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仮装の時代 富士山麓殺人事件 [西村京太郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

この世には勝者と敗者しかいない。あらゆる策を弄して自分は勝者になる
―幼時に両親を失いアルバイト生活を送る早川吾郎は、新聞・テレビ界を牛耳る
“マスコミの帝王”五味大造を叩き潰すことを決意する。手始めに五味の愛娘・奈美子に近付き、
背後にうごめく疑惑を探ることに。手を変え品を変えて五味を罠にかける早川、
反撃に転じる五味。手に汗握る死闘の行方は!謎とサスペンス満載の傑作長篇!初期代表作!

本作はどういう作品になるのか、とても難しい作品です。
ググると、ピカレスク・ロマン(悪漢小説)と書かれています。

とにかく主人公の早川吾郎の野心がすごい。娘である奈美子への近づき方だけでなく、
五味大造に直接ケンカを売る場面なども中々大胆です。
しかし、五味も言うとおり、単なる負け犬の遠吠え的な面は自他ともに認識しており、
五味の弱みをどうにか掴もうとするところが、本書の分岐点でもあります。
正義感溢れる貴生知勝とのコンビが、驚愕のラストをもたらすことになるのですが、
果たしてこれは早川の望んだことだったのでしょうか?

一方で、早川・美奈子・江崎の三角関係も描かれていて、これがまた1つの物語に
なっています。特に、野心一筋の早川なのに、彼に微妙な揺れをもたらす恋や愛という
感情があるところが、早川という人物に少し人間味を感じます。

しかし、美奈子からの手紙で究極の選択をした早川が選んだ道が、
結果的には上記の驚愕のラストを迎えることになるのは、ある意味必然だったのでしょう。

西村御大の初期作品群は本当におもしろいものばかりです。
本書は全くしりませんでしたが、徳間文庫さんの復刊は本当に有り難い。
これからもどうぞ名作の復刊をお願いします。



仮装の時代 富士山麓殺人事件 (徳間文庫)

仮装の時代 富士山麓殺人事件 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: 文庫



仮装の時代 (光文社文庫)

仮装の時代 (光文社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/02/16
  • メディア: 文庫



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探偵さえいなければ [東川篤哉]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

さまざまな着ぐるみが集う烏賊川市のビッグイベント「ゆるキャラコンテスト」。
その準備中に、一人の出場者が胸を刺されて死んでいるのが発見された!
事件解決のリミットはコンテスト開始までの一時間。
探偵の鵜飼は真相解明に乗り出すが―。(「ゆるキャラはなぜ殺される」)
おなじみ烏賊川市の面々がゆるーく活躍する、大人気ユーモアミステリー傑作集!

久しぶりの烏賊川市シリーズです。待ってました!
鵜飼杜夫に戸村流平、鵜飼事務所の入るビルのオーナ-・二宮朱美の3名が謎を解く、
というよりも巻き起こる、でしょうか(笑

本書は短編集ですが、それぞれにしっかりと見せ場があります。
「倉持和哉の二つのアリバイ」では、泥酔状態にありながらも、驚異の記憶力を魅せる鵜飼。
「とある密室のはじまりとおわり」で、相変わらず酷い目に遭う戸村流平。
「被害者によく似た男」では砂川警部が、一応面目躍如の活躍を(笑
いや、実際砂川警部と志木刑事、この短編集では中々の活躍を見せてるんですよね。

さて、そんなユーモア溢れる短編集ですが、少し自分勝手な深読みを
してみると、
「博士とロボットの不在証明」、これでは朱美さんが見事に大活躍なのですが、
博士とロボット(ロボ太)のおかしいやりとりだけでなく、
最後のシーン、ロボ太がステレオタイプのようなロボットになって終幕というのは、
皮肉が効いています。ロボ太は人間のようにずる賢く、自分の立場が悪くなって
こうした態度を取ったと見えるわけですが、科学が発達し、AI○○なんてのも
登場した現在、人間の言う事を真に受けて聞くロボットが居なくなり、
自分に都合の良い行動を取るロボットが登場してもおかしくありません。

そして「ゆるキャラはなぜ殺される」という、高木彬光「人形はなぜ殺される」
の本歌取りの作品では、ゆるキャラという、殺人を犯しそうも、何か事件が起こりそうも
ない現場で、事件(殺人事件)が発生し、ゆるキャラ(の格好をした人物たち)が
鵜飼&朱美と問答をしつつも、鵜飼が事件を解決する、という流れなのですが・・・
ラスト、鵜飼の推理が誤りで、真犯人が逃亡する場面が描かれるのは、
ゆるキャラという外見に騙された鵜飼ら「探偵」がしてやられた場面でもあります。
解説にあるように、確かに本編は「探偵さえいなければ」捕まっていた、という
他短編とは異色の作品となっています。

やはり烏賊川市シリーズは東川先生の看板作品ですね。
これからもずっと続いてほしい。


探偵さえいなければ (光文社文庫)

探偵さえいなければ (光文社文庫)

  • 作者: 篤哉, 東川
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/01/08
  • メディア: 文庫



