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ミステリークロック [貴志祐介]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

人里離れた山荘での晩餐会。招待客たちが超高級時計を巡る奇妙なゲームに興じる最中、
山荘の主、女性作家の森怜子が書斎で変死を遂げた。
それをきっかけに開幕したのは命を賭けた推理ゲーム! 
巻き込まれた防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、
時間の壁に守られた完全密室の謎に挑むが(「ミステリークロック」)。
表題作ほか計2編収録。『コロッサスの鉤爪』と2冊で贈る、防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。


以下、ややネタバレ。





また少し時間が空いてしまいました。
このところあまり本を読んでいないので、次はもう「ぼくのこのミス2020」になりそう
な予感がします(苦笑)

表題作はまず措いておき、「ゆるやかな自殺」は榎本の仕事関係がいかに
広いのかを示すエピソードでもあり、結構激しい作品だなあと。
しかしこのトリック、かなり面白いですね。
本シリーズはメイントリックは密室なのです。
しかし本書所収の2編はかなりの変化球ですよね。
とくに「ゆるやかな自殺」のこのトリックはなあ。まあ上手くはいきそうですけど(笑
でも確かに自殺にしか見えない。

表題作は犯人は即座にわかります(笑
というか、これは準備していないと絶対に無理なので、それはわかるはず。

しかし、この時計トリック、時間トリックは素晴らしいの一言に尽きます。
電波時計のトリックだけでなく、全体が実によく構成されていて、
それでいて、榎本のTVを入れた推理ショーも見逃せません。


ミステリークロック 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)

ミステリークロック 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/11/21
  • メディア: Kindle版



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コロッサスの鉤爪 [貴志祐介]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

何者かに海中深くへ引きずり込まれた元ダイバー。無残な遺体には鉤爪で付けられたかのような
不審な傷が残されていた。現場は、ソナーで監視され、誰も近づけないはずの“音の密室”。
事件の調査依頼を引き受けた、防犯コンサルタント(本職は泥棒!?)の榎本と弁護士の純子は、
大海原に隠された謎に挑む!(「コロッサスの鉤爪」)。表題作ほか計2編収録。
『ミステリークロック』と2冊で贈る、防犯探偵・榎本シリーズ第4弾。

超がつくほど久しぶりの防犯探偵シリーズ!
2冊同時刊行(分冊ですが)はうれしいですね。

しかし、久しぶりに読んだけど、弁護士の青砥純子先生は、いつの間にか
コメディリリーフ的な位置になってたんですね・・・(笑
とはいえ、彼女とのやりとりから榎本の推理も構築されていくのもまた良い。

『鏡の国の殺人』は、「不思議の国のアリス」の続編、「鏡の国のアリス」を
モチーフにした作品。
これを読んでいるとき、『アリス殺し』等で人気を博した小林泰三さんがお亡くなりに
なったとのニュースに接しました・・・ショックです。ご冥福をお祈りいたします。

辻御大の「アリスの国の殺人」など、アリスはかなり日本のミステリでも
よく使われる作品ですね。
本作は萵苣根功のキャラクターが秀逸!いや、まさか本名ではないと思いますが、
彼が事件解決に果たした役割が非常に大きいだけに、それだけにこのキャラクターは良い。
次作にもぜひ登場してもらいたいけど、アリス関連だからなあ・・・

表題作は海を密室にするという、壮大なミステリです。
当時流行(?)していたダイオウイカまで登場します。

しかし、このトリックを解ける人はいないでしょうね。
魚の特色なども組み込んでいてその点も非常におもしろいのですが、
このトリックは暴けない。

次は『ミステリークロック』を読みます!


