SSブログ

バスクル新宿 [大崎梢]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

よい日になりますように

会いたい人のもとへ。届けたいもの、伝えたい思い、叶えたい夢を抱えて。
さまざまな人たちが行き交うバスターミナル。そこで起きた事件をきっかけに、
繋がるはずのなかった個々の人生が鮮やかに交わってゆく。
目的地に向かい夜を通してひた走るバスが、
人生の岐路に立つ人々を朝へと運んでゆく連作短編集。

バスが繋いだ”縁”が
バスターミナルで奇跡を起こす

私は以前書店に勤めていたのだけれど、
何か安心して読める本を紹介してほしいという問い合わせを受けたときに、
よく挙げたのが大崎さんの名前だった。
――小出和代(解説より)

しばらく止まってました。
大崎さんの御本も久しぶりです。
「バスタ新宿」を本気で「パスタ新宿」と見間違えていたのを思い出しました(苦笑

「バスクル新宿」という夜行バス・長距離バスのバスターミナルと
そのバス車内で起こる様々な出来事と、「バスクル新宿」に居るある少年をキーとして
繋がる連作短編集。

本作ダントツ愁眉は「チケットの向こうに」
サークルのお金が生駒によって(おそらく)持ち出された。
同じサークルの磯村と益子は、彼がバスに乗り故郷へ行くと考え、「バスクル新宿」
で彼を待ち構えるが・・・

この話、この3人の話かと思いきや、全然違います。
磯村が偶然であった調査会社の柳浦さんとの会話で物語は進行します。
生駒も途中で捕まるものの、ラストの柳浦さんとの会話やあるショッキングな出来事など、
非常に上手く作られてます。

「パーキングエリアの夜は更けて」は、凶悪事件発生か?!と思わせる出来事が
続く、さらに主人公はバスの中。果たして・・・?というサスペンス風な作品。
「疑い出したら切りが無い」というセリフが出てきますが、まさにその通り(笑
でも「トーマ」君を発見したときの紺野莉香は気が気でなかったでしょう。

最終話「君を運ぶ」で、各編に登場していた少年の謎が明かされます。
各編に登場した主人公達もほぼ勢揃いで、ちょっとした大団円ですね。

人生の岐路という点でみると、第1話の「バスターミナルでコーヒーを」が良いですね。
現実に同じバス乗車客がふれ合うようなことはないでしょうけど、これはこれで
良い作品です。

町の書店が減る中、大崎作品の成風堂書店シリーズや井辻くんシリーズは
中々執筆が難しいのかなと、勝手に思ってます。
そう思いつつ、ぜひ新作をお待ちしています!



バスクル新宿 (講談社文庫)

バスクル新宿 (講談社文庫)

  • 作者: 大崎梢
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2024/01/16
  • メディア: Kindle版






nice!(5)  コメント(1) 
共通テーマ:

nice! 5

コメント 1

コースケ

みなさま、いつもありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2024-06-30 22:34) 

コメントを書く

お名前:
URL:
コメント:
画像認証:
下の画像に表示されている文字を入力してください。