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もしかして ひょっとして [大崎梢]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

バスケ部の雰囲気が最悪になったのはなぜ? 長年勤めてくれていた家政婦さんは、
なぜ辞めてしまったのか? 会社の同期は罠にはめられたのか? 
友人がどうしても猫を隠さなければいけなかった理由とは? 部屋で亡くなっていた叔父さん。
何があったのか? あの日隠した、胸の痛み。計り知れない、あの人の心の中。
秘密が明らかになるとき、人生が少し、輝き始める。
日常の謎解きの魅力がたっぷり詰まったミステリー短編集。

大崎さんの光文社刊行は、ノンシリーズが多いですね。
前回自分が読んだのは『ドアを開けたら』(長編)で、結構久しぶりかも。

「小暑」は、おそらく本書内でも、もう普通に小説と言って良いと思うくらいの
軽いジャブ。「日常の謎」ですらない。悪い意味ではありません。
本当にそんな感じ。

次から怒濤に攻めてきます。
「体育館フォーメーション」、青春小説だなあ。解説を書かれている似鳥先生
の作品に近似しています。
「都忘れの理由」、これが本作では愁眉。めちゃくちゃ面白いです。
本当に謎だけど、その謎は本当に単純。これは登場人物の個性に拠るところも大きい。

「かもしれない」、これも良いです。現在進行形でなく、過去をふと思い出して、
自分の考えを再考していく過程というか、「回想の殺人」、別に殺人は起きてないけども、
なんか、こういう過去から現在に繋がる話は、変化球的な「日常の謎」という印象です。

「灰色のエルミー」と「山分けの夜」はサスペンスと殺人あり。
この2作、前者は主人公お見事な作品で、後者はやや謎を残しつつ了。

久しぶりに、成風堂書店シリーズも読みたいですね。


もしかして ひょっとして (光文社文庫)

もしかして ひょっとして (光文社文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2023/09/13
  • メディア: Kindle版






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ドアを開けたら [大崎梢]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

マンションで発見した独居老人の死の謎に
中年男と高校生のコンビが挑む、心温まるミステリー。

鶴川佑作は動揺を隠せなかった。引っ越しの準備をする佑作がマンションの同じ階に暮らす串本を訪ねると、彼はこと切れていたのだ。来客対応中だったらしい。老齢ながら彼は友人だった。通報もせず逃げ出す佑作。だが、その様子を高校生の佐々木紘人に撮影され、部屋に戻れと脅迫される。翌朝、動画の消去を条件に佑作は紘人と再訪するが――今度は遺体が消えていた!


鶴川さんと佐々木くんの出会い方はなんとも不穏ですし、さらに死体が消える、
さらには怪しげな宗教団体まで登場、そして串本の隠された本性まで明らかに?!

この二人の間、打ち解けてからの関係は何とも表現しがたいのですが、
二人で謎を解いていきつつ、二人それぞれの生き方までが変化していきます。

一方、最初から終盤までは上記書いたさらに深い謎にいくかと思いきや・・・
謎そのものと、串本さんの悲しい過去はあるのですが、
串本さんが果たせなかった事を、鶴川&佐々木コンビが見事に引き継いで、
ラストも素晴らしい終わり方です。
このラストまでの道程こそ、本書タイトルの示したかったものなのでしょう。

コロナ禍だからこそ、こうしたミステリーで心を和ませたいものです。


ドアを開けたら(祥伝社文庫 お23-2)

ドアを開けたら(祥伝社文庫 お23-2)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2022/04/15
  • メディア: 文庫






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ようこそ授賞式の夕べに-成風堂書店事件メモ(邂逅編)- [大崎梢]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

書店員がその年一番売りたい本を選ぶ書店大賞。その授賞式の当日、
成風堂書店に勤める杏子と多絵が会場に向かおうとした矢先、福岡の書店員・花乃が訪ねてくる。
「書店の謎を解く名探偵」多絵に、書店大賞事務局に届いた不審なFAXの謎を解いてほしいという。
同じ頃、出版社・明林書房の新人営業マンである智紀にも、同業の真柴を介して
事務局長直々に同様の相談が持ち込まれる。華やかな一日に不穏な空気が立ちこめて……。
授賞式まであと数時間。無事に幕は上がるのか?!
〈成風堂書店事件メモ〉×〈出版社営業・井辻智紀の業務日誌〉、
両シリーズのキャラクターが勢ぞろい。書店員の最も忙しい一日を描く、本格書店ミステリ。

大崎梢さんのデビュー作であり、元々書店員であった経験を活かして書かれた
成風堂書店シリーズ。その後にヒツジくん、いやいや井辻くんシリーズも
始まり、どちらも好きで読んでいました。

