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清里高原殺人別荘 [梶龍雄]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

冬、シーズンオフの別荘地・清里──〝内側から開かない窓〟を設えた奇妙な別荘に、
五人の男女が忍び込んだ。彼らがある連絡を待って四日間潜むその隠れ家には、意外な先客が。
密室での刺殺、毒殺、そして撲殺……相次ぐ死によって狂い始めた歯車。
館に潜む殺人鬼の仕業か? 逆転に次ぐ逆転! 伏線の魔術師・カジタツが巧緻の限りを
尽くした極上の「雪の山荘」ミステリ。待望の初文庫化!

梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクションの2として発売された本作。
楽天ブックスのお気に入り的な所に出てきたので、購入してみました。
なんといっても「雪の山荘」に惹かれました。

本作は、よくよく考えてみると、犯人はある意味すぐ目星はつくのですが
(トリックやアリバイはともかく)
5人の男女が一体何の目的で、この別荘に忍び込んだのか、
彼彼女たちは一体何をやってきたのか、
この辺りを謎に包んでいることで(途中明らかになるのですが)
上手く事件の構図を隠しています。

ミステリにおける「雪の山荘」というのは、その山荘になぜか集められ、
次々に殺されていき、最後に探偵役が謎を解く、というのが
まあステレオタイプ的ですが、常道だと思います。
犯人当て、つまりは「フーダニット」なんでしょう。

しかし本書は、この体裁を取る姿勢を見せつつも、
上記書いたように、そもそもこの山荘になぜ彼彼女たちが居るのか、
時折電話してくる沢木なる男は誰なのか、
その辺りに謎があるため、フーダニットでは終わらず、
解説の阿津川辰海さんが書かれているように、ホワットダニットであるというのは
全くその通りで、流石です。

しかも、フーダニット&ホワットダニットいずれも楽しめる作品であり、
かつ第7章では探偵役の謎解きと、ある種のどんでん返しまで仕掛けてあります。
最後の仕掛けは驚きました。こんな結末とは。

ところで、阿津川辰海さんは『本格ミステリ・フラッシュバック』で
梶さんを知ったと書かれているのですが、私も読んだけど覚えてない(苦笑)
しかしこういう作家さんが居た事を知れたのは、非常に良かったです。
これからまた読む楽しみが増えました。
さすが徳間文庫さん、ありがとうございます!


梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘 (徳間文庫 トクマの特選!)

梶龍雄 驚愕ミステリ大発掘コレクション2 清里高原殺人別荘 (徳間文庫 トクマの特選!)

  • 作者: 梶龍雄
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2023/02/08
  • メディア: Kindle版






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コメント 5

コースケ

xml_xslさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2023-03-12 21:17) 

コースケ

サイトー様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2023-03-12 21:18) 

コースケ

@ミック様さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2023-03-12 21:18) 

コースケ

鉄腕原子様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2023-03-12 21:18) 

コースケ

yamさま、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2023-03-19 18:52) 

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