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忘れられた花嫁 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

結婚式直前に花嫁が失踪。控え室を片付けるため、アルバイトの明子が部屋へ向かうと、
そこには、花嫁が着るはずだったウエディングドレスを着た、見知らぬ女性の死体が。
翌日には、式場の主任の光子が何者かに刺され、帰らぬ人となってしまう。
次々と起こる事件に関係はあるのか?
なぜか調査を任されることになった女子大生明子が、事件の真相に迫る!

新年明けましておめでとうございます。
本年も拙ブログをよろしくお願い申し上げます。

さて、やはり首都圏(1都3県)に緊急事態宣言発出とのニュースが出ていますが、
当然というか、この状況を打開しなければいけませんから。
とはいえ、さっさと特措法を改正して、前年度比売上の7割保証とか、そのくらいを
国がしっかりやらないと、閉店倒産で大変な事にもなりますし。
いずれにせよ、今年もそこまで変わらない年になりそうです。

本年一作目は、今年読んだまさにホヤホヤの一冊。
現在まで続く「花嫁シリーズ」の第2作で、その後探偵役を務める塚川亜由美ではなく、
同じ女子大学生でも、合気道を嗜む永井明子が主人公。本作しか彼女は登場しませんので、
かなりレア作品です。

後に彼女の設定も(大学講師と恋仲)も塚川亜由美が取り込みますから、
徐々に徐々に一体化が図られたのかもしれませんね。
というか、かなり似ている主人公なので、同シリーズ内で描き分けは難しいだろうなあ。

しかし、何か久しぶりに「花嫁シリーズ」を楽しめた感じがしました。
そこかしこに出てくる、赤川さんのちょっとした言い回しが良いんですよ。
物語冒頭にはそうした言い回し、良く出てくるのですが、本作はかなりそれが
ちりばめられていて、ある種のクッションになっていて、実にいい。

主人公の明子は性格は亜由美より短気で、即座に行動に出るタイプです。
そして、本作では死にそうな目に(本当に!)何度も遭遇しつつも、猪突猛進。
母親の啓子も若干トボけた感じですが、最後の台詞でそれは親譲りであることもわかります(笑

彼女の勤務先の結婚式会場の社長がまた良い味出してます。
名前、苗字すら全く出てこないにも関わらず、充分にメインキャラクターです。

謎解き部分はもう少し丁寧であって欲しかったなあと思いますが、
最初誰だか分からない女性が、貸衣装のウエディングドレスを着て、
結婚式場で亡くなっていたり、明子の上司にあたる人物が突然辞表を提出したり・・・
物語序盤の掴みは最高です。

現時点では永井明子にとって、最初で最後の事件ですが、
可能であれば、奇跡的に復活して欲しいと思います。



忘れられた花嫁 (実業之日本社文庫)

忘れられた花嫁 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2020/12/04
  • メディア: 文庫



忘れられた花嫁 (角川文庫)

忘れられた花嫁 (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 1987/10/01
  • メディア: 文庫



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