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悪いうさぎ [若竹七海]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

女探偵・葉村晶(あきら)は、家出中の女子高校生ミチルを連れ戻す仕事を請け負う。
妨害にあい、おまけに刺されてひと月の安静をやむなく過ごした矢先、
今度はミチルの友人・美和を探すことに。やがて見えてくる高校生たちの危うい生態
──親への猛烈な不信、ピュアな感覚と刃物のような残酷さ──その秘めた心にゆっくり近づく晶。
打ち解けては反発するミチル、ナイスなゲイの大家・光浦たちとともに行方不明の同級生を追う。
好評の葉村晶シリーズ、待望の長篇!

相変わらず不運が続く調査員の葉村。
登場人物の東都総合リサーチの世良はだんとつのクズですね・・・
物語初っ端から大けがに巻き込まれる葉村は本当に不運だ。
しかし、この出来事で知り合った平ミチルからの頼みから、
さらに恐ろしい事態に巻き込まれていく事に・・・

この表題作が物中で初めて出て来るのは公園でのシーン。
捨てられたうさぎが公園の餌を貰っている所です。
檻に入れられたうさぎを足が悪い事から「悪いうさぎ」と言う管理事務所の男性。
このシーン、さらっと書いてありますが、最後まで読んで見ると、
物語の核心的なものが、実は凝縮されていると感じました。

捨てられたうさぎ。餌をもらってもぷいとむくれているうさぎ。
檻に入れられて、不自由なうさぎ・・・
ミチルや滝沢美和、水地佳奈も上記うさぎたちの境遇に
似ていた状況だったのではないでしょうか。

ラストまでどこか救いがない話が続きますが、
葉村のある種の勘違いだけは、これまでのシリーズと全く異なり、必読(笑
しかし、村木さん、それは勘違いするんじゃない?て行動ですよ。

気になるのは親友みのりがどうなったのか。
「さよならの手口」でも語られなかったような・・・次作では元気な姿を
見せてほしいですが。



悪いうさぎ (文春文庫)

悪いうさぎ (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/07
  • メディア: 文庫



悪いうさぎ (文春文庫)

悪いうさぎ (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2004/07/10
  • メディア: Kindle版



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31

コースケさん、こんばんは。
「悪いうさぎ」読まれたのですね!
日本でこういうラストに持っていく作品は珍しいので、お気に入りです(この作品をお気に入りというと、人格を疑われそうですが...)
「さよならの手口」を読んでいないので、楽しみです。
by 31 (2015-09-19 22:27) 

コースケ

Ujiki.oOさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2015-09-20 23:29) 

コースケ

31さま、nice!&コメントありがとうございます!

読了はだいぶ前でしたが、ようやくブログアップできました(苦笑
このラストは本当にあれですね、なんとも言い様がない。

葉村のロマンスも残念すぎたなあと(笑
「さよならの手口」、オススメです、ぜひ!
by コースケ (2015-09-20 23:41) 

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