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カルトからの大脱出 [鯨統一郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

教祖V.S.マジシャン!?
カルト宗教に消えた娘を救うため、
信者たちに「本当の奇跡」を見せろ!

保険営業員として働きながら高校生の娘・あすかと二人で楽しく暮らしていた好美。
だがある日、あすかは家を飛び出し、謎のカルト教団〈新しい神のルール〉の中へと消えた。
憔悴する好美に救いの手を差し伸べたのは、保険の顧客であるマジシャンの谺だった。
娘奪還のために谺が用意した奇策とは? 大・逆・転ミステリー!


本書が書き下ろしで、昨年末に刊行されたというのは、
鯨先生の意図がどこにあるのかはわかりませんが、時事的な問題をかなり真正面から
取り上げた作品であるのは、間違いありません。

あすかが入信する動機も、確かに納得できるところはあるものの、
それだけで?!と感じたり、当たり前ではないことを、さも当たり前のように話す
信者やあすかの同級生、好美が驚くのも無理ありません。

最後の大逆転、これいくつか意味がありますよね。
現実問題として、こんな大舞台で教祖たちの嘘を暴くことは、まず難しいと思いますが、
まあ小説だから良いのかなと。
もう1つの「大逆転」はミステリとしての趣向で、ここは純粋に上手い。
ミステリとして本書を見ると、関係者の死などはあからさまに途中で語られているので、
そうした点でのミステリらしさは楽しめない一方で、
この最後のトリックは、お見事だなと。

<スリーバレー>シリーズ、そろそろ出ないでしょうかねえ。



カルトからの大脱出 (中公文庫)

カルトからの大脱出 (中公文庫)

  • 作者: 鯨統一郎
  • 出版社/メーカー: 中央公論新社
  • 発売日: 2022/12/21
  • メディア: Kindle版






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