硝子のハンマー [貴志祐介]
日本推理作家協会賞受賞作。
専門知識もかなり入ってきますが、これはおもしろかったです。
「防犯コンサルタント」の異名(?)をとる探偵役・榎本とワトソン役の弁護士・青砥が挑む、
密室殺人の謎。
二部構成をとっていて、一部は榎本たちがこのトリックを暴くまで。
二部では犯人の倒叙形式をとっています。
初登場の榎本はホームズばりの推理で青砥が弁護士であることを見抜きますが、
まあ実際は監視カメラの映像から・・・なんて描写があったり、
彼自身「不法侵入」やらまあ色々と犯罪行為を実際にしていたりと、なにかといわくのある人物の
ようです。
二人の気があっているようには到底見えないのですが、今後はどうなることやら。
僕はこの小説では二部が好きです。
犯人の過去、犯罪に至る経緯、そして現在と過去との繋がり・・・
色々な事が描写され、かつトリックについても詳細な説明がなされます。
もしも彼が殺人を犯していなければ、結末は大きく変わっていた、そんな描写もありましたねえ。
探偵役の榎本は初登場ということもあり、人物像がいまだ謎が多くて、
その辺りも今後の作品で明らかになっていってもらいたいです。
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