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二人のウィリング [海外ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ある夜、自宅近くのたばこ屋でウィリングが見かけた男は、
「私はベイジル・ウィリング博士だ」と名乗ると、タクシーで走り去った。
驚いたウィリングは男の後を追ってパーティー開催中の家に乗り込むが、
その目の前で殺人事件が…。
被害者は死に際に「鳴く鳥がいなかった」という謎の言葉を残していた。
発端の意外性と謎解きの興味、サスペンス横溢の本格ミステリ。

超がつくほど久しぶりに初めての作家さんの著書を手に取りました。
とはいえ、超がつくほど有名な方ですが。

ヘレン・マクロイ氏は「幽霊の2/3」をかつて読んでみようかと
思ったことがありますが、それっきりとなってました。
ちくま文庫から本書が発売されていて、ふと手に取り購入しました。

本書は導入部分にかなり惹かれました。
「発端の意外性」、言い得て妙。

自分と同じ名前を名乗る男。彼はいったい何者で、
どこに行くのか?ウィリング博士は彼の後を追うことに・・・

突然自らに訪れた不思議な出来事から、
博士は華やかなパーティーと殺人事件に遭遇することに。

集まりに参加していた人々に、それぞれ事情を聞きにまわる
博士。彼彼女が抱えているモノは何か。
パーティーの真の目的とは何か。
被害者の「鳴く鳥がいなかった」の言葉の意味とは・・・

最後のウィリング博士の「パーティー会場」への訪問で
ついに被害者の言葉の意味が明らかとなり、
そこには華やかなパーティーとの対極にあるような陰惨さ。
ここの対比も鮮やかです。

犯人のトリックは実はかなり単純なものなのですが、
これがパーティーの中で、実に巧妙に行われており、
まず気付かない(笑

しかし、この犯行動機(つまりはパーティーの意味)は
予想外の真相で、驚きました。
登場人物、というか容疑者は物語序盤と変わらず。
犯人はなんとなく予想はつくものの、この犯行動機と
パーティーの意味は予想できませんでした。

魅力的な導入から、徐々に明らかになる容疑者たちの背景。
パーティーに隠された謎、予想外の真相と、
ミステリとしての魅力をしっかり詰め込んだ作品。
オススメです。


二人のウィリング (ちくま文庫)

二人のウィリング (ちくま文庫)

  • 作者: ヘレン マクロイ
  • 出版社/メーカー: 筑摩書房
  • 発売日: 2016/04/06
  • メディア: 文庫



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コメント 4

Yuseum

コースケさん、ごぶさたです。遅ればせながら拙ブログへのnice!ありがとうございました。
…と、久しぶりに訪れてみたら、この記事に巡り会うなんてグッド・タイミング(o^-^)
マクロイはこの数年翻訳が盛んですが、どの作品も面白いですよ〜♪
by Yuseum (2016-05-18 22:24) 

コースケ

Yuseumさま、nice!&コメントありがとうございます!
そしてご無沙汰しております。

マクロイ、本当に好きになりそうです。
どうせならちくま文庫で揃えたいので、次々と出て
ほしいですねえ。
創元推理で購入も良いのですが、バラバラ感が・・・(笑
by コースケ (2016-05-19 23:32) 

コースケ

31さま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2016-05-19 23:33) 

コースケ

なか様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2016-05-30 21:31) 

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