大崎さん自身はその後作風の幅を一気に広げ、
(私が読んだ中でも「片耳うさぎ」や「ねずみ石」などジュブナイルに近い作品など)
現在も幅広く活躍する作家さんです。

本書は2013年に書かれた、上記2シリーズがクロスする特別編。
しかも、題材は書店大賞(本屋大賞のことですね)。
以下、ややネタバレ。


本作で描かれる事件は、飛梅書店の店主が書いた恨み言の真相が
本作愁眉。なるほど!と。

それ以上に、本書は書店業界(出版業界)が置かれた現状が書かれていることが
興味を惹きました。
乱立している本への「ポップ」や、書店大賞アンチ派の意見。
「作品に順位をつける行為そのものが不愉快だ」という上戸の意見に代表されるように。

私自身も帯文句やポップはあまり好ましいとは思っていないところがあって、
アンチ派なのかもしれませんね。
しかし、本で糧を得ている人からすれば、そうした行為は売上をあげるために
やることであり、本屋大賞もその1つの方策な訳です。
現実問題として、大半が電子書籍で紙の本が無くなる、なんてことも考えられる
世の中になってきてますし、そうなってしまっては本好きだとかアンチだとか、
言ってられません。

解説で2003年の直木賞の「受賞作なし」が、出版社や書店にとって極めて大きな事態であったことが、本屋大賞の種となったことを宇田川拓也さんが書かれていますが、言われて初めて気付きました。
「受賞作なし」というのは、私からすると妥当な作品が無かった程度の認識だったのですが、
それにより、その作品だけで無く、その作家さんの作品も多く販売が見込めるわけで、
業界の方にとっては、確かに死活問題。

さて、本シリーズはどちらも最近新刊が出ていないので、ぜひ
そろそろ新作を希望します。



ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (創元推理文庫)

ようこそ授賞式の夕べに (成風堂書店事件メモ(邂逅編)) (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/02/20
  • メディア: 文庫



ようこそ授賞式の夕べに 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

ようこそ授賞式の夕べに 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2017/02/20
  • メディア: Kindle版



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かがみのもり [大崎梢]

創元推理文庫では書籍シリーズを。
光文社文庫では少年少女を主人公とした
シリーズを。
本作は「片耳うさぎ」「ねずみ石」に続く第3弾。

本書は主人公が学校の教師です。
これまでの2作とはすこし趣が違う印象を受けました。
民俗学的なおどろおどろしさ、
宝探しのような冒険活劇。
最後にあっと言わせる展開が待っています。

前者2作がややジュブナイル的な面が強調されて
いたような気がしましたが、
本作は新興宗教も絡む展開で
そうした面はやや抑えられていた感を受けました。
ただおもしろさは変わりません。
一気に読んでしまいました。

あ、それと。
中高生も変わらず楽しめますのでぜひぜひ。


かがみのもり (光文社文庫)

かがみのもり (光文社文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/09/10
  • メディア: 文庫



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背表紙は歌う [大崎梢]

大崎梢さんの書店ミステリ第2弾。
「成風堂」シリーズよりも、より「書籍関連の謎」が色濃く出ています。

ただ前作を読んだときに感じたのは、
本書を「ミステリ」という区分に当てはめてよいのか?という疑問でした。
確かに「日常の謎」というものに当てはまるとは思いますが、
ミステリというよりも、書籍業界にまつわる短編集といった印象を持ちました。

本作もそんな感じなのかなあと思いつつ読みましたが、
基本は踏襲しているものの、本書の方が楽しめました。
オススメは「君と僕の待機会」「プロモーション・クイズ」の2編。

前者は名誉ある「東々賞」の候補作に選ばれた出版社営業の
奮闘劇。
誰が何のために噂を流したのかを突き止めようとするひつじ、いや井辻くんら
営業、そして各作家さんたちそれぞれの反応。
最後、真相は明らかになったものの、結局誰が受賞したかが
わからず終了という、見事なオチがついています。

後者は「成風堂」とのちょっとだけのコラボ作品。
両シリーズは同一世界なんですねえ。
ということはいつの日か井辻くんと多絵さんが出会う日も近いのか?
また作品はなぞなぞ(暗号モノ)で、この謎を解くのもまたおもしろい。

そろそろ「成風堂」シリーズ新作が読みたいですねえ。


背表紙は歌う (創元推理文庫)

背表紙は歌う (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2013/07/27
  • メディア: 文庫



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ねずみ石 [大崎梢]

