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怪異筆録者 [太田忠司]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

売れない怪奇小説家・津久田舞々(本名)は、ある日小さな田舎町からの依頼を受けて、
その町の郷土史を執筆することになる。だが、到着したその日の夜に、
彼は謎の幽霊(?)の封印を解いてしまう。「しっかり妾に仕えろよ。さもなくばお前を呪い殺す」
――現れたのはまだ幼い少女だった。ふりかかる受難を躱しつつ、
紳士的な祟り神から生意気なお狐さまなど、
異界のものたちに遭遇してゆく舞々の運命やいかに。


太田忠司先生の作品はなんと初読。狩野俊介じゃないのか!と言われそうですが、
東京創元社のHPを見ていて、気になったので購入しました。

ミステリともホラーとも内容的には言いがたく(分類としてはホラーでしょうが)、
つかみ所の無い、中々に表現しづらいものですが、楽しめました。

後半が、世界を救う!的なライトノベルというか、そういう方向だったのは
個人的にあまり好みで無かったので、前半の非日常における話の方が好きです。

各話の初めに、必ずといっていいほど、編集者の明神が夢の中に登場し、
舞々先生を罵倒したり、意味不明な言語を並び立てたりするところは面白い。
現実でもやられてそう。

個人的には「津久田舞々は夜汽車に乗る」が愁眉。
汽車内の老人との会話が絶妙です。平然と乗っている英丹がシュール過ぎる。
それと車掌の正体も以外過ぎましたね。

方喰鐵山が作った結界が、舞々の前に現れた様々な神なのでしょうが、
彼彼女(?)たちは、あくまで鐵山が旅の途中で救ってきて、古賀音につれてきた神々
なのでしょうね。
元々居たのが、旧き神で、これはまあ怨霊的な神様なんでしょうかね。
御霊信仰ではないですが、敬うことで、逆にそこに留まらせる。
まあこの話では、世界を滅ぼす方向に行ってしまうのですが。

元々居た土着神と別のところから来た神という意味では、明治以降の各地の勧請とか
思い起こさせますが、まるっきり話とは関係ないのでこのへんで(笑

この珍しい名前の舞々先生とともに、肩肘張らず、ゆったりと読める小説です。


怪異筆録者 (創元推理文庫 M お 6-13)

怪異筆録者 (創元推理文庫 M お 6-13)

  • 作者: 太田 忠司
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2021/09/30
  • メディア: 文庫






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コメント 5

コースケ

xml_xslさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2022-03-06 20:34) 

コースケ

鉄腕原子様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2022-03-06 20:34) 

コースケ

@ミック様さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2022-03-06 20:34) 

コースケ

31様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2022-03-06 20:34) 

コースケ

サイトー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2022-03-06 20:35) 

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