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極限推理コロシアム [ミステリ]

メフィスト賞受賞作品。
矢野龍王さんの作品も初めて読みます。
サバイバル・サスペンスというジャンルらしいですね、このシリーズは。
以下ネタバレかも。


突然知らない場所に連れて来られた夏の館と冬の館の人々。
にしてはあまりパニック状態にはなってないんですよねえ(笑
全く極限に登場人物がなってないんだよなあ。
殺人が起こり、それを推理し、解明できたら1000万。
夏と冬の館同士の対決で、間違ったら、間違った方が全員死亡。
犯人役は二人。
各館に出されたヒントは別。

読み慣れた読者ならば、この二つの館がまさか北と南にあるとかは思わないでしょうし、
隣あっているくらいは容易に想像がつくでしょうね。
まあ実際には上下だったようですが。

大がかりなトリックとかは一切出てきません。
夏と冬の館の心理戦とも言うべきやりとりがおもしろいです。
相手が言っていることは本当なのか?それともこちらを騙す嘘なのか?
このあたりのやりとりは見物。

何度も言いますが、自分たちが殺されるかもしれないのに、非常に冷静だよなあ、みんな(笑
主催者は何らかの意図を持って集めたメンバーなのですかね。
そして犯人役の二人はどうして殺人を犯したのか、それが役割だからなのか、いまいち
その辺りがわかりません。
最後現実の世界に戻りますが、そもそも本当に殺人があったのかどうかもわからないわけですねえ。
(まあさすがにそれは死体を確認しているわけですから、あったとは思いますが)

主催者の意図が全く読めません。1000万というお金を出す単なるゲームとしてしか
考えていないのか、それとも何らかの目的があるのか。
主人公の探偵役である駒形が屋根裏(通気口の上)に登ったとき、
彼は殺されはしませんでした。
ですから、殺される人物は決まっていて、実は謎を解く人物も決まっていた?なんて妄想も。
そこまで考える必要のあるミステリじゃないんですかねえ(笑

犯人は二人いる、館は二つ、この心理トリックはなかなかよかったです。
ただ夏の館の方に冬の館の会話が半通話状態で聞こえるという偶然はどうかなあとか思いましたが。

今後の作品でこの主催者の正体とか色々な謎は明らかにされるのかどうか
よくわかりませんが(まだ文庫になっていない作品を見るとそんな感じはしないのですが・・・)
ちょっと消化不良な感じでしたね。


極限推理コロシアム (講談社文庫 や 62-1)

極限推理コロシアム (講談社文庫 や 62-1)

  • 作者: 矢野 龍王
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/10/15
  • メディア: 文庫



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