書店・書籍関連ミステリの大崎さんによる
光文社文庫第二弾。
前作の「片耳うさぎ」に続く、子どもが主役のミステリー。

まずはAmazonさんの紹介ページから。

真ん中にひと文字「子」という漢字が入った灰色のすべすべとした楕円形の石。
神支村の子どもたちが祭りの夜に探す「ねずみ石」は、願いをひとつだけ叶えてくれる―。
中学一年生のサトは四年前の祭りの日、一時行方不明になった。
その夜、村で起きた母娘殺人の犯人は未だに判明していない。
親友セイとともに、祭りを調べていくうち、サトは事件の真相へと迫っていく。

事件を解く鍵となる、ある文字があるんですが、
これが見事。
しっかりお祭りとも関係していて、ああなるほどと。
主人公の記憶が鍵を握っているんですが、
その記憶が蘇っていくとともに、「ねずみ石」との関係もまた見えてくる。

主人公が出身の神支村は結構閉鎖的なイメージを
これを読んでいると持つんですよね。
そこにきて土俗的な神事とでもいうか、それを持ってきただけでも
ある種の怖さがあって、読んでいてその怖さがより物語を引き立ててました。
実際はこれってミスディレクションなのか?と深読みしまくりですかね。


ねずみ石 (光文社文庫)

ねずみ石 (光文社文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/01/12
  • メディア: 文庫



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平台がおまちかね [大崎梢]

成風堂書店シリーズが有名な大崎梢さんによる
新たなるシリーズ。
新シリーズは、出版社の新人営業マン、
具体的には明林書房の井辻くんを主役とし、
ライバル出版社、書店、文学賞などなど、
彼の日常を描いたハートフル・ミステリ。

ミステリの色合いとしては圧倒的に
成風堂書店シリーズの方が強いです。
本作はそもそもミステリと呼んで良いものなのかどうか、
個人的には悩みます(笑
まあ日常の謎、と言ってしまえばそうなのかも。

オススメは「贈呈式で会いましょう」
読んでいて、東野圭吾さんの
「黒笑小説」収録の一連の受賞作話
を思い出しました。
そのお話とは全く違うのですけど、
この受賞者のコメントが印象に残りましたね。
黒笑に出て来る受賞者のようにならないでほしいなと(笑

すでに第2冊目も出ています。
大崎さんの新たなシリーズとなるか。



平台がおまちかね (創元推理文庫)

平台がおまちかね (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2011/09/10
  • メディア: 文庫



平台がおまちかね 出版社営業・井辻智紀の業務日誌 (ウィングス・コミックス)

平台がおまちかね 出版社営業・井辻智紀の業務日誌 (ウィングス・コミックス)

  • 作者: 久世 番子
  • 出版社/メーカー: 新書館
  • 発売日: 2011/04/23
  • メディア: コミック



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サイン会はいかが? [大崎梢]

成風堂書店事件メモ第3弾。
異色の本格書店ミステリもますます好調です。

本作はどれもかなり相当書店の知識というか、
マニアックな短編集な気がします。
悪く言うとこりすぎた感じ(苦笑

表題作「サイン会はいかが?」は
意外と現実社会でもありそうな気がしますね。
フィクションなのかノンフィクションなのか、
そこの線引きはしっかりと。

「君と語る永遠」や「ヤギさんの忘れもの」は
ちょっとほろりとするお話。

それと本作では成風堂で働く人たちが多数登場。
杏子と多絵以外にも曲者(?)がたくさん
いるのですな。

書店オンリーの名探偵、
今後も活躍を期待したいです。


サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

サイン会はいかが? 成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2010/03/11
  • メディア: 文庫



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片耳うさぎ [大崎梢]

小学六年生の奈都は、父親の会社の突然の
倒産により、父の実家で暮らすことになった。
しかしその実家はとんでもなく大きな屋敷で、
しかも運悪くしばらく両親と離れて暮らすことに・・・
伯父夫婦や従兄弟はまだいいのだが、
気むずかしい祖父に、厳格な大伯母。
特に大伯母には常に怒られる始末。

さらにこの古い屋敷には「片耳うさぎ」と呼ばれる
不吉な言い伝えがあるらしい。
屋根裏を歩く謎の人物、古い写真、隠し階段に隠し部屋。

奈都はクラスメートの祐太の「姉」、中学三年生のさゆりに
母親が不在の間、一緒に泊まってもらうよう懇願する。
ところがさゆりはこの屋敷の謎を解こうと張り切るばかり。
奈都は母親が帰るまで、無事に過ごせるのだろうか?(笑

