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錆びた滑車 [若竹七海]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

女探偵・葉村晶は尾行していた老女・石和梅子と青沼ミツエの喧嘩に巻き込まれる。
ミツエの持つ古い木造アパートに移り住むことになった晶に、交通事故で重傷を負い、
記憶を失ったミツエの孫ヒロトは、なぜ自分がその場所にいたのか調べてほしいと依頼する―。
大人気、タフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。

以下、ややネタバレ。



上から人が降ってくる不運に始まり、今度は自分が落ちるで終わる。
どこまでも不運すぎますが、落ちた後、真の犯人ともいえるべき人物と対峙する葉村は
かっこいい。
「さよならの手口」と同様、ある老女の尾行するという小さな依頼から、
大きな事件へと繋がります。
ただし「さよならの手口」と違うのは、この依頼そのものが仕組まれた面があるところでしょうか。
とはいえ、葉村は依頼を通じて知り合ったミツエとヒロトと暮らし始め、
不便さや不満を散々露わにしながらも、最後に彼らと過ごした時間を素晴らしい瞬間と
振り返りつつも、彼らを救えなかった自分を無能な探偵と恥じるのです。

そして彼女を取り巻く環境にも再び変化が。
これまで住んでいた「スタインベック荘」の取り壊しが決まり、
アルバイト先の<白熊探偵社>の空き部屋に住むことになります。
良くしてくれた大家岡部巴や、同じ店子の佐々木琉宇とも別れることに。
(姪の飛鳥市子は登場人物の中でも真犯人の次に嫌なヤツですが)
しかし、当麻警部との腐れ縁が切れない以上、佐々木琉宇とも実は切れない縁に
なってしまったかもしれません。彼女に彼氏ができたことにより(笑

ヒロトの事故や「牧村ハナエ」の存在、そして麻薬・・・様々に張られた伏線
を徐々に徐々に回収していく物語も読み応えあり。

ここからは余談。
葉村晶も「さよならの手口」で13年ぶりに復活しましたが、
元々「プレゼント」で彼女と微妙な共演をしていた小林警部補も
「御子柴くんの甘味と捜査」で久しぶりの復活を果たしました。

その後小林警部補は勇退しますが、葉村晶にはこれからも
我々を楽しませてほしいと思います。


錆びた滑車 (文春文庫)

錆びた滑車 (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: 文庫



錆びた滑車 葉村晶シリーズ (文春文庫)

錆びた滑車 葉村晶シリーズ (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2018/08/03
  • メディア: Kindle版



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コメント 5

コースケ

鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2018-10-05 00:52) 

コースケ

31様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2018-10-05 00:53) 

コースケ

@ミックさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2018-10-05 00:54) 

コースケ

むうぴょんこ様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2018-10-15 20:48) 

コースケ

kiyokiyo様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2018-10-21 19:28) 

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