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名探偵は千秋楽に謎を解く [ミステリ]

「剣と薔薇の夏」にて第58回日本推理作家協会賞
を受賞した戸松さんの記念すべき処女作。

以下は東京創元社さんサイトからの内容紹介
http://www.tsogen.co.jp/np/isbn/9784488446017
弱小相撲部屋に大砲の弾が撃ち込まれ、牛乳に石見銀山が混入され、
将軍家拝領の弓に血がベットリと付着し……ト、
わが町で立て続けに起こる奇怪な事件。
しかもそれを予言するかの如き物語が、町内に住む老作家久々の連載長編の中で、
生々しく描かれていたとは! 
高校生のオレたちが幕下力士の北ノ波トトモニ事件の謎に挑戦しようと立ち上がった矢先、
親方のひとり娘が誘拐される。
そして、身代金八百万円を町内から一歩も出ず一週間で使い切れ、
という奇想天外な要求が犯人から突きつけられた! 
たっぷりの下町情緒に、ユーモアとペーソスを盛り込んだ本格の逸品。

相撲部屋というのを舞台に描かれたミステリってのは珍しいですよね。
それにしても次々と奇妙な事ばかり起こります。
しかしそれを最後の最後で合理的に解決していく過程
は見事の一言。
元々ジュブナイル、ソノラマ文庫での刊行ですから、
若者向けのライトタッチなミステリです。
だからまあ本格モノとしては若干甘い部分もあるやも
しれません。

しかし、以前書いた「仮題・中学殺人事件」に始まる
<青春3部作>や
本書を起点とするやはり同じく3部作など
ともにたしかに若者向けの文庫ではあったけれども、
我々大人(?)が読んでも、十分に楽しめる作品
なんですよねえ。
これらを復刊した東京創元社さんはエライと思う。

元々がジュブナイル向け、あるいは表紙絵がライトノベル
風だとかで避けている人は
ぜひとも読んでもらいたいものです。


名探偵は千秋楽に謎を解く (創元推理文庫)

名探偵は千秋楽に謎を解く (創元推理文庫)

  • 作者: 戸松 淳矩
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2004/06/10
  • メディア: 文庫



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