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無垢と罪 [岸田るり子]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

小学校の同窓会で、二十四年ぶりに初恋の女性と再会した。しかし、その翌日、彼女は
既に死んでいたことを知る。同窓会の日、語り合った女性は、いったい誰なのか?(「愛と死」)
転校生を目で追ってしまうのは、彼が落とした手紙を拾い、その衝撃的な内容を
読んでしまったことからだった(「謎の転校生」)。幼き日の想いや、
ちょっとしたすれ違いが、月日を経て、意外な展開へ繋がる連作集。

これは稀に見る快作の連作短編集。
過去と現在を行き来しつつ、1つのある未解決事件の真相が明かされていくというストーリーで、
物語にどんどん惹き込まれていきました。

そして、その1つの未解決事件に関係した人々の、過去、そして現在を映し出す話にも
なっていて、これもまたとても興味を惹くのです。

「愛と死」では、久しぶりに同窓会に出た西川哲哉が、目的の女性・杉田佐織と
出逢い、そして後悔する物語かと思いきや、実は彼女はすでに亡くなっていた。
彼女の名を騙っていたのは誰なのか、そしてその目的は?

「謎の転校生」。真田清と名乗るその転校生の落とし物。手紙に書かれていた宛先は
杉村雄一という名前だった。彼は何者なのか?荻田孝子は彼の謎を解き明かそうとするが・・・
実はこの話、最終話まで読むとわかるのですが、本書のキーとなる話です。
出てくる人物たち全てが。

そして物語の核心となる未解決事件が登場する「罪と罰」。ここから本書が怒濤の展開を見せます。
次作「潜入捜査」では、「謎の転校生」の真田清視点での物語。

そしてエアクッションのように挟まれた「幽霊のいる部屋」
第1話「愛と死」で結末が描かれた杉田佐織の、西川哲哉との邂逅を描く物語。
そして本当に悲しい結末を迎えます。
しかし、未解決事件で殺された平中ゆみ江の「思い」がここで判明することに。

最終話「償い」で、再び第1話と同じ時間軸に。
孝子、百合美、雄一、里香と関係者が揃う中、百合美から聞かされた幽霊の話を
偶然出会った雄一・聖子夫妻に話したことで、真犯人が浮かび上がります。

短編好きな方にはぜひご一読をオススメします。

解説にある「青い絹の人形」も読んでみたくなりました。






無垢と罪 〈新装版〉 (徳間文庫)

無垢と罪 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 岸田るり子
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2020/01/11
  • メディア: 文庫



無垢と罪 (徳間文庫)

無垢と罪 (徳間文庫)

  • 作者: 岸田るり子
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2013/06/07
  • メディア: 文庫



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アリバイ崩し承ります [大山誠一郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

美谷時計店には「時計修理承ります」とともに「アリバイ崩し承ります」という貼り紙がある。
難事件に頭を悩ませる新米刑事はアリバイ崩しを依頼する。ストーカーと化した元夫のアリバイ、
郵便ポストに投函された拳銃のアリバイ…7つの事件や謎を、店主の美谷時乃は解決できるのか!?「2019本格ミステリ・ベスト10」第1位の人気作、待望の文庫化!


本書は、典型的な安楽椅子探偵、アームチェア・ディテクティブになります。
本書を読んでいて真っ先に思い浮かんだのは、阿刀田高さんの『Aサイズ殺人事件』
あれも、主人公の刑事が、とある寺の和尚に碁の相手をするとともに、謎解きの
相談もするというストーリーとなっています。

ただ、『Aサイズ』と違うのは、本書がとことんアリバイに拘った短編集になっていること。
それは表題からも当然明らかなのですが、アリバイ崩しだけでなく、アリバイ探しも
行うところが面白い。
単なるアリバイ探しでなく、それはつまり真犯人を見つけることも意味している訳です。

個人的には「ストーカーのアリバイ」と「凶器のアリバイ」が秀逸。


アリバイ崩し(探し)という極めてシンプルな点のみに集約している本書は、
時乃の「時を戻すことができました」という台詞前に、ほぼ全ての情報が出揃っていて、
その情報をいかに組み立てるのか、この一点のみです。
しかし、これが実に(まさに時計のように)精巧に、かつ緻密に物語が創られていて、
まさに<謎解き小説>の醍醐味を味わえる短編集になっています。

ところで、本書では主人公の名前すら明らかでなく、また美谷時計店にはいつもお客が
いません。筆者の『密室蒐集家』ではありませんが、本当にこの時計店は
存在しているのだろうか?とふと思ってしまいました。

都筑道夫先生の『退職刑事』のようにぜひシリーズ化、そしてあわよくば「拳銃と毒薬」
のような異色作品が出てきてくれたら!と期待せずにいられません。


アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

  • 作者: 大山誠一郎
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/11/25
  • メディア: 文庫



アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

アリバイ崩し承ります (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/11/21
  • メディア: Kindle版



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文豪たちの怪しい宴 [鯨統一郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

