SSブログ

アロワナを愛した容疑者 警視庁いきもの係 [大倉崇裕]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

有力政治家の三男が殺害された。現場で飼われていたアロワナは、
十年前にシンガポールの実業家のもとから盗まれた個体だと判明。
窓際警部補・須藤友三、生き物オタクの巡査・薄圭子のコンビは、
密輸ブローカーに焦点を絞り調査を開始する。タカやランが関わる事件も同時収録。
痛快アニマル・ミステリー!


本作はこれまでのいきもの係とは少し趣向が異なり、
今のところの文庫唯一の長編『蜂に惹かれた容疑者』に登場した、
新興宗教団体『ギヤマンの鐘』といきもの係との壮絶なる戦いが繰り広げられます。

しかも、それだけに留まらず、これまたこれまでにない趣向、
つまり「タカを愛した容疑者」では、なんと薄巡査が容疑者扱いに!
さらに初めて植物が登場する「ランを愛した容疑者」。いきもの係は、
正式には<動植物管理係>、そう、植物の世話もするのです!

いくつかの変化球を織り交ぜつつ、さらには大倉先生の別シリーズから、
福家警部補まで登場するという、豪華な内容になっています。

最初の「タカを愛した容疑者」。久しぶりに読んだからなのか、薄巡査の
とめどないボケについて行けませんでした(苦笑)。
それくらいわかるだろ!と怒髪天になりそうでした。

しかし、本作の中でこの作品は、いわば「顔のない死体」という、ミステリのある種の作法を
実に上手く使っているところが秀逸。所収作の中では、個人的にはミステリとしての
完成度は一番高いと思います。

表題作は、薄巡査がスーパー警察官であるということが明らかになるという(笑
福家警部補も以前のブログで書きましたが、スーパーウーマン化していくようで、
どうもそこまでしなくてもなあというのが、私の中にはあります。

ところで、解説でも書かれていますが、表題作の続編的位置づけになる作品は、
福家警部補シリーズで描かれているとのこと。いやこれを読むのは相当先になりそうだ。
しかも、「ギヤマンの鐘」は<問題物件>シリーズにも登場するということで、
いやいやこれまた困ったなと。読むシリーズが増えてしまう・・・


アロワナを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

アロワナを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/04/15
  • メディア: 文庫







nice!(6)  コメント(1) 
共通テーマ:

nice! 6

コメント 1

コースケ

皆様、いつもご訪問&nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2022-07-21 20:28) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。