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神様ゲーム [麻耶雄嵩]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

神降市に勃発した連続猫殺し事件。芳雄憧れの同級生ミチルの愛猫も殺された。
町が騒然とするなか謎の転校生・鈴木太郎が事件の犯人を瞬時に言い当てる。
鈴木は自称「神様」で、世の中のことは全てお見通しだというのだ。
そして、鈴木の予言通り起こる殺人事件。芳雄は転校生を信じるべきか、疑うべきか?

最近「さよなら神様」と、神様シリーズ続編が発表されましたが、
それにあわせての文庫化になるのかな。

探偵役が「神様」という、まさに完全無欠、全てを知っているという
設定がまず飛び抜けてます。
主人公の芳雄はそれはあくまで「神様」鈴木君のゲームだろうと
解釈しますが、猫殺しの犯人もずばり的中。
なぜ鈴木くんが彼が犯人であることを知っているのか不思議に思い、
頭を巡らせますが、今度は親友の英樹が死体で発見され・・・

本作は「神降市」や「常世市」など神にまつわる地名が使われている
所もおもしろいです。そうした雰囲気を出しつつも、小学生のアニメやゲームの会話や、
秘密基地など、日常を淡々と描いているという、ある種のギャップも良い。

本作最大の衝撃は、やはりラストでしょう。
結局英樹を殺害した犯人(共犯者)は誰であったのか?
芳雄の推理はほぼ当たっていたかに見えたのですが、このラストは
さすがに予想できませんでした。

これにはいくつか考察がすでになされているようですが、
真実は不明なままです。
本当に本当に真相は知りたいですが、これは難しい。

それと「神様」鈴木くんの存在。
彼の言う天誅は本当に彼が起こした事なのか、はたまた偶然なのか。
しかし後者だとすれば、どうして彼は犯人を知っていたのか。

猫殺しの犯人について、芳雄はその名前を聞きますが、
英樹殺人の共犯者については、天誅を下してほしいと言うのみで、
誰なのかまで問い詰めていません。
これは、彼自身が推理によって誰であるかを特定していたからですが、
見方によっては、そもそもミチルが亡くなったのも天誅なのではなく、
単なる事故、かもしれませんし、ミチル自身が犯人ではなかったかも
しれない可能性もあるのかなあとふと思いました。

まあTシャツのレア度やあの秘密基地を知っている者という限定を
考えれば、大筋では芳雄の推理は間違っていないと思いますが・・・
麻耶さんの事ですから、実はもう一つくらい語られない真相が
あるのではと邪知してしまいます(笑

続編も早く文庫化してほしい。


神様ゲーム (講談社文庫)

神様ゲーム (講談社文庫)

  • 作者: 麻耶 雄嵩
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/07/15
  • メディア: 文庫



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コメント 4

コースケ

makimakiさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2015-08-23 18:40) 

コースケ

31様、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2015-08-23 18:41) 

コースケ

Ujiki.oOさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2015-08-23 18:41) 

コースケ

ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2015-08-29 00:45) 

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