討論会の帰り、初めて立ち寄ったバー“スリーバレー”で、私は夏目漱石の『こころ』に
関する女性バーテンダーの疑問点に答える羽目に。文学部教授である私が、
まさかこんな場所で講義することになるとは。しかも、途中からやってきた宮田という男が、
あろうことか『こころ』を百合小説と断言したことで、議論は白熱し…。
文学談義四編で贈る、文庫創刊60周年記念書き下ろし。




宮田六郎&早乙女静香、そしてスリーバレーのシリーズは
ひとまず『崇徳院を追いかけて』で完結(充電?)のようで、
本作は、宮田&スリーバレーは続投しつつ、扱う内容が、歴史ではなく、
文学作品となっています。
さらに歴史マニアのバーテンダー・松永に代わり、文学作品に造詣が深いミサキが
ピンチヒッター的な役割で登場しています。


扱う作品は超有名どころを集めた印象ですね。
夏目漱石の『こころ』、太宰治『走れメロス』、宮澤賢治『銀河鉄道の夜』。

しかし、ラストだけは超有名作家ですが、ミステリを意識したのか
芥川龍之介『地獄変・偸盗』所収の『藪の中』になっています。


歴史上の謎と言われているものも、ずっとはっきりわからないものもあれば、
近年の研究が進展したことなどから、新事実が判明したり、解釈が変わっていたり。
教科書を見比べてみると、結構わかったりするのではないでしょうか。
(もちろん、依然として不明なものも多々ありますが)


文学作品はどうなのでしょうか。確かに作家研究、作品研究は多数あります。
しかし、やや乱暴に言ってしまえば、その文章が何を意図して書かれたか?
という問いは、中高生のテスト、あるいは昨日・今日と行われているセンター試験で
出題されたりしてますが、
本当のところは、書いた作者にしかわからないよなあと思ったり。


その意味で研究として、あるいは本書でいえばミステリとして扱うのは
宮田の1つの解釈として、充分にあり得るものだと思うのですが、
それを確かめる術が完全に無いのが、またもどかしいなあと。

それと、本書はやはり該当文学作品をしっかり読んでいないと、楽しみは半減しますね。
歴史は結構有名な説や、テレビや各メディアでも取り上げられますが、
文学作品は中々そうもいかないので、その点、前のシリーズの方が取っつきやすかったかなと。

ところで、宮田と静香は結婚したりしたんでしょうか?




文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)

文豪たちの怪しい宴 (創元推理文庫)

  • 作者: 鯨 統一郎
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/12/11
  • メディア: 文庫



文豪たちの怪しい宴 〈邪馬台国はどこですか?〉シリーズ (創元推理文庫)

文豪たちの怪しい宴 〈邪馬台国はどこですか?〉シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/12/13
  • メディア: Kindle版



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桃ノ木坂互助会 [川瀬七緖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

厄介事を起こすのは、いつだってよそ者だ。七十歳の光太郎は憤慨していた。
われわれが町を守らなくては――。そこで互助会の仲間たちと手を組み、
トラブルを起こす危険人物を町から追い出し始める。その手段はなんと嫌がらせ!? 
老人だからこそできる奇想天外な作戦はなかなか好調に思えたが……。
大家と揉めていた男を次なるターゲットに決めたことから、事態は思わぬ方向へと動き始める。

老人たちの暴走とも受け取られかねない、この桃ノ木坂互助会の活動。

害を及ぼす「よそ者」を、様々な嫌がらせで追い出しにかかる、熊谷光太郎と互助会。
そしてDV加害者を依頼で苦しめる鈴木沙月とその姉優月。

この両者が巡り会うのは、桃ノ木にDV加害者が居ることから、始まります。

本書で描かれるのは、自分たちの住む町を良くしたいと考える、その町に
長く住む住人たち。
しかし、それは一歩間違えれば、現実社会でもある、村八分、もっと小さなことで言えば
町内会、しきたり、伝統、そんな言葉で縛られた誤った倫理観へも繋がりかねません。

沙月たちとの対立の際、互助会はその活動を大きく踏み外そうとする行動を見せます。
主人公の光太郎らはこれを危惧するものの、考えや行動を押し留まらせるには
至らず、結果的に、沙月らをDV加害者・武藤から救ったことで、
一連の事件は丸く治めることになりました。

最後に沙月が推理する、桃ノ木坂互助会のある人物の病気については、
一連の事件での、(本人は意図していないとしても)「黒幕」が誰であったかを
わからせる話でもあり、実は互助会、古くからの地域住民が、地域の事件・事故を
引き起こしていたという、極めて強烈な皮肉で幕を下ろします。
これから光太郎らはどうこの互助会の中で、どう振る舞っていくのか、
ラストは決して大団円でなく、不安をひきずる終わり方になっています。

自分たちにとって正しい、正義であると信じていても、
いつからかそれが、相手、あるいは社会にとって悪であることに変化することも
あるわけで、本書はそうした側面も持っていると感じました。


桃ノ木坂互助会 (徳間文庫)

桃ノ木坂互助会 (徳間文庫)

  • 作者: 川瀬 七緒
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/01/07
  • メディア: 文庫



桃ノ木坂互助会 (徳間文庫)

桃ノ木坂互助会 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2016/01/08
  • メディア: Kindle版



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死体は眠らない [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

妻を殺したらどんな気分だろう?三十代半ばで四つの会社の社長である
池沢瞳は大仕事をやってのけた。ついに妻の美奈子を殺したのだ。
やたら威張っていた妻を。さて、死体をどうするか?と、思案していたところへ妻の友だちは来るわ、
秘書で愛人の祐子が現れるわ、脱走した凶悪犯に侵入されるわ、
次々と訪問者が!妻を誘拐されたことにした瞳だったが―。嘘が嘘を呼び大混乱!

