殺人ピエロの孤島同窓会

『このミステリーがすごい』特別奨励賞受賞作品。
この小説のためだけに創られた賞ですね。
12歳という若さでこれだけのミステリを書くというのはスゴイの一言に尽きる。

とにかく物語は展開が非常にスピーディです。
次々と人が殺されていくし、その方法もとても残忍です・・・
しかし主人公の有馬竜一の視点から物語が語られているため、彼の性格からか、非常におだやか～に
事件が起こっている感じです。
それと途中から重要人物となる空本冴香の強靱ともいうべき精神というかなんというか・・・（笑
あの状況下でジェットコースターに乗りたいとかありえねえ！！

この後は少し厳しく(笑
犯人はすぐわかっちゃいます(笑）
なんというか、隠しているのか？と思うくらいに。
それに動機が弱すぎる。いや、あまりに曖昧というか、ほとんどその点は説明なしでしたね。

後は伏線の張り方です。
過去の事件や先生の自殺、謎の高校生の登場などこれらの伏線を全く活かしてない。
結果的に全く伏線になってない感じです。

それとパソコンのチャットの描写や週刊誌の記者などなど・・・主人公以外の視点から
描かれた文章が時折挟まれますが、これらも結果的にはほとんど意味をなしていない。
残念ですねえ。

まあしかし僕には書けないだろうし、やっぱり12歳でこれはスゴイですね。

殺人ピエロの孤島同窓会 [宝島社文庫] (宝島社文庫 C み 2-1)

• 作者: 水田美意子
• 出版社/メーカー: 宝島社
• 発売日: 2008/05/12
• メディア: 文庫

タグ：ミステリ 殺人ピエロの孤島同窓会 このミスがすごい

コメント 1

leilang_taotaoさん、nice！ありがとうございます
by コースケ (2008-06-02 02:25)