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仮面舞踏会 [赤川次郎]

1995年に発売された新装版が先日刊行。
抜群の安定感を誇る赤川作品です。

「もう一人の私」が事件を巻き起こすミステリー5編が収録。

第1話消えたアイドル、第2話見知らぬ恋人、第3話影の反乱
の3編は自分が別人になりきって、あるいは整形をせざるを得なくなり、
あるいは超有名人に似ていて・・・などなど、
これまでの自分とは全く別の生活を送る事になる3人の物語。

3話の中では影の反乱が一番おもしろかったですね。
最後にスッキリしたになります。

そして残りの2話である第4話忘れられた姉妹、第5話私だけの境界線。
この2つはこれまでの3つと全く趣が異なります。
特に忘れられた姉妹は強烈な印象。
主人公の克子とうり二つ、いや双子と言っても良い程似ている
人物が、自らの周辺に現れ、徐々に克子の生活を脅かしていく物語。

「あなたは生まれたとき双子だったわ。」
しかし双子の妹・紀子は生まれて数日で死亡し、
「お葬式も出したわ。ー克子、あなたに妹はいないのよ。」
母親がウソをついているのか、それとも実際には紀子が生きていたのか?

最後の描写で「克子」が入れ替わった事がほのめかされていますが、
果たして真実は・・・・。
それにしても、突然襲いかかる激変なんですよね、この話。
主人公やその家族が(描かれている話の限りでは)恨まれているとは
思えないし(浮気や不倫はありますが)、もう一人の「克子」の正体・存在が
不気味です。

最終話私だけの境界線は突然夫を失った女性の物語。
趣は第1話から第3話とは異なりますが、心情的には理解できるのが
第4話との違いでしょうか。

もう入手困難な赤川作品はぜひ新装版を望みます。


仮面舞踏会 新装版 (光文社文庫)

仮面舞踏会 新装版 (光文社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2014/03/12
  • メディア: 文庫



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コメント 5

コースケ

teftefさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2014-03-25 22:25) 

コースケ

enigumaさま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2014-03-25 22:26) 

コースケ

makimakiさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2014-03-26 23:54) 

コースケ

げいなう様、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2014-03-26 23:56) 

コースケ

31さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2014-04-29 00:55) 

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