2020年もどうぞよろしくお願いします。

さて、本年一作目は、正真正銘年明けに初めて読んだミステリです。
赤川次郎作品ということで、新年からユーモア・ミステリで楽しもうという。

ところが、本作はユーモア・ミステリではありませんでした。
ユーモア・サスペンス、というジャンルがあるかわかりませんが、
登場人物全てに、常識人が居ないという、カオス状態。

特に警察がすごい。終盤に出てくる上田刑事が唯一まともな感じです。
誘拐事件なのに、自分たちの飯の心配しかしない刑事たち。
とにかく食に対する執着心がすごすぎます。

添田刑事も鋭いところを見せたのでもしかしたらと思ったのですが・・・彼も酷すぎる。
社長秘書の早川祐子に恋をし始める池山刑事。彼は殺されてしまいますから、
気の毒ではあるんですが・・・

主人公の池沢瞳も、早川祐子が偽名であると告白しているのに、なんだか平然と
しているし、好きだ好きだを連発し、殺人事件が多発しているのに、ラブシーンを
演じ続けているという。
被書の吉野と早川祐子の最期もあまりにひどすぎる・・・

最終章の「ハッピー・エンド」のタイトルの皮肉が秀逸過ぎます。
確かに池沢にとっては、そうかもしれません。
しかし、他の人たちにとっては、全く逆の結果に・・・

ただ、不謹慎かもしれませんが、めちゃくちゃ面白かったです。
あまりの突飛すぎる話の連続に、一気読みでした。

さて、本年もたくさんミステリを読めたらいいなあと思っております。



死体は眠らない 〈新装版〉 (徳間文庫)

死体は眠らない 〈新装版〉 (徳間文庫)

  • 作者: 赤川次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: 文庫



死体は眠らない (角川文庫)

死体は眠らない (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2000/12/08
  • メディア: Kindle版



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ぼくの「このミス」2019 [ミステリ]

今年2019年もついに最後を迎えました。
というわけで、今年読んだミステリで、私の「このミス」を

芦沢央『許されようとは思えません』
『今だけのあの子』もそうなのですが、芦沢先生の作品は短編が極上な気がします。
イヤミスと一言ではとても言い切れない、深い趣向の作品集です。


許されようとは思いません (新潮文庫)

許されようとは思いません (新潮文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/05/29
  • メディア: 文庫



許されようとは思いません(新潮文庫)

許されようとは思いません(新潮文庫)

  • 出版社/メーカー: 新潮社
  • 発売日: 2019/06/01
  • メディア: Kindle版



我孫子武丸『裁く眼』
ひさしぶりの我孫子先生。
タイトルがまさに本書の内容を表しているというのは、実は中々ありません。
しかし、続編が出てほしいのですが、これまた中々難しいのかなあ・・・
あ、人形シリーズや速見三兄妹シリーズでも大丈夫です!(笑


裁く眼 (文春文庫)

裁く眼 (文春文庫)

  • 作者: 我孫子 武丸
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: 文庫



裁く眼 (文春文庫)

裁く眼 (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/06/06
  • メディア: Kindle版



有栖川有栖『狩人の悪夢』
これはもう語るまでもない作品。派手さはありません。
しかし、とことんロジックで読ませるミステリは、有栖川有栖先生をおいて
他にいないのではないでしょうか。
火村&作家アリスは毎年に近いくらい刊行があってうれしいのですが、
ソラシリーズもそろそろお願いします。


狩人の悪夢 (角川文庫)

狩人の悪夢 (角川文庫)

  • 作者: 有栖川 有栖
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: 文庫



狩人の悪夢 「火村英生」シリーズ (角川文庫)

狩人の悪夢 「火村英生」シリーズ (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/06/14
  • メディア: Kindle版




というわけで、来年も良いミステリに出会えることを祈りつつ、
皆様、よいお年をお迎えください。
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不穏な眠り [若竹七海]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

葉村の働く書店で“鉄道ミステリフェア”の目玉として借りた弾痕のあるABC時刻表が盗難にあう。
行方を追ううちに思わぬ展開に(「逃げだした時刻表」)。相続で引き継いだ家にいつのまにか居座り、
死んだ女の知人を捜してほしいという依頼を受ける(「不穏な眠り」)。
満身創痍のタフで不運な女探偵・葉村晶シリーズ。


