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誰も僕を裁けない [早坂吝]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「援交探偵」上木らいちの元に、名門企業の社長から「メイドとして雇いたい」という手紙が届く。
東京都にある異形の館には、社長夫妻と子供らがいたが、連続殺人が発生!
一方、埼玉県に住む高三の戸田公平は、資産家令嬢・埼(みさき)と出会い、互いに惹かれていく。
そして埼の家に深夜招かれた戸田は、ある理由から逮捕されてしまう。
法とは? 正義とは? 驚愕の真相まで一気読み!エロミスと社会派を融合させた渾身作!!

エロミスを定着させた早坂先生の功績は大きい。
上木らいちのエロさが伝わる文章がまた良いのです。

本作の舞台となる逆井邸。この図が登場するのですが、確かに異形の館。
で、らいちも言っているように、明らかに「回る」だろうと思われる館(笑)

この「回る」館を使ったトリックより、犯人がアノ最中に殺人をしていたことの方が
遥かに驚きました。

そして「上木らいち」と「戸田公平」という2人の視点で交互に語られる物語が
果たしてどんな繋がりなのかが、最後に明らかにされるのですが、
これが中々唸らせる結びつきです。
上記館の回るトリックは、実際には、殺人だけでなく、戸田公平の人生をも
左右するトリックだったことがわかります。

そしてこの結びつきこそ、作中でのらいちと推理作家をめざす一心の会話にあります。
「本格と社会派の融合」、「本格のルールが現実社会のルールをも浸食する」。
この台詞は、そっくりそのまま本作に当てはまります。
戸田公平の人生を変えた現実社会の法律というルールと、
戸田公平が経験したまさに本格ミステリさながらの殺人事件。
そしてそれが明らかになった時、本書のタイトルの真の意味も明かされるのです。

本格と社会派の融合、古くて新しい課題にエロを入れつつ、見事なアプローチで
完成させた傑作です。



誰も僕を裁けない (講談社文庫)

誰も僕を裁けない (講談社文庫)

  • 作者: 早坂 吝
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: 文庫



誰も僕を裁けない (講談社文庫)

誰も僕を裁けない (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/07/13
  • メディア: Kindle版


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コメント 5

コースケ

31さま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2018-09-24 18:22) 

コースケ

鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2018-09-24 18:23) 

コースケ

@ミックさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2018-09-24 18:23) 

コースケ

サイトー様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2018-09-24 18:24) 

コースケ

むうぴょんこ様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2018-10-15 20:47) 

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