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鏡面堂の殺人 ~Theory of Relativity~ [周木律]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

異形の建築家が手掛けた初めての館、鏡面堂。すべての館の原型たる建物を訪れた百合子に、
ある手記が手渡される。そこには、かつてここで起きたふたつの惨劇が記されていた。
無明の闇に閉ざされた密室と消えた凶器。館に張り巡らされた罠とWHO、WHY、HOWの謎。
原点の殺人は最後の事件へ繋がっていく!

前々作で探偵役が自らその役を降り、そして前作でワトソン役(たち)が降板するという、
シリーズとしては異例の歩みを続ける<堂>シリーズ。
本作では、一連の事件の発端になった(と思われる)「鏡面堂」の事件が語られます。




やはり<堂>は回転するのです。これがこのシリーズの貫徹したものでしょうね。
また「手記」という体裁を取って語られることから、そこに何かの仕掛けがあるのは
なんとなく予想がつきます。

トリックそのものはさすがだし、容疑者外しの過程も面白い。
容疑者のそれぞれの特徴がうまく落とし込まれていて、上記書いた仕掛けは
決して読者にとってアンフェアである訳ではありません。

しかし、そもそもの事件を起こした動機がどうもなあ・・・という印象。
まあこれはシリーズ通してもそのようなものは見受けられましたけど。
「手記」を書いた人物にしても、想像がだいたいつくし、
やはり宮司司と百合子、そして十和田只人、善知鳥神が巻き込まれた事件の謎が
最後まで鍵となるようです。

次作であり最終作「大聖堂の殺人~The Book~」に期待しましょう。



鏡面堂の殺人 ~Theory of Relativity~ (講談社文庫)

鏡面堂の殺人 ~Theory of Relativity~ (講談社文庫)

  • 作者: 周木 律
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: 文庫



鏡面堂の殺人 ~Theory of Relativity~ (講談社文庫)

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  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2018/12/14
  • メディア: Kindle版



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