以下、ややネタバレ。
葉村晶、久しぶりの短編集です。






ABC殺人事件という古典的傑作を取り入れた、まさにミステリ書店ならではの事件として
「逃げ出した時刻表」はオススメ。
その内容も二転三転しつつも、飾られたABC時刻表(鉄道案内)そのものが実は・・・
という所が面白かったです。

最初の「水沫隠れの日々」は葉村も確かに不幸な目に遭うのですが、
それ以上に依頼人と遙香の方がより不幸な作品。
葉村の推理は当たってはいたのですが、時すでに遅し。

表題作はあともう少しで本当に葉村が死ぬところで、社会問題になってひさしい
ニュータウン・欠陥住宅、さらには老人ホームと、多岐に問題がまつわる調査です。

原田宏香と八千代、この2人の女性は本当に恐ろしい。
ぞくっとする、ホラーに近い感覚を読後に味わいました。

さて年内はあと1日。明日はもうどうでもよい恒例の記事を書く予定です。


不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

  • 作者: 若竹 七海
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 文庫



不穏な眠り (文春文庫)

不穏な眠り (文春文庫)

  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: Kindle版



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皇帝と拳銃と [倉知淳]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

教えてくれないか。いつから私は疑われていたのだね
警部から逃れられる殺人者は存在しない。〈刑事コロンボ〉の衣鉢を継ぐ警察官探偵、登場。

私の誇りを傷つけるなど、万死に値する愚挙である。絶対に許してはいけない。
学内で“皇帝"と称される稲見主任教授は、来年に副学長選挙を控え、
恐喝者の排除を決意し実行に移す。犯行計画は完璧なはずだった。そう確信していた。
あの男が現れるまでは。全四編を収録した、著者初の倒叙ミステリ・シリーズ、待望の文庫化。
〈刑事コロンボ〉〈古畑任三郎〉の衣鉢を継ぐ警察官が、またひとり誕生する。


以下、ややネタバレ。






刑事コロンボ、古畑任三郎、野呂盆六、福家警部補、彼彼女らに続く倒叙ミステリの
名探偵が登場です。
しかも、作者は猫丸先輩の倉知淳先生。

表題作が一番の出色です。倒叙ミステリとしても、乙姫警部の推理としても。
コロンボ「二枚のドガの絵」に構図としては近い受けました。
それはまあ証拠が同じだからなのでしょうね。

最初の「運命の銀輪」は、容疑者伊庭の最後のあがきが、実は状況証拠ばかりで、
決定的な物的証拠がないことを物語っています。
まあ、これは愚考でしかないのですが、やはり倒叙ミステリ最初の作品は、
犯人を徐々に徐々に追い詰めていく、そして最後の一撃を加えるというのが
良かったなあと。
鈴木刑事の反論も、確かにその通りなのですが、果たして追い詰められるかどうか・・・

「恋人たちの汀」は、最後の一撃はかなり見事なのですが、
このアリバイ工作は危なすぎるよなあ。

「吊られた男と語らぬ女」は、ラストに相応しい作品です。
相内伽也のコンプレックス(何らかの病気?)をも見通した乙姫警部が、
彼女に語る言葉に心打たれます。

さて、本シリーズはこの後も続いていくんでしょうか。
「このミス」「本格ミステリ・ベスト10」いずれでも倉知さんはこの続編には触れていない
ため、すぐには出なそうですが、乙姫警部の活躍をこの1冊だけではちょっともったいない。
ぜひ続編をお願いします。





皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

  • 作者: 倉知 淳
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/11/11
  • メディア: 文庫



皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

皇帝と拳銃と (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: Kindle版



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帰ってきた腕貫探偵 [西澤保彦]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

街角に突如現れる「櫃洗市一般苦情係」の職員、通称・腕貫探偵。
その日彼のもとにやって来たのは一週間ほど前に亡くなったという女性の霊。
彼女はベストセラー作家・越沼霞巳と名乗るが、その作家は50年前に亡くなっているはずだ。
ならば50年前に死んだのは、いったい誰だったのか―?大人気・腕貫探偵シリーズ最新刊、
待望の文庫化。

以下、ややネタバレ。






お帰りなさい、腕貫さん。
余りにも久しぶりですが、腕貫さんの風貌はしっかり覚えてましたが、
レギュラーキャラクターは氷見刑事以外忘れていました(笑
住吉ユリエ、どんなキャラだったっけという感じで、大変失礼しました。

「指輪もの騙り」のみ、ユリエの名推理が光り、腕貫さんは登場しません。
ただ、この事件もかなり複雑で、「なぜわざわざ指輪を取りに戻ったのか?」という
謎から、加害者(犯人)・被害者・共犯者、これらが違う意味で入り乱れており、
快作です。

私の一番のオススメは「氷結のメロディ」。
事件そのものは、実のところそこまで複雑ではありません。
しかし、鳥遊葵の語る話からは不可思議で、恐ろしく、一体この謎を
腕貫さんはどう合理的な説明を付けるのか、その謎解きが素晴らしいのです。
改めて、このシリーズの面白さを再認識しました。