コロッサスの鉤爪 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)

コロッサスの鉤爪 「防犯探偵・榎本」シリーズ (角川文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2020/11/21
  • メディア: Kindle版



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鍵のかかった部屋 [貴志祐介]

弁護士の青砥純子と防犯コンサルタントの榎本が挑む
密室事件が4本収録された短編集。

ドラマの関係でしょうが、文庫化が早かったですね。
嬉しい限りです。
本書は「佇む男」「鍵のかかった部屋」は犯人は誰であるかはすでに
判明しており、その意味では完全にトリック主体の内容です。
特に、この犯人が卑劣きわまりないヤツなので、
なんとしてでもトリックを見破ってくれと読みながら思ってました。
特に「鍵のかかった部屋」は榎本自身が依頼者の立場になってるんですよね。
「同業者」ではないようですが、まあ違う「同業者」だった可能性はありますが・・・

「歪む箱」は犯人に同情してしまうので、上記2作品とは別にしました。
欠陥住宅を逆に上手く使うトリックではありましたが、
相手が悪かった。

最後の「密室劇場」はこれはパロディに近い(笑
前作のある話に出てきた劇団が登場します。
なぜ青砥と榎本が二人揃って来てるんだろうかと疑問を持ってしまいました。

「鍵のかかった部屋」がそのタイトルを含めて本書愁眉の作品。

ドラマは観てませんが、原作は全部消化するんだろうか。



鍵のかかった部屋 (角川文庫)

鍵のかかった部屋 (角川文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2012/04/25
  • メディア: 文庫



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狐火の家 [貴志祐介]

うさんくさいが知恵は抜群、防犯コンサルタントの
榎本と、美人弁護士・青砥純子が挑む、
4つの密室事件。シリーズ第2弾。

このシリーズは<密室>にこだわっていて、
その点がやはり最大の魅力。

本作愁眉は表題作「狐火の家」。
本作は前作「硝子のハンマー」の作風に
もっとも近く、終わりも余韻が漂うものになっています。

「黒い牙」と「盤端の迷宮」は<密室>より、
物語に非常に関係深い、あるものへの記述が印象的。
特に「黒い牙」は(笑

最終話「犬のみぞ知る Dog knows」は最大の問題作!
ラストまで読んでも、本当に事件が起きたのか、
それとも劇団『土性骨』の劇なのか、それもわかりませんでした(笑
とにかく登場人物がぶっ飛びすぎているんです。

解説は、秀逸。貴志祐介氏のこれまでの作品を挙げ、
作品の恐怖という点で語っています。
この<防犯探偵シリーズ>の持つ恐怖をわかりやすく
解説してくれています。

さてシリーズは第3弾もすでに刊行されています。
タイトルは「鍵のかかった部屋」。
ストレートすぎる!!!


狐火の家 (角川文庫)

狐火の家 (角川文庫)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/09/23
  • メディア: 文庫



硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)

硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫



鍵のかかった部屋

鍵のかかった部屋

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店(角川グループパブリッシング)
  • 発売日: 2011/07/26
  • メディア: 単行本



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硝子のハンマー [貴志祐介]

日本推理作家協会賞受賞作。
専門知識もかなり入ってきますが、これはおもしろかったです。
「防犯コンサルタント」の異名(?)をとる探偵役・榎本とワトソン役の弁護士・青砥が挑む、
密室殺人の謎。

二部構成をとっていて、一部は榎本たちがこのトリックを暴くまで。
二部では犯人の倒叙形式をとっています。

初登場の榎本はホームズばりの推理で青砥が弁護士であることを見抜きますが、
まあ実際は監視カメラの映像から・・・なんて描写があったり、
彼自身「不法侵入」やらまあ色々と犯罪行為を実際にしていたりと、なにかといわくのある人物の
ようです。

二人の気があっているようには到底見えないのですが、今後はどうなることやら。

僕はこの小説では二部が好きです。
犯人の過去、犯罪に至る経緯、そして現在と過去との繋がり・・・
色々な事が描写され、かつトリックについても詳細な説明がなされます。

もしも彼が殺人を犯していなければ、結末は大きく変わっていた、そんな描写もありましたねえ。
探偵役の榎本は初登場ということもあり、人物像がいまだ謎が多くて、
その辺りも今後の作品で明らかになっていってもらいたいです。

硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)

硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)

  • 作者: 貴志 祐介
  • 出版社/メーカー: 角川書店
  • 発売日: 2007/10
  • メディア: 文庫


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