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人間じゃない 〈完全版〉 [綾辻行人]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

「あの家のこの部屋は……密室、だったんです」持ち主が悲惨な死を遂げ、
今では廃屋同然の別荘〈星月荘〉。訪れた四人の若者を襲った凄まじい殺人事件の真相は?

表題作「人間じゃない――B〇四号室の患者――」ほか、『人形館の殺人』の後日譚「赤いマント」、
『どんどん橋、落ちた』の番外編「洗礼」など、自作とさまざまにリンクする五編に加えて、
『7人の名探偵』の「仮題・ぬえの密室」を完全収録。

またまた久しぶりの更新です。
このところ、どうも暑さにやられているのか、読書がはかどりません・・・
ぼーっとしているなあ(苦笑)

そして、久しぶりの綾辻行人先生作品。これまでの未収録短編を1冊にまとめたもの。
それに、新本格30周年アンソロジーに書かれた「仮題・ぬえの密室」を収録した作品集。
「ぬえ」の方は、上記『7人の名探偵』で感想を書いたので、ここでは省略。

綾辻先生や新井久幸さんの解説で、大半が語られているのですが、
そこはご寛恕頂き・・・
個人的には「赤いマント」が本作愁眉。というか、綾辻行人作品でこれほど
ストレートなミステリを読んだのは、相当久しぶりに感じました。
しかも、新井さんも書かれているように、フーダニットからホワイダニットの流れが
見事なんです。いやあ、こういう純粋なミステリ短編集を綾辻作品で読みたいなあ。

「洗礼」は、なんというか、少し悲しくなる作品でもあり、綾辻さんなりの追悼作品だなあと。
「仮題・ぬえの密室」の直後に本作が配置されても良かった作品。

表題作「人間じゃない-B〇四号室の患者-」は、これはホラーと捉えるべきなんですよね。
ミステリではない、いやサイコミステリとも言えるかもしれないが。
これを論理的に解決するのは不可能なので。
とはいえ、元はコミック用に準備された話とのことなので、そちらも見てみたいなあ。

新本格は今年35周年?になるんでしょうかね。
綾辻さん、有栖川さんなど第1世代はまだまだご活躍いただきたい。
新作お待ちしております。


人間じゃない 〈完全版〉 (講談社文庫)

人間じゃない 〈完全版〉 (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2022/08/10
  • メディア: Kindle版






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奇面館の殺人 [綾辻行人]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

季節外れの吹雪で孤立した館、奇面館。
主人影山逸史に招かれた六人の客はそれぞれの仮面を被らされた。
前代未聞の異様な状況下で、事件は進展する。主人の〈奇面の間〉に転がっていたのは、
頭部と両手の指を切り落とされた凄惨な死体。六人の仮面には鍵がかけられていた。
名探偵・鹿谷門実の圧巻の推理が始まる!

すべての登場人物の”顔”は鍵のかかった仮面の下に。
幾多の仮面が壁一面を覆う〈奇面の間〉に転がっていた死体は、本当に主人・影山逸史のものなのか。
数々の館を手がけた建築家中村青司の手になる奇面館で、
名探偵・鹿谷門実の推理の果てに見えたものとは?
本格ミステリを牽引する名手・綾辻行人が放つ「館」シリーズ、読者待望の直球勝負。


<館>シリーズ最新作。
個人的には「びっくり館」以来です。
「暗黒館」は未読なんですよねえ。

本作はこれまでの<館>シリーズと比較すると、
かなり地味、という表現が適切かどうかわかりませんが、
あっ!と驚く謎は個人的にはなかったです。
ただ名探偵・島田潔、いやいや、鹿谷門実の理詰めの推理が下巻のほとんどを占めており、
この点は私はかなり好きです。

本作の犯人は・・・う~ん、警察が介入した段階で即アウトになるんですよね。
犯人がやった指の切断や全員に仮面をかぶせた事は、時間かせぎにはなるけども、
それ以上にはならず、犯人の目的もその時間かせぎでは達成できないので、
結局どうしたかったのか、そこがよくわからず。

個人的には奇面館ならではの、因縁めいた話とかも盛り込んでほしかったですね。
それだけ数多くの仮面があった館ですし、奇跡の仮面の話ももう少しあればなあと。

ところで、鹿谷は物語の中でかつて出会ってきた<館>の事を何度も
振り返る描写があるのですが、これはいよいよ次作=ラストというのを
感じました。
ラスト第10作目は果たしてどんな舞台になるのでしょうか?


奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

奇面館の殺人(上) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫



奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

奇面館の殺人(下) (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2015/04/15
  • メディア: 文庫



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霧越邸殺人事件 [綾辻行人]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

1986年、晩秋。劇団「暗色天幕」の一行は、信州の山中に建つ謎の洋館「霧越邸」を訪れる。
冷たい家人たちの対応。邸内で発生する不可思議な現象の数々。
見え隠れする何者かの怪しい影。吹雪で孤立した壮麗なる“美の館”で舞台に今、
恐ろしくも美しき連続殺人劇の幕が上がる!
日本ミステリ史上に無類の光芒を放ちつづける記念碑的傑作、著者入魂の“完全改訂版”!!

館シリーズとは全く別で、新潮社からの出版となった本作。
正直なところ、存じ上げませんでした・・・・m(_ _)m
なので今回が初読です。

吹雪の山荘にひょんな事から迷い込む劇団「暗色天幕」の一行。
その山荘は周囲から「霧超邸」と呼ばれていた。

「こうした来客があったりすると、途端にこの家は動き始めます。」
的場女史の言ったこの一言や、邸宅のあちこちには劇団員の「名前」に関係する
ものが、「なぜか」散見される。
そんな不可思議な邸宅で、殺人が、しかも「見立て」殺人。

綾辻さん自身も仰っていますが、この物語は幻想とミステリが混じり合った
ものになっています。

個人的には見立て殺人が本書の中では愁眉。
これがあるどんでん返しとも関係するのですが、この見立ての謎、そして
上記述べた劇団員の「名前」がまさに結びつくんですね。
純粋に驚きました。

欲を言えば、この霧超邸の謎ももう少し明らかにしてほしかった。
邸宅の起こす幻想が、一連の殺人を引き起こしたと言えますしね。



霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(上) (角川文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 文庫



霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

霧越邸殺人事件<完全改訂版>(下) (角川文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA/角川書店
  • 発売日: 2014/03/25
  • メディア: 文庫



霧越邸殺人事件 (新潮文庫)

霧越邸殺人事件 (新潮文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 1995/01/30
  • メディア: 文庫



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びっくり館の殺人 [綾辻行人]

「かつて子どもだった」人たちへ、
そしてもちろん本格好きの人たちへも(笑
館シリーズ第8弾。

以下は講談社さまの紹介ページから
http://shop.kodansha.jp/bc2_bc/search_view.jsp?b=2705796

とある古書店で、たまたま手に取った1冊の推理小説。
読みすすめるうち、謎の建築家・中村青司の名前が目に飛び込む。
その瞬間、三知也の心に呼び起こされる遠い日の思い出……。
三知也が小学校6年生のとき、近所に「びっくり館」と呼ばれる屋敷があった。
いろいろなあやしいうわさがささやかれるその屋敷には、
白髪の老主人と内気な少年トシオ、それからちょっと風変わりな人形リリカがいた。
クリスマスの夜、「びっくり館」に招待された三知也たちは、
<リリカの部屋>で発生した奇怪な密室殺人の第一発見者に!
あれから10年以上がすぎた今もなお、事件の犯人はつかまっていないというのだが……!?


主人公が手に取った(しかも古本屋で)本が「迷路館の殺人」!
なんだか自虐でもないですけど、この入り方、かなり好きです。

そして公園で登場するやたらとびっくり館の事を聞いてくる
怪しげな人。
「迷路館の殺人」の著者紹介の写真にそっくり!
なんていう描写もあり、またまた気に入りました。

本作は密室トリックですが、
まあ実際には心理トリックですよね・・・

それとこれはホラー色もかなり強くでています。
小学6年生当時の彼が見せられた
「腹話術」はトラウマレベルでしょう・・・

本作はかなり謎を残して終了。
なぜ「リリカ」は悪魔の子で、俊生はそうでないのか?
三知也の推理は結果正しかったのか。
ラストシーン、あれは現実の事なのか、
そうだとしたらなぜあおいも居るのか・・・などなど

そして島田潔、介入しなさすぎです(笑


びっくり館の殺人 (講談社文庫)

びっくり館の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/08/12
  • メディア: 文庫



びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

びっくり館の殺人 (ミステリーランド)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2006/03/17
  • メディア: 単行本



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十角館の殺人<新装改訂版> [綾辻行人]

現在に至る新本格ムーブメントの出発点であり、
ミステリ界において、「綾辻以降」という言葉を
生み出した、まさに新本格の聖典的作品。

なんと、ワタクシ初読です(汗)
シリーズものの第一作は実はあんまり読んでなくて、
本当に恐縮です・・・(梨元さん的に)
今回、「びっくり館の殺人」が文庫化したのを
契機に一緒に購入しました。