「追憶」はなんと幽霊からの相談を受けるという設定ですが、
この幽霊という設定が、事件の謎を解く大きな鍵となっていて、
単なる幽霊の登場や、死者からも相談を受ける腕貫という、最初の驚きを
与えるだけでないところがおおきなポイント。

すでに次巻も刊行されているようで、こちらも文庫化が楽しみです。


帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

  • 作者: 西澤 保彦
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 文庫



帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

帰ってきた腕貫探偵 (実業之日本社文庫)

  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: Kindle版



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斜め屋敷の犯罪 [島田荘司]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

北海道の最北端・宗谷岬に傾いて建つ館――通称「斜め屋敷」。雪降る聖夜にこの奇妙な館で
パーティが開かれたが、翌日、密室状態の部屋で招待客の死体が発見された。
人々が恐慌を来す中、さらに続く惨劇。御手洗潔は謎をどう解くのか!?
本ミステリー界を変えた傑作が、大幅加筆の改訂完全版となって登場!解説=綾辻行人

毎年クリスマス・イブにはそれにちなんだミステリを書いていますが、
海外ミステリは意外と多いのですが、日本では中々見つからない・・・

色々と思い返してみると、なんとこの『占星術』と並び、本格ミステリの金字塔的作品も
聖夜に事件が起こるという、クリスマスミステリなのです。

この作品は、あのトリックのためだけの「斜め屋敷」というのが難点ではないかと
言われる場合もありますが、
いくつもの不可思議な事柄が、御手洗の推理で一気に収束していく推理は
見事というほかありません。

クリスマス・イヴの今夜、読んでみてはいかがでしょうか。


改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

  • 作者: 島田 荘司
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/15
  • メディア: 文庫



改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

改訂完全版 斜め屋敷の犯罪 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2016/01/15
  • メディア: Kindle版



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人間消失殺人事件 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

校二年の南尾小百合は、ある日、通学途中にバスを乗り過し、終点の小さな町に降り立つ。
しかし、そこで一人の男性に出会った後、行方不明になってしまい―(表題作)。
どこへでも突然現れる、警視庁捜査一課の名物男・大貫警部が、今日も事件の現場に居合わせる。
謎あり笑いありの大人気シリーズ最新刊!

このシリーズも長寿ですが、赤川さんの心境の変化とでもいうのか、
シリーズを重ねるごとに、大貫警部の存在が少しずつ変わってきている気もします。

相変わらず次々と逮捕したりしてますが、意外と人情味あふれる所を
表題作では見せています。「ナイフが勝手に刺さった」というまさに大貫理論(笑
しかも、ここ数作品に見られるのは、マスコミを実にうまく使っているんですよねえ。
むろん最初の「東西南北」でも自らの突飛押しも無い推理を雑誌に話したりしてますが、
マスコミの嫌な部分を逆手に取っている印象です。

「上昇志向殺人事件」は現在の「IT長者」を皮肉った作品。
大貫警部の「刑務所では一番上の階に入れてもらうよう頼むんだな」という台詞は
皮肉が効きまくっています。

よくよくシリーズを見てみると、大金持ちだろうが、国会議員だろうが、自分の思ったことは
必ずやり遂げる取るという、忖度など一切しない、ある意味警察官の鑑のような気もします(笑
でも、思いついたことが人間離れしている事も多々ありますね。

本書で全編にわたって描かれているのは、母と子の関係かなと思いました。
警部の、あくまでも偶然の行動で、両者の絆が深くなるというのもまたおもしろい。

しかし、警部にはもっと強権を振るってもらいたい時もあり、
そんな作品もまた読みたいですね。


人間消失殺人事件 (講談社文庫)

人間消失殺人事件 (講談社文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: 文庫



人間消失殺人事件 四文字熟語 (講談社文庫)

人間消失殺人事件 四文字熟語 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: Kindle版



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フォークロアの鍵 [川瀬七緖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

羽野千夏は、民俗学の「口頭伝承」を研究する大学生。“消えない記憶”に興味を持ち、
認知症グループホーム「風の里」を訪れた。出迎えたのは、「色武者」や「電波塔」などと
あだ名される、ひと癖もふた癖もある老人たち。なかでも「くノ一」と呼ばれる老女・ルリ子は、
夕方になるとホームから脱走を図る強者。ほとんど会話が成り立たないはずの彼女が発した
「おろんくち」という言葉に、千夏は妙な引っ掛かりを覚える。
記憶の森に潜り込む千夏と相棒の大地。二人を待っていたものは……!


