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凶笑面/触身仏 [北森鴻]

民俗学とミステリとは類比関係だ。
この蓮丈那智フィールドファイルはまさにそれを体現したかのようなシリーズです。
先月下旬にシリーズⅢが文庫化され、それも今読んでいます。

本シリーズは東敬大学助教授の蓮丈那智とその助手内藤三國が挑む民俗学ミステリー
どれも読み応え十分。
それに北森さんのファンの方には他シリーズのキャラクターも登場するなど、
うれしい内容です。

解説はⅠが法月倫太郎さん、Ⅱが田中貴子さん、どちらもこれまたおもしろいんです。
解説まで楽しめるとは今までなかなかなかったなあ。

本シリーズは、殺人という現在の謎と民俗学という過去の謎、その2つを明らかにします。
その意味で謎の重点はやはり各短編で扱われる民俗学のテーマに置かれています。
殺人の謎は蓮丈那智あるいは本作で明らかになっているのが真実かもしれません。
が、民俗学はひょっとしたら蓮丈那智の仮説、あるいはもっと別の説があるかもしれない。
そんな気もするんです。
もちろん、この民俗学は北森民俗学で、本書内で完結するものだと思います。
なんとなくそんな事を考えてしまうんですねえ。

さてⅡで新たに助手となる佐江由美子、彼女の登場で物語は大きく変わっていきます。
経理の狐目の男は実は那智と同級生で、かつてはともに民俗学を学んでいた男。
彼の存在もまた大きくなっていきます。

今Ⅲを読んでいますが、内藤のキャラが変わってる気がものすご~くしました(笑
お笑い系?
ⅠやⅡとは大きく違うよなあと思いつつ、今後もシリーズが楽しみです。

凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉 (新潮文庫)

凶笑面―蓮丈那智フィールドファイル〈1〉 (新潮文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2003/01
  • メディア: 文庫


触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉 (新潮文庫)

触身仏―蓮丈那智フィールドファイル〈2〉 (新潮文庫)

  • 作者: 北森 鴻
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2005/07
  • メディア: 文庫


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