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密室から黒猫を取り出す方法 名探偵音野順の事件簿 [北山猛邦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

密室殺人を企てる犯人の前に一匹の黒猫が現れた。あろうことかその猫は、
今まさに密室にならんとする部屋に入り込んでしまい……。思わぬ闖入者に翻弄される犯人だが、
さらに猫探しに訪れた探偵も現れる! 完全犯罪を目論む犯人の焦燥を描いた表題作をはじめ、
音楽室で起こった犯人と凶器が消失した殺人事件を解き明かす「音楽は凶器じゃない」など
気弱で引きこもりがちな名探偵・音野順の五つの活躍を収めた短編集、シリーズ第二弾!


またまた久しぶりの更新です。
このところ読書時間<Youtube時間となっており(笑)、あまり読んでない状況です。
しかしGWは少し積ん読本を読みたいですね。たまにはゆっくりのんびりと。

さて、そんな久しぶりの更新ですが、これまた超がつくほど久しぶりのシリーズ。
青崎有吾さんの解説にもあるように「ようやく!」文庫化です。

なんとこのブログでも前作『踊るジョーカー』を書いたのは2011年。
つまり10年ぶりです!そしてこの作品がいつ文庫化するんだ!と叫んでいたのが
猫柳十一玄の失敗』,2016年の記事です。
それから数えても5年ですから、よく私が生きていたなと思います(苦笑
以下、ネタバレあり。





四六版が出てから文庫化まで12年かかっているので、登場する携帯とか時代を感じますねえ。
とはいえ、ミステリとしては色あせません。
なんといっても、名探偵が解く謎の第一ともいうべき密室殺人が5編中2編もあるという、
『アリス・ミラー城殺人事件』などで魅せてくれたトリック・メーカー北山先生は
やはり伊達ではなかった。

解説で青崎さんが指摘している、引きこもり探偵、あるいは名探偵の使命という点での
シリーズ白眉ともいえるのは「停電から夜明けまで」。
確かにシリーズ探偵である音野順は、本当に何もしていない。
兄である音野要が事件を推理し、殺人計画を見抜くのです。
しかし、その決定的な証拠がまさか名探偵その人という。名探偵不要論を吹き飛ばす作品です。
なんというか、最後があまりに鮮やかな終わり方なので、
刑事コロンボの「二枚のドガの絵」を思い出しました。
さらに犯人の兄弟二人のバカさぶりもすごいです(笑


「クローズド・キャンドル」は王道の密室トリックですが、
ある意味叙述トリックの面もあるんですよね。
しかも双子という事実を隠しておきながら、そこにトリックがあるわけではないというのも見事。
琴宮探偵が良い味だしてます。

個人的オススメは「人喰いテレビ」。
目撃者の怪しげなUFO研究会、テレビに人が食われるという謎、想像できない結末・・・
一番惹き込まれましたね。

『踊るジョーカー』、再読します。
というか、猫柳十一玄も復活希望!


密室から黒猫を取り出す方法 (名探偵音野順の事件簿) (創元推理文庫)

密室から黒猫を取り出す方法 (名探偵音野順の事件簿) (創元推理文庫)

  • 作者: 北山 猛邦
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/01/28
  • メディア: 文庫








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コメント 5

コースケ

鉄腕原子様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-05-04 22:33) 

コースケ

@ミック様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-05-04 22:34) 

コースケ

サイトー様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-05-04 22:34) 

コースケ

xml_xslさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-05-04 22:34) 

コースケ

yamさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-05-04 22:35) 

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