以下、ややネタバレ。



ぼかしてはあるものの、羽野千夏の共同研究員というのは、千葉県佐倉市に
ある国立歴史民俗博物館に違いない(笑)とどうでもいいことは置いておいて・・・

「口頭伝承」というのは、オーラルヒストリーとはまた違うのかもしれませんが、
彼女が老人たちから話を聞き、それを絵という方法で具現化したことが、
老人たちのあるトリガーを引いたのは間違いありません。
そしてそれがきっかけで、「風の里」の老人たちとコミュニケーションを重ねることができ、
物語序盤とは大きく違う、活き活きと描かれている老人たち。
むろん作者もわかっているとは思いますが、現実はそう簡単にいくものではないよなあと、
こうあってくれれば良いと思いつつ、現実は甘くない、そう感じる物語でした。
筆者が相当に参考にされた、六車由美さんの『驚きの介護民俗学』は読んでみたくなりました。

さて、民俗学+介護の話ではなく、本書ミステリの部分である「おろんくち」とは何なのか。
この謎に目的を見失い、親を殺そうと考えていた高校生・立原大地とともに解明に
挑むのですが・・・
「おろんくち」の先にある、現実に起きている悲惨な事件が無事解決したことはともかく、
肝心の「おろんくち」の謎は解明できていないままなのが心残り。
千夏は口減らしという説を出しますが、そうだとすると、そんなところを逢い引きの
場所に選ぶというのもおかしいし、そもそも大量の歯は何なのか。
どうもしっくりこないんですよね。

ラストが大団円的な終わり方になっているだけに、肝心要の民俗学ミステリの部分が
消化不良が残念。


フォークロアの鍵 (講談社文庫)

フォークロアの鍵 (講談社文庫)

  • 作者: 川瀬 七緒
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: 文庫



フォークロアの鍵 (講談社文庫)

フォークロアの鍵 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/10/16
  • メディア: Kindle版



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このミステリーがすごい!2020年版 [ミステリ]

『本格ミステリ・ベスト10』に続く、年末の定番。

「このミス」第1位の「屍人荘の殺人」映画公開直前ということで、
そちらの特集にやたらとページを割いている印象。

白石さんのインタビューとかもそこまで割かなくてもなあ・・・という。
紙面構成をもっとまじめに考えてくれ。

ただし、そんな中でも本書が買いなのは、レジェンド対談と題された
皆川博子先生と辻真先先生のまさにレジェンド対談が掲載されているところ。
これは必読で、ものすごく楽しめました。

辻先生のご尊顔、初めて見ました。東京創元社は<ポテト&スーパー>シリーズを
全て文庫化発売してくれ!いつまで待たせるんだ!!

皆川先生が少し体力が落ちてきて、もう次が最後というような事をお話されていた
のが、少し寂しく感じましたね。もちろん御両者ともこの御年齢で
ミステリーをご執筆されているのはすごいことなのですが・・・寂しいことです。

しかし、相変わらず『本格ミステリ・ベスト10』とランキングが違って面白いですね。
一方で、私の隠し玉は、『本格ミステリ』の近況報告と重なるので、なんとかならんものか。

出版社の海外ミステリ隠し玉は良いのですけどね。

それにしても今年は新進気鋭、新世代の作家さんたちが活躍された1年という気がしますね。
来年も面白いミステリをどうかよろしくお願いします。



このミステリーがすごい! 2020年版

このミステリーがすごい! 2020年版

  • 作者:
  • 出版社/メーカー: 宝島社
  • 発売日: 2019/12/11
  • メディア: 単行本



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2020本格ミステリ・ベスト10 [ミステリ]

今年も発売の時期がきましたねえ。

本書を読めばわかるのですが、改めて(笑)書いてみます。

有栖川有栖さん、法月綸太郎さん、そして島田荘司さんと
御大と、そして新本格第1世代、第2世代の新作が出たのはやはり大きい。
我孫子武丸さんも「監禁探偵」が出ましたしね。
綾辻さんにも頑張ってほしいです。館シリーズもぜひ!

私にとっては、新鋭作家さん、これまでほとんど未読の方々がランキング上位を
占めたという印象。
ついに時代が動いてきたか?なんて思ってしまいました。

ただ30位には、上記お三方だけでなく、平石貴樹さんや辻真先御大
さらには若竹七海さん、柄刀一さんなど大ベテラン、米澤穂信さんや深水黎一郎さんなど
常連組も居て、まだまだ時代は変わらせないぞという(笑)

近況をみてうれしいのは、倉知淳さんの猫丸先輩新作の情報。
ちなみに今は文庫化した『皇帝と拳銃と』を読んでいます。

本格ミステリ作家クラブ会長である東川篤哉さんには、ぜひ烏賊川市シリーズの
続編を望みます。有栖川さんにはソラシリーズ最新作をぜひ。

自分の希望を書いて終わってしまいましたが、次は「このミス」でもまた記事を
書きます。


2020本格ミステリ・ベスト10

2020本格ミステリ・ベスト10

  • 作者: 探偵小説研究会
  • 出版社/メーカー: 原書房
  • 発売日: 2019/12/05
  • メディア: 単行本(ソフトカバー)



medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

  • 作者: 相沢 沙呼
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: 単行本



medium 霊媒探偵城塚翡翠

medium 霊媒探偵城塚翡翠

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/09/12
  • メディア: Kindle版



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目ざめれば、真夜中 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ビルに立てこもった殺人犯に指名され、仕事中にもかかわらず刑事に連れられてきた真美。
建物の中に入ると、そこには高校の同級生だった白木が婚約者の悠子を人質にとっていた。
しかし、事件の真相が明かされる前に、白木は警察に射殺されてしまった。不審に思った真美は、
事件の調査に動き出すが、行く先々で妨害工作に遭う。
さらにプライベートでも仕事でも問題が発生する。
人間関係の綾が織りなすサスペンス・ミステリ。