内容は紹介するまでもないでしょう。
角島を訪れた大学ミステリ研のメンバー。
そこには建築家・中村青司が建てた
十角館、そして彼が焼死した青屋敷の残骸が・・・
そして起こる連続殺人。
犯人は一体誰なのか?
そして本土では、島田潔なる人物が
中村青司による半年前の事件を調べていた・・・

個人的に意外だったこと。
てっきり島田潔は島へ行っているかと思ってましたが、
違うんですねえ(笑
そして、本事件を島田が完全に見抜いていたのかは
実のところ不明です。
彼よりも、<エラリィ>の方が探偵役を
しっかり勤めていた気がします。
犯人すら知り得ない所まで到達してましたから。

第1の被害者、犯人、探偵などミスリードをさせる
かのようなプレート。
足跡のトリック、隠し部屋・・・
読者を楽しませる要素がふんだんに
盛り込まれています。

旧版の鮎川哲也氏の解説は必読。
今の世の中では考えられないような事態が
起こっていたのですねえ・・・
それを思うと、我々とても幸せです。

今読むと、驚愕の結末というほど、
犯人にインパクトはありませんが、
(それだけ意外な犯人、というジャンルのミステリが増えた)
館シリーズ、あるいは新本格好きな方は
まずは読んでおきたい作品です。



十角館の殺人 (講談社文庫)

十角館の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1991/09
  • メディア: 文庫



十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

十角館の殺人 <新装改訂版> (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2007/10/16
  • メディア: 文庫



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迷路館の殺人 新装版 [綾辻行人]

ミステリのカテゴリはこの記事で200記事目。
別に記念てわけじゃありませんが、
積み重ねてここまできたなあとふと思いますね。

さて本作は前にもすでにこのブログにて
紹介しています。
今回は新装版が出ましたので、
改めて。

本作は作中作の体裁をとっていることが、
まず第一の大きなトリックでしょう。
それは読者へも、そして犯人へも
トリックを仕掛けてるってのが
さらにおもしろいところですね。

秘密の通路が登場するんですが、
ちょっと安易ではあります。

首を切断した理由、流れていた血の正体。
おもわずなるほどなあと思ってしましました。

「島田潔」最後の事件(苦笑)、新装版になった
今からでも、ぜひお読みください。


迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

迷路館の殺人<新装改訂版> (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2009/11/13
  • メディア: 文庫



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水車館の殺人 [綾辻行人]

なんとなく、改めて再読(笑
かなり個人的ですが、
「島田潔」時代が好きです。
以下はwikiからの引用(笑

古城を思わせる異形の建物「水車館」の主人は、過去の事件で顔面を傷つけ、
常に仮面をかぶるようになる。
そして妻は幽閉同然の美少女。
ここにうさんくさい招待客が集まったとき惨劇の幕が上がる……。

それは一年前の嵐の夜、塔から落ちた一人の女、
およそ不可能な状況で消失した一人の男、盗まれた一枚の絵……。
その事件はひとつの「解決」のうちに葬り去られたはずだった。

が、ここに「招かれざる客」島田潔が現れ、
「過去」と「現在」の事件、双方の真相が明らかになっていく・・・

「吹雪の山荘」モノ、仮面をつけた男、過去に起きた事件の真相・・・
どれもこれもそそられる内容になっていますよねえ。
今思えば、仮面=?(笑)というのはトリックの代名詞みたいな
ものだったわけですが、見事に当時はやられました。

新装版にて登場した今、改めて購入をオススメします。


水車館の殺人 (講談社文庫)

水車館の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2008/04/15
  • メディア: 文庫



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迷路館の殺人-200,000hit記念- [綾辻行人]

新本格ブームを到来させた綾辻行人氏。
彼の生み出した名探偵・島田潔はアノ島田荘司氏の氏と、島田荘司が生み出した名探偵・御手洗潔の
潔からとって名付けられました。

僕が初めて読んだ綾辻作品がコレ。
本書はやはり大きな叙述トリック2つが見所(というか読み所?)ですよねえ。
もちろん「迷路館」内での事件そのものも読み応え十分ですが、
最後に明かされる真相は見事でした。

島田潔シリーズは個人的にはすでにブログでも取り上げた「人形館」が好きですが、
本書もお気に入りの1つ。

この頃の質、そして量が今の綾辻さんにはほしいですね・・・


迷路館の殺人 (講談社文庫)

迷路館の殺人 (講談社文庫)

  • 作者: 綾辻 行人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 1992/09
  • メディア: 文庫



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