双頭の悪魔 [有栖川有栖]
孤島パズル [有栖川有栖]
月光ゲーム-Yの悲劇88- [有栖川有栖]
そして江神二郎&学生アリスシリーズ第1弾です。
今まで有栖川さんのは火村&作家アリスシリーズのみ読んでましたが、
江神シリーズも読んでみようと思い購入。
ダイイングメッセージについてはちょっとどうかと思いましたが、
マッチ箱とその本数に関するとこの江神部長の推理はお見事。
動機もいまいちはっきりしないところもありましたが、まあデビュー作ですしね。
現在は第2弾の「孤島パズル」を読んでます。
有栖川さんはどちらかといえば短編向きの作家さんなのかもしれませんねえ。
秀逸な短編が多い気がします(「ペルシャ猫の謎」という物議をかもしたものもありますが・笑)
とはいえ火村シリーズ久々の長編「乱鴉の島」や江神部長超がつくほど久々の
登場作品「女王国の城」など楽しみな作品もあります。
早く文庫化してほしいですねえ・・・
モロッコ水晶の謎 [有栖川有栖]
いつも思いますが、このシリーズに派手さやトリッキーな演出はありません。
どこまでも堅実に、そして確実な、本格ミステリであり、火村の推理もまさに詰め将棋です。
が、本作は今までのシリーズとちょっと異なるかなあと感じました。
表題作「モロッコ水晶の謎」はこれまでのシリーズと比較しても異色中の異色では。
これはミステリなのか・・・?このトリックがある意味恐ろしい・・・
オススメは「推理合戦」有栖川さんはいつもやられてばかりでしたが、見事な逆襲を果たします。
「ABCキラー」は競作で書かれた一本。
あとがきにありますが、「ABCD殺人事件」としたかったようですが、
赤川次郎さんと同名のがあるので変更。
確かにこの作品はそう名付けるべきだと感じますが、赤川さんのもまたしかり(笑
この作品の結末は悲劇的です。
久々に読みましたが、今回はやはり異色。でも楽しめました。
はやくアノ長編が文庫にならないかなあ。
朱色の研究 [有栖川有栖]
白い兎が逃げる [有栖川有栖]
有栖川有栖さんの火村英生シリーズ中短編集。
光文社文庫初登場ですね。
四編収録されてますが、鉄道ミステリが中心となってます。
解説は辻真先さん!必読です。
オススメは「不在の証明」
最初、アリバイトリック、時刻表トリックかな?と思ってましたが、
全く意表つかれましたね。
「白い兎が逃げる」は「週間アスキー」で連載されていた
んですよねえ・・・
僕は当時購入していたけど、う~ん、覚えてない(すいません)
「地下室の処刑」では「暗い宿」所収の「異形の客」に登場した
シャングリラ十字軍が登場。
有栖川さんも書いていますが、火村との直接対決が早く観てみたい
ですね。
「比類のない神々しいような瞬間」に出てきた
暗号は絶対わからないなあ(笑
火村シリーズは奇抜なトリックとかで驚かせるものではなく、
火村が堅実に詰めていく、詰め将棋のような印象を
感じます。それがまたこのシリーズの売りなのかなとも。
去年火村シリーズ久々の長編も出ましたし、
ますます楽しみなシリーズですね。
山伏地蔵坊の放浪 [有栖川有栖]
有栖川さんの短編集。安楽椅子探偵ものでしょうか。
この前この続編が出た夢を見たので、書いてみました(笑)
なんというか、どの話も本当に(つまり作中内でも)あったのかどうか、
怪しいもので、その点がおもしろいです。
「法螺を吹く」とはよく言ったものですね。
どれも創作であるならばこの地蔵坊先生はすごい推理作家になりますね。
個人的に好きなのは「毒の晩餐会」
言われてみればそれしかないか・・・と盲点をつかれました。
続編を書くのはなかなか難しいのかもしれませんが、
また新たな場所に地蔵坊先生を登場させてもらいたいものです。
スイス時計の謎 [有栖川有栖]
有栖川有栖さんの国名シリーズ第7弾。
全作「マレー鉄道の謎」が長編でしたが、今回は「ペルシャ猫の謎」
と同様短編集です。
お気に入りは「あるYの悲劇」
クイーン「Yの悲劇」も登場しますが、内容は全く違います。
被害者のダイイングメッセージはどうかなあと思いましたが、
犯人を指摘した時の火村はなかなか。
「スイス時計の謎」は非常に緻密に、火村が推理を詰めていくもの。
アリスの過去がちょっと書かれたりして、また最後の「これからも書いていける、
ありがとう」というのはちょい感動しました。
それにしても有栖川さんは火村シリーズはどんどんだしていきますが、
江神シリーズはどうしたんでしょうかねえ・・・
そちらを待ちこがれているファンの方もいるのでしょうし。
江神の次回作も期待したいものです。
暗い宿 [有栖川有栖]
有栖川有栖さんの短編集。火村英生シリーズです。
このシリーズ、講談社文庫もよいものばかりですが、あえてこの作品を
選んでみました。
講談社のはいわゆる「国名シリーズ」で読まれている方も多いかと。
角川のものは「海のある・・」などはあまりいい評判は聞きませんが、
「朱色の研究」は秀作。
さてこの作品、おすすめは文字通り「暗い宿」
有栖川が泊まった古びた旅館で起きた奇妙な出来事、そこから
事件が始まります。
火村が意外にもピンチ(?)に陥る「201号室の災厄」もいいですね。
有栖川さんのは読み始めてそれほど月日はたってませんが、
どれもおもしろいです。
「山伏地蔵坊の放浪」はシリーズ化してほしいものです。