SSブログ

鬼のすべて [鯨統一郎]

警視庁捜査一課の刑事・高杉みさとは友人である若江世衣子と待ち合わせをしていた。
しかし、彼女は鬼に見立てられて殺害される・・・
そして鬼と名乗る人物から声明文が送られてくる。
みさとはかつて「日本から鬼を消す」と言って警視庁から去った「ハルアキ」とともに、
鬼の謎を追うこととなる・・・

鯨統一郎さんという作家さんは本当に何人いるのだろうか?(笑
解説でも述べられてますけど、ホント複数の人間のペンネームじゃないの?!と思いますよね。
「邪馬台国はどこですか?」や「タイムスリップ森鴎外」などの歴史ミステリ。
はたまた「ミステリアス学園」といったメタミステリ。
そして間暮警部の事件簿など・・・挙げればきりがありません。

さて本作は筆者が得意としてきた歴史ミステリ、というよりも
むしろ民俗学+ミステリの色合いが強い作品となっています。
とはいえ、なぜ鬼に見立てるのか、の見立て殺人、さらにはその隠されている動機など
本格ミステリとしては十分な作品。
全く繋がりのないと思われていた被害者にあった唯一の「接点」、そして容疑者・・・
物語にどんどん引き込まれていきました。

さらには鬼についての考察も大きく本書と関わってきます。
多くの民間伝承や文献を駆使しての仮説や推測など、鬼の正体とは何かに迫る
「ハルアキ」の博学さには舌を巻きます。
まあ、一番驚いたのは彼の本名が「安倍晴明」だったことでしょう!
なるほど、鬼を退治する家だ。

個人的に納得した説は「ウイルス」というもの。
だから誰にでも鬼がつく、案外そうなのかもなあ、と思いました。


鬼のすべて (光文社文庫 く 10-7)

鬼のすべて (光文社文庫 く 10-7)

  • 作者: 鯨統一郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/04/10
  • メディア: 文庫



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0