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眼球堂の殺人~The Book~ [周木律]

Amazonさんの紹介ページから。

神の書、“The Book”を探し求める者、放浪の数学者・十和田只人が記者・陸奥藍子と訪れたのは、
狂気の天才建築学者・驫木煬の巨大にして奇怪な邸宅“眼球堂”だった。
二人と共に招かれた各界の天才たちを次々と事件と謎が見舞う。
密室、館。メフィスト賞受賞作にして「堂」シリーズ第一作となった傑作本格ミステリ!

再び新しいシリーズを読み始めてみました。
元々気になっていたのですが、中々文庫化しないなあと。
ここにきて、3冊一気に文庫化しましたので、まとめ買い(笑

本書帯には第1回メフィスト賞受賞作『すべてがFになる」の森博嗣さんが
コメントを寄せています。
「懐かしく思い出した。本格ミステリィの潔さを。」

今年2017年が綾辻行人さんの『十角館の殺人』刊行から30年という節目。
つまりは新本格30周年記念となります。
その前年とはいえ、本シリーズが文庫化したのは極めて大きい意義がありますね。

というのは、本書には「館」シリーズと、「S&M」シリーズの2つの
特徴を備えている、まさに新・新本格とでも言うべき作品。

登場するいくつもの「堂」は沼四郎という人物が建てた奇妙な建築物。
これぞまさに「館」シリーズの中村青司。
そして、探偵役を務める十和田只人の元に常に現れる善知鳥神という、天才数学者の存在。
「S&M」シリーズ(森博嗣作品全般ともいえる)の真賀田四季を彷彿とさせます。
理系ミステリというのも森さんを連想させます。

さて本書はなんといってもこの眼球堂に仕掛けられたトリックが秀逸。
名は体を表すとはよく言ったもので、なぜこの堂が眼球と名付けられたのか、
それが全てです。

また本書は「迷路館の殺人」と同様、作中作の形を取っています。
これも筆者が仕掛けた大きなトリック。
とはいえ、これは本格を読み慣れた読者なら見抜けるでしょう。

本シリーズは大きく変貌を遂げているようで、
早速に次作も読了。しかしどうも次々作で変貌?なのかわかりませんが。
これから読むのが楽しみな作品です。


眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: 文庫



眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

眼球堂の殺人 ~The Book~ 堂シリーズ (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/09/15
  • メディア: Kindle版



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コメント 4

コースケ

@ミックさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2017-05-01 20:49) 

コースケ

たかおじー様、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2017-05-01 20:49) 

コースケ

鉄腕原子さま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2017-05-01 20:51) 

コースケ

31さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2017-05-01 20:51) 

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