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ネジ式ザゼツキー [島田荘司]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

記憶に障害を持つ男エゴン・マッカートが書いた物語。そこには、蜜柑の樹の上の国、
ネジ式の関節を持つ妖精、人工筋肉で羽ばたく飛行機などが描かれていた。
御手洗潔がそのファンタジーを読んだ時、エゴンの過去と物語に隠された
驚愕の真実が浮かびあがる!圧倒的スケールと複合的な謎の傑作長編ミステリー。

GW中はたくさん本を読もうかと思い、そういえば御手洗潔シリーズで
長編ものはあまり読んでいないなと思い、購入したうちの1冊です。

本書はすでに御手洗が横浜を離れ、スウェーデンのウプサラ大学で教鞭を取りつつ、
脳科学の研究を行っています。
そこへ現れたのが、エゴン・マーカットという記憶に障害を持った人物。
彼の失われた記憶を物語るのは、彼が書いた小説『タンジール蜜柑共和国への帰還』のみ。

御手洗がこのファンタジー小説の記述から、その中の事項と、現実の事実とを
次々と結びつけていくところは流石です。
物語後半の「フランコ・セラノ、ネジ事件」では、担当したラモス刑事との対話から、
この事件の真相に迫っていくのですが、なぜ遺体にネジが組み込まれていたのか?という、
異常な事実を、これまた論理付けて解いていく過程は鮮やか。

この事件の真相を明らかにし、さらに真犯人をも突き止め、エゴン・マーカットが
何者なのかまでを一気に解いていく御手洗の推理は素晴らしいの一言です。

昔からそうなのですが、シャーロック・ホームズ譚のように、人智では説明できないかの
ような不可思議な謎や出来事を、いかに論理的に解きほぐしていくか、
そんな話が大好きなんですよね。
横浜時代のトリッキーな御手洗は全く見られないところが残念ですが、
読み応え十分でした。
そして、本作と対となるといってもよい『異邦の騎士』も近日アップ予定です。


ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

  • 作者: 島田荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2014/10/31
  • メディア: Kindle版



ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

ネジ式ザゼツキー (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/10/14
  • メディア: 文庫



nice!(5)  コメント(6) 
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31

コースケ さん いつもご訪問ならびにコメントありがとうございます。
「異邦の騎士」はとても好きな作品なので、コースケ さんの感想が楽しみです!
by 31 (2020-05-15 08:09) 

コースケ

ストックン様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2020-05-19 19:02) 

コースケ

31様、ご訪問&コメントありがとうございます。
『異邦の騎士』は本当に一気読みしました。気付いたら
朝になってしまい・・・(苦笑
いつも拙い感想ですが、近日中に更新できればと思います。
by コースケ (2020-05-19 19:04) 

コースケ

鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2020-05-19 19:04) 

コースケ

@ミックさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2020-05-19 19:04) 

コースケ

ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2020-05-19 19:04) 

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