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黒面の狐 [三津田信三]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

敗戦に志を折られた物理波矢多は、九州で炭坑夫となる道を選ぶ。
意気投合して共に働く美青年・合里光範もまた、朝鮮人の友を過酷な労働に従事させた過去に
罪悪感を負っていた。親交を深める二人だが、相次ぐ変死体と“黒い狐面の女”の出現で
炭鉱は恐怖に覆われる。ホラーミステリーの名手、新シリーズ開幕!

三津田さんの著作も久しぶりです。
刀城言耶シリーズを読んでいないのですが、新シリーズもので、他ブログ様で紹介
されていた本書を購入して早速読んでみました。

本格(+民俗学的側面)かと思いきや、本書は社会派ミステリといって
差し支えないでしょう。
かつて日本の産業の中心であった炭鉱が舞台の本書は、戦前・戦後の炭鉱の有り様や、
そしてそこで働く労働力の確保、そこにある戦前の日本軍の関与など、
様々な面を垣間見ることができます。

主人公の物理波矢多がまたどこかつかみ所がないというか、中々面白い人物に
描かれていて、飄々としている面、復員直後だからなのか、人生を諦めている感も
あり、かなり好感が持てます。

ミステリとしては、いわゆる「顔のない死体」が炭鉱から発見されますが、
このトリックのさらに裏をかいた仕掛けがお見事。
この仕掛けは、本書が戦後の混乱期を示す一場面となっている点でもあります。


一点だけ、これは民俗学というか都市伝説的なものだから仕方ないのかもしれませんが、
黒い狐面をかぶった女性の存在が、気になりました。
そんな話が伝わっている、といえばそれまでなのですが、
この話にもできれば何らかの解釈が欲しかったところです。


すでに次回作は発売されているようなので、ぜひ早く文庫化を!


黒面の狐 (文春文庫)

黒面の狐 (文春文庫)

  • 作者: 信三, 三津田
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/03/08
  • メディア: 文庫



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七人の鬼ごっこ [三津田信三]

三津田信三さんの著書は初。
刀城言耶シリーズ、いつも気になって
読もうかどうしようか悩むのですが、
長さに僕がついて行けるのか・・・といつも購入を
控えてしまいます(ミステリファンとは思えませんね。申し訳ありません)

本書は生命の電話にかかってきた1本の電話から物語りが
始まります。
「だ~れまさんが、こ~ろした」
奇妙な子どもの声、そしてだるまさんがころんだに似たフレーズ。
小学生時代の友人が次々と殺されていく・・・
犯人の目的は?そして正体とは。

速水晃一の最後の推理は読み応えあり。
悩みに悩み、可能性を一つずつ消していく、
その推理の過程を描いているのはおもしろかったです。

犯人は物語が進むにつれてその候補が狭まっていくのですが、
実はそこにトリックがあるのです。
ここは上手いなあと感じました。

ラストはややモヤモヤかなあ。
結局達磨堂の御神体や過去の犯罪の謎は残されたままなのが
個人的には惜しい。
最後の1文はメタ感もあり良いですけどね。


七人の鬼ごっこ (光文社文庫)

七人の鬼ごっこ (光文社文庫)

  • 作者: 三津田 信三
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/09/10
  • メディア: 文庫



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