SSブログ

水木しげる漫画大全集 花の流れ星他 [コミック]

第1期最後の配本。

表題作は「花野流れ星」と名乗る女性に見初められた
ある無名の画家(雅邦)の物語。

最後彼女は大僧正によって、露のように消えてしまいます。
大僧正によれば、彼女は「もうひとつの世界の人」で「脳の構造」
が違うらしい。
彼女の存在により地上の平和が保てないため、祓った、というのが
大僧正の言です。
違う世界の人間と同一の世界で暮らす
ところで本作は彼女との出会いから祓うまでも一つのお話ですが、
物語最初に登場する「赤鼻」はとてもおもしろいキャラクターで、
雅邦がてんかんの薬を食べてしまうのですが、これは彼の家の
もので、そもそもこの物語の発端を作ってしまう訳で、
赤鼻はあまり出てこない割りに、実は大きな役割を担っていたと(笑

それと途中から登場する法師が居るのですが、これがまた嫌なやつで(笑
自分の法力では「花野流れ星」には勝てませんが、
大僧正の力を借りて大きな態度!
最後はくるくるに丸められて川に流されます(笑)

最後にそもそも彼がなぜ、別の世界の住人を見る事ができたのか?
鉄斎先生という有名な医者が赤鼻から雅邦の不思議な話を聞き、
実に驚愕の(大げさか)説を披露します。
雅邦が食べたてんかんの薬は、いつも赤鼻のおばあさんが行く薬屋のものでなく、
山田大古堂(ヒサヤ大黒堂?・笑)という非常に歴史のある薬屋のものであり、
非常に長い期間置かれていたため、なんらかの変化が生じ、
脳細胞の一部を変化させ、普通は見えないものが、見えるようになったのではないか?
所謂「怪奇」で終わらない所がこの話の読み所、とでも表現すれば良いのか。

現在においても脳機能の解明てのはあまり進んでいないんですよね。
人間は生きている内に全ての脳機能?を使わないと言いますし。
この物語の終わりのように、怪異なもの、不思議なもの、は案外と
隣り合わせに存在していて、今の人間には見えないだけなのかもしれません。
次のお話を思い出しました。

人間って、地球だけに住んでいた時は頭の細胞の半分しか使ってなかったんだろ?
それが、宇宙に出て、残りの頭の部分を使うようになれば、
テレパシーだって予知能力だって高くなるよな。(byハサウェイ・ノア)

「怪談嘆き川」は幕末維新期の高松藩を舞台に、
ある一人の藩士(新吾)が実は吸血鬼の血をひいていることから起こる物語。

最後、彼は入水自殺をするのですが、どんどん血を吸っていかなければ
なくなる過程は描かれつつも、最後、彼にどんな変化が起こったのかは
描かれず、そこが不気味な余韻を残します。
吸血鬼とありますが、鬼ではないんじゃないかなあ・・・
血を好む人が居るというのをテレビで見たような記憶があり、
むしろそれに近いのではなかろうか。ただ異常なまでに続けていたため、
何か恐ろしい「変化」が彼の身に生じたのですかね。

最初に語られる彼の母親の話は殿様がちょっとねえ・・・
新吾の「父」である猫の死体を集めに来る非人が結局は何者だったのかによりますね。

新吾が血を吸った猫を舶来の敷物として持ち帰る家老の桜井が
すごすぎる(笑

思いの外長文となってしまいました。


貸本漫画集(8)花の流れ星他 (水木しげる漫画大全集)

貸本漫画集(8)花の流れ星他 (水木しげる漫画大全集)

  • 作者: 水木 しげる
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/09/03
  • メディア: コミック



機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [Blu-ray]

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [Blu-ray]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: Blu-ray



機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [DVD]

機動戦士ガンダム 逆襲のシャア [DVD]

  • 出版社/メーカー: バンダイビジュアル
  • メディア: DVD



nice!(0)  コメント(0)  トラックバック(0) 
共通テーマ:コミック

nice! 0

コメント 0

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。

トラックバック 0