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シェルター終末の殺人 [ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

目覚めた場所は硬くて冷たい床の上だった―。「私」は自称ミステリ作家の富豪、
火照陽之助の屋敷を取材する。目当ては庭の迷路に隠されたシェルターだったのだが……。
そこで発生する極限状況下の連続密室殺人事件。地の底で待つ謎と恐怖と驚愕の結末とは何か?
「作家三部作」に連なるホラー&ミステリ長編。

個人的には、岡嶋二人「そして扉は閉ざされた」以来の
シェルターを舞台にした作品。

ただし、岡嶋作品と違い、本作ではどうやらシェルター外でも何らかの異常が起きているようで、
本作に出て来る人物たちは、シェルター内で起こる連続密室殺人と、
外で起きた何らかの放射性物質大量放出事件の2つが同時に起こります。

とはいっても、外部で何が起きたのかは全く不明で、物語のほぼ全ては
シェルター内部の連続密室殺人がメイン。

初めてであった人物たち、そして外では核爆発らしきものが起こっていると
いう状況に拘わらず、なぜ次々と殺人が行われるのか?
作者と同姓同名のミステリ作家・三津田信三がその謎を解き明かしていきます。

とここまでは前フリ(笑
本作ラストはこれまで読んできたお話のどんでん返しとなっているので
注意が必要です。
ネタバレになるかもしれませんので、未読の方はご注意を。



僕個人としては、この結末はあり得ない。
確かに「探偵」によって、シェルター内の事件には一応の説明はつきましたが、
実際の所、この「探偵」自体も甚だその存在が怪しい。
密室殺人としては、おもしろいと思いますし、
物語が、「私」が記録したPCの文章である事を(むろん読者は知っているのですが)
そこにトリックが実はあるという。
(星影の発言がいつPCに記録されたのか、という探偵の指摘は慧眼でした。)

また物語序盤に部屋に人形が置いてあるのですが、これこそが
物語の鍵を握るんですねえ。

僕が一番不満なのは、物語の「外」になるのでしょうが、
結局シェルター外では何が起こっていたのかが全く明らかにされていない点。

それと物語の登場人物たちは「外」にも居ないという事。
ここは探偵の推理なので、微妙に信じて良いのかわかりませんが、
少なくとも、この物語が「私」の中で構築されていったものであれば、
直近まで接していた人物像を当てはめるのが妥当な気もします。
(むろんシェルター見学でそれぞれ自己紹介したとも書かれていないので、
「私」が知る事が出来たとも言えないのですが)

あとタイトルですが、
「終末の殺人」よりも「仮面の殺人」の方がより良かったんじゃないだろうか。





シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

シェルター 終末の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: 文庫



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  • 発売日: 2015/01/15
  • メディア: Kindle版



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コメント 3

コースケ

31さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2015-02-19 20:08) 

コースケ

makimakiさま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2015-02-19 21:51) 

コースケ

Yuseumさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2015-02-27 21:43) 

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