とにかく女性陣が強い。とくに射殺された白木の母親である
幸江の行動力はすごいものがあります。

そして、主人公たちである、矢田部真美、広田悠子、宮坂初枝、彼女たちは
私生活でもそれぞれ問題を抱えながらも、白木が射殺された事件に端を発する
大きな大きな事件に果敢にぶつかっていきます。

本作は女性たちの活躍だけでなく、意外なところで心境が変化して良い上司になる
須田課長など、ところどころでユーモア・ミステリを感じるところもありますが、
やはり社会派、より現実的な、赤川次郎先生からの、現実社会への警鐘小説なのでしょう。

P423「結局、一部の人間だけが責任を取って辞め、ことはうやむやに終わる可能性のある」
というのは、決して小説内だけの話ではないでしょう。
責任を取るどころか、とかげのシッポ切りにもなりかねません。

本書のタイトルは、気付いたら(世間・世界は)真夜中のような状態であった、
ということを意味しているような気がしてなりません。


ラストの真美と京子、そして須田との掛け合いがとても和やかで
物語は締めくくられるところが唯一の救いですね。


目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/09/21
  • メディア: 文庫



目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

目ざめれば、真夜中 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/09/21
  • メディア: Kindle版



目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/04/01
  • メディア: 文庫



目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

目ざめれば、真夜中 (幻冬舎文庫)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2007/03/31
  • メディア: Kindle版



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恋のゴンドラ [東野圭吾]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

都内で働く広太は、合コンで知り合った桃実とスノボ旅行へ。
ところがゴンドラに同乗してきた女性グループの一人は、なんと同棲中の婚約者だった。
ゴーグルとマスクで顔を隠し、果たして山頂までバレずに済むのか。
やがて真冬のゲレンデを舞台に、幾人もの男女を巻き込み、衝撃の愛憎劇へと発展していく。
文庫特別編「ニアミス」を収録。

『白銀ジャック』から続く実業之日本社文庫のこのシリーズ(何シリーズというのでしょう?)
今作は完全にミステリではなく、ラブコメ連作短編集。
まあ、ある意味ミステリとも言えるのかもしれませんが・・・とくに「ゴンドラ」は(笑

シリーズキャラクター(?)でもある根津が活躍する「スキー一家」がオススメ。
根津の活躍もさることながら、ラストが中々格好いいのです。

今回の登場人物たちから、根津&千晶のようなコンビが果たして生まれるでしょうか?
再び『白銀』『雪煙』『疾風』のような、サスペンス路線にまた戻ってもらいたいなあと
いう願望もこめてぜひ。


恋のゴンドラ (実業之日本社文庫)

恋のゴンドラ (実業之日本社文庫)

  • 作者: 東野 圭吾
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2019/10/04
  • メディア: 文庫



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メインテーマは殺人 [海外ミステリ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

自らの葬儀の手配をしたまさにその日、資産家の老婦人は絞殺された。彼女は、
自分が殺されると知っていたのか?作家のわたし、ホロヴィッツはドラマの脚本執筆で
知りあった元刑事ホーソーンから、この奇妙な事件を捜査する自分を本にしないかと誘われる…。
自らをワトスン役に配した、謎解きの魅力全開の犯人当てミステリ!
7冠制覇の『カササギ殺人事件』に並ぶ傑作!

書き手であり、一人称の「わたし」を使い、物語を進めるのが、作者の分身(?)
ともいうべき、ホロヴィッツ。探偵役はホーソーンという元刑事。
関係性は非常に微妙ながらも、ホームズ&ワトソン型のシリーズとして
中々面白く読みました。

資産家の老婦人であるダイアナ・クーパーがなぜ殺されたのか、
そしてその事件を本にまとめようという依頼を突然持ちかけられたのがホロヴィッツ。

第一章を見せて、全てに駄目だしをくらい、憤然とするホロヴィッツですが、
次第もホーソーンを先んじようとする試みが出てきたり。

スピルバーグとの会話の最中に、突然ホーソンが割り込んでくる場面は
現実的ではないにしろ、物語上でも、ホーソーンの人格を疑ってしまいましたね。
そこまで変人として描かれているわけではないので、余計にホーソーンの振るまい
だけでなく、この場面そのものが奇妙に感じました。

ところで、現実の事件の捜査とともに、その捜査過程などの本も執筆しているという
設定が、実は事件解決のヒントでもあるというのが、本作最大のアイディアではないでしょうか。

ホーソーンに指摘された「事実だけをきっちり書きしるし」というのも、
物語終盤でようやくその意味がわかるんですよね。

息子であるダミアン・クーパーが殺害されたことