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喜劇悲喜劇 [泡坂妻夫]

泡坂妻夫さんが逝去されて早1年です。
こうして氏の作品が復刊されていくことで、
やはり惜しい、という感情に囚われます。
もちろん復刊はうれしいことで、
さすが東京創元社さん、と賞賛モノなのですが。

さて本作はとにかく回文にこだわり、
かつ舞台はマジックショー。
主人公は奇術師というまさに泡坂ワールドの真骨頂。

主人公の奇術師楓七郎は毎日飲んだくれの日常。
そこに舞い込んだのは<右近丸>という船上での
長期にわたるマジックショーへの仕事の依頼。
そして真という美しい助手とともにその船に向かいますが・・・

そこで出くわしたのは回文の名を持つ多くの芸人たち。
そしてその名を持つ人たちが次々と殺害され・・・
しかもそれらの死体を平然と隠しのける座長の床間亭馬琴。
回文殺人、犯人の目的は何なのか?

とにかく回文がハンパじゃない。
単なる名前の回文からローマ字変換回文、
各章のタイトルまでも回文・・・
これを作るのは相当苦労だったと思います。

しかも事件は次々と起こるのに、
楓は酔っぱらってばかり・・・(笑
そう、探偵役は別にいるのです。

そして馬琴からとある衝撃の話を聞いてから、
ようやくこの事件の本質が見えてくることになります。
被害者のつながり、犯人の正体・・・

動機がわかった段階で、ある程度犯人の目星はつきます(笑
が、本作はそうした犯人当てよりも、やっぱり回文に尽きる気がしますねえ。
それと奇抜なトリック。
奇術というか思わず「え~そんなこと出来るのか?」と思った
トリックがありました(笑

これからも氏の著作の復刊を願います。



喜劇悲奇劇 (創元推理文庫)

喜劇悲奇劇 (創元推理文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/01/20
  • メディア: 文庫



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