テロリストのパラソル [ミステリ]
江戸川乱歩賞&直木賞W受賞という快挙を成し遂げた藤原伊織さんの作品。
ミステリというよりもハードボイルド小説といったほうがいいと思います。
主人公の島村はアル中なのですが、非常に格好いい。
1970年代の全共闘時代。その時におきた爆破事件が今回起きた公園での
爆破事件と大きく関係してきます。
「偶然」その爆破現場に居合わせた島村ですが、
そこには警察庁の幹部。そしてかつて同棲したことのある女性・・・
かつて同棲したことのある女性の娘、そしてわざわざ忠告にやってきた奇妙な人物・浅井
この二人とともに、爆破事件の真相に迫っていきます。
過去と現在が複雑に絡み合い、事件は思わぬ方向へ向かっていきます。
一気に読んでしまいました。主人公がいいんですよ。とても格好いいです。
最後はあっと言わせる展開でしたが、
島村にとっては、過去の事件にようやく決着をつけられたのではないのでしょうか、
なんてことを勝手ながら思いました。
最後の彼のセリフが素晴らしかった。
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