地元の旧家、大きな屋敷、複雑な家族構成、そして家系図、
昔奉公に来ていた宮バア(笑)から聞かされた「片耳うさぎ」の言い伝え、
そして宮バアが持っていたノートに書かれている童唄・・・
どれをとっても横溝正史!
そのうちひょっこり金田一耕助が訪ねてきそうです(笑

最初は怯えていた奈都もさゆりの影響を受けたのか、
どんどん行動的、そして自らの記憶をめまぐるしく回転させ、
見事に蔵波の屋敷の謎を解き明かします。

屋敷に居る「片耳うさぎ」とは誰か?
意外や意外な真相が待ち受けます。

舞台設定は横溝ワールドながら、
もちろん舞台は現代なのです。
携帯もインターネットもある。隔絶されているわけでもなく。
そういう道具が出てくるわけではありません。
しかし「片耳うさぎ」という不吉な言い伝え、
横溝ワールドならこれで村の者が震え上がるわけですが、
そうは全くなっておらず。
あくまでみんな普通の日常を過ごしている日々、
そんな中、奈都とさゆりだけが、この謎に挑もうとしている
という、彼女たち二人の冒険譚です。
逆にいえば、そこにリアルを感じてしまうかもしれません。
(解説ではそうしたリアリティについても触れられてました。)

従兄弟の良彦が最後に意外な活躍を見せたのは、
彼なりに家のことを考えていた、
あるいは奈都が心配だったのか?
いずれにせよ見直した(笑

書店ミステリとはまた違った一面をみせてくれた作者。
今後も読み逃せません!


片耳うさぎ (光文社文庫)

片耳うさぎ (光文社文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 文庫



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晩夏に捧ぐ-成風堂書店事件メモ(出張編)- [大崎梢]

本格書店ミステリの第2弾が文庫にてついに発売。
シリーズ初の長編かつ番外編というちょっと不思議な作品です(笑

杏子の元に元同僚の美保から届いた一通の手紙。
それは彼女が勤める地元の老舗書店「まるう堂」に
幽霊が出没し、書店の存亡が危ぶまれているという
内容だった。
さらにそこには地元で起きた27年前の事件が
関係しているのではと噂が拡がって・・・
書店員杏子と本屋探偵(?)多絵は「まるう堂」
の危機を救うため信州へと赴くのだった。

書店に関するあれこれの話が相変わらずてんこ盛り。
「まるう堂」、本当に実在していたらぜひ行きたいです。

事件は27年前の事件の真犯人を突き止める
のが目的ですが、
犯人とされた小松秋郎の人物像を徐々に明らかにしていく
過程の方が読み応えがありますね。
ただ、最終的に明らかになった事が少しあっさりしていた、
(内容そのものはかなり重いのですが)
感があるんですよね。
作品としてどこに重点を置くのかがちょっと
曇ってしまったような気がしました。
喜多山や亜矢子、秋郎・・・
かれらの内面がもっと描かれると
よかったとあくまで個人的には思います。
まあ古すぎる事件ですから、
見事に解いた多絵はさすがなんですが(苦笑

多絵がなぜこの成風堂でバイトしているのか
など、そうした話も盛り込まれている所は
よかったと思います。
今後のシリーズにも期待したいです。


晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)

晩夏に捧ぐ (成風堂書店事件メモ(出張編)) (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/11/10
  • メディア: 文庫



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配達あかずきん [大崎梢]

新本格を代表する出版社が講談社ならば、
「日常の謎」を代表とする出版社は東京創元社。
かつてそのように呼ばれたことがあるそうです(from解説)。

本書は13年にわたる書店員経験をもとに書き下ろされた一冊。
新本格でよく「怒濤の○○ページ」とかやけに長い長編をみることがあり、
購入して読んでみると冗長なだけ・・・なんてこともしばしば。

本書は短編5編を含んだ作品集ですが、
どれも秀作ぞろい。
その個人的愁眉は最初の作品「パンダは囁く」。
老人から本を買ってきてくれと頼まれた男性が持ってきたのは奇妙なメモ。
本書主人公かつワトソン役(?)の木下杏子は頭を悩ませますが、
バイトの名探偵(?)西巻多絵はそのメモから本を突き止めますが、
実はそのメモで選ばれた本にはとあるメッセージが・・・

奇妙な謎から大きな事件へという流れはシャーロック・ホームズ冒険譚を
読んでいるかのようです。
各編に出てくる書店ならではの知識やそれに絡めた謎解きなど
読み応え十分でした。
ぜひご一読あれ。



配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

配達あかずきん―成風堂書店事件メモ (創元推理文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2009/03/20
  • メディア: 文庫



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