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女學生奇譚 [川瀬七緖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

この本を読んではいけない――奇妙な警告文の挟まれた古書が
オカルト雑誌の編集部に持ち込まれた。
古書の持ち主だった兄が数カ月前に失踪し、現在も行方不明だと竹里あやめは訴える。
フリーライターの八坂駿がその本を少しずつ読み始めると、周囲で不気味な出来事が続く。
いたずら? 狂言? それとも……。
八坂はペアを組むカメラマンの篠宮、依頼人のあやめとともに、古書の謎を追う。

以下、ややネタバレあり。


川瀬さんの作品は「よろづのことに気をつけよ」以来2作目。
前作は期待外れだったんですよねえ・・・

本作もオカルト系という伝承系とミステリの組み合わせだと思いましたが、
「女學生奇譚」を読みながら、謎を解いていく八坂&篠宮コンビは好感が持てます。

女学生たちがどこへ連れて行かれたのか、その真相を看破し、
奇譚に描かれている屋敷や遺骨を発見するまでは、1つのミステリとして
かなり面白かったです。

ただ、ここからが問題。
というか、最初に「この本を読んではいけない」という警告文から
全てが始まっているのですが、
途中途中に挟まれる八坂を襲う不可思議な現象。
唐突に登場する八坂の双子の弟。

このあたりの伏線を一気に回収するのが、最後の謎解き&真犯人の登場なんですが、
これは蛇足だったような気がします。

むしろオカルト系ライターとしての八坂とカメラマン篠宮コンビを主人公とし、
こうした奇書の謎を解いていくシリーズとした方が良かったのではないでしょうか。

シリーズを重ねていく上で、八坂の弟の存在や、彼の持つ特殊な性格、
それらを匂わせながら、本作の展開にもっていった方が、まだ受け入れやすい。

物語がタイトルの「女學生奇譚」から、一気に乖離していくのが非常に残念。
ただ、「この本を読んではいけない」は八坂の興味を惹くだけでなく、
読者の興味も惹くので、無かった方がいいかと言えば、微妙なところ。

「女學生奇譚」という奇書をめぐるミステリとしては快作。
しかし、全体としてみると、陰謀論のような、残念な作品な気がしました。



女學生奇譚 (徳間文庫)

女學生奇譚 (徳間文庫)

  • 作者: 川瀬七緒
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: 文庫



女學生奇譚 (徳間文庫)

女學生奇譚 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: Kindle版



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コメント 6

コースケ

@ミックさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2019-09-22 21:50) 

コースケ

鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます~
by コースケ (2019-09-22 21:51) 

コースケ

31様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2019-09-22 21:51) 

コースケ

yu-papaさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2019-09-22 21:51) 

コースケ

むうぴょんこ様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2019-09-25 20:26) 

コースケ

ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2019-09-28 13:55) 

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