いた「悪意」の動機の問題ともリンクして非常に考えさせられるものでした。


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