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必然という名の偶然 [西澤保彦]

櫃洗市市民サーヴィス課に勤務する<腕貫>さん。
彼は「残業中」ラストにてどうも出張なのか、休暇なのか、
不在にする旨の発言をしています。

それを受けての「モラトリアムシアター」であり、
本書になるわけです。

「エスケープ・ブライダル」は筒井康隆氏の「富豪刑事」(しかもTV版)
へのオマージュな作品。
大富豪探偵月夜見ひろゑが活躍するシリーズ。
しかし、動機がトンでもない話ではあるよなあ・・・
本作はそのまま後日談的な最終話「エスケープ・リユニオン」

作品全てが魅力的で、「奇妙な味」を持っていますが、
「偸盗の家」なんかは叙述トリックかと思いきや・・・ですし、
本書表題作「必然という名の偶然」はまさにタイトル通りの作品。
物事とは見る視点を変えると、180度中身が変わるお手本のような作品です。

さてこれだけ櫃洗市で次々と事件が起こってしまうとなると、
大富豪探偵月夜見ひろえが居るとはいえ、持て余してしまうでしょう。
そろそろ腕貫さん、出張から帰ってきてもらいたいものです。


必然という名の偶然 (実業之日本社文庫)

必然という名の偶然 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2013/04/05
  • メディア: 文庫



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コースケ

有城佳音さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2013-05-22 23:10) 

コースケ

ミナモさま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2013-05-29 21:58) 

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