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福家警部補の報告 [大倉崇裕]

新年あけましておめでとうございます。
本年もどうぞよろしくお願い申し上げます。

さて、2017年一発目は、昨年読了済み本から。
そしてまずはAmazonさんの紹介ページから。

今や生殺与奪の権を握る営業部長となった元同人誌仲間に干される漫画家、
先代組長の遺志に従って我が身を顧みず元組員の行く末を才覚するヤクザ、
銀行強盗計画を察知し決行直前の三人組を爆弾で吹き飛ばすエンジニア夫婦―
過去数々の修羅場をくぐり抜けてきた経験は、殺人事件に際しても活かされる。
福家警部補はどこに着眼して証拠を集めるのか。三編収録のシリーズ第三集。

本書第2編の「少女の沈黙」の菅原巽が、本作では
最も同情してしまうなあ・・・
彼の血のにじむような努力は本当にすごいです。
ラストは対立していた組から逃亡ルートまで提供されるという、
菅原の良さが際立った上で、福家に逮捕され終幕。
情状酌量は厳しいか。

この「少女の沈黙」では福家の推理がいかんなく発揮されますが、
それ以上に、組対の志茂巡査部長をやり込めたり、
組関係者へも名前が知れ渡っていたりと、ちょっと意外な一面も見えます。


「禁断の筋書」と「少女の沈黙」、どちらの作品でも
犯人にとって思い出深い物が逮捕の決め手となっています。
ただし前者はそれを知っていて福家の罠にはまり、
後者は最後に外れなかった指輪がとれるという、全然違う結末なのが対照的。

ところで、本作には総務部総務課の須藤警部補という人物が
度々登場します。
う~む、聞いたことがあるような・・・
福家と彼の会話に「薄」という人物が登場したことでようやくわかりました(笑

これは大倉さんの別シリーズ(動物シリーズ)の主人公とワトソン役?ではないですか。
シリーズコラボとはうれしい。『蜂を愛した容疑者』(文庫版)は今月発売です!

そして最終作「女神の微笑」は、爆弾で悪党を吹き飛ばす「仕事」?をしている
老夫婦が犯人であり主役。
この事件では、最後に老夫婦に逃亡されてしまい、福家に
「楽しかったわ、また会いましょう」というメールを残して終幕。
次作以降、この老夫婦は福家のライバルとして登場するのでしょうか?


福家警部補の報告 (創元推理文庫)

福家警部補の報告 (創元推理文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/12/12
  • メディア: 文庫



福家警部補の報告 (創元推理文庫)

福家警部補の報告 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2016/12/12
  • メディア: Kindle版



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コースケ

31さま、nice!ありがとうございます!
今年もよろしくお願いします。
by コースケ (2017-01-04 20:26) 

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