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骸の爪 [ミステリ]

霊現象探求家真備庄介&ホラー作家道尾秀介が挑む第弐弾。
前作を読んで早く文庫化しないかなあと思っていたので、
早速購入し、早くも(?)読了

今回道尾はとある事情から仏像を造る工房にて一夜を
過ごすことになります。
ところが、自分が泊まる部屋は出来損ないの仏像が
安置してある部屋・・
やはりそこでも不可思議な事が・・・
夜中に観た笑う千手観音
ズル・・ズル・・という何かを引きずる音。
「マリ・・マリ・・」と言う男の声。
さらにそこで撮った写真には血を流す仏像が写っていた・・・
いったいこの工房には何が隠されているのか?

前作「背の眼」でもやはり同じように道尾は何かの「声」
を聞いて、その謎を解明してもらうために
真備を訪ねますが、
今回もやはり何かの「声」が発端となっています。

しかし本作と前作の大きな違いは、
ホラー要素はあるものの、
本作は純粋なミステリ小説であるということでしょう。

前作に見られた霊現象による「解決」は一切なく、
真備が全ての謎にミステリ的「解決」を
披露します。
以下ちょっとネタバレ。



特に秀逸だと感じたのは
2つの大きな「叙述」トリック。
これは日本語の持つ特性をうまく活かした
トリックだと思います。
同音異字、まさにこれに尽きる。

なにげなく語られる工務店の手抜きの話や
松月さんの離婚、トイレに籠もる韮澤の話などなど
どれもが実は伏線となっていて
最後に1つの線となっていくのは
見事の一言。

次作も早く読みたいですね。



骸の爪 (幻冬舎文庫 み 11-3)

骸の爪 (幻冬舎文庫 み 11-3)

  • 作者: 道尾 秀介
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2009/09
  • メディア: 文庫



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コメント 2

風竜胆

はじめまして
この作家の作品は初めて読みましたが、なかなか面白かったと思います。確かに、たくさんの伏線が、最後はうまくまとまっていきましたね。
個人的には、もっと蘊蓄をたくさんちりばめてほしかったのですが。

by 風竜胆 (2009-11-09 18:44) 

コースケ

風竜胆さま
はじめまして、コメントありがとうございますm(_ _)m

霊現象探求家としての蘊蓄ならば、
第1作「背の眼」の方が多かったかもしれませんね
(うろ覚えですが、確かそんな気がしました。)
そして「背の眼」の方が怖いです・・・

本作はミステリ小説に徹したのかも
しれないですね。
だからそういう蘊蓄を抑えたのかもしれないです。


抑えたのかなとも
by コースケ (2009-11-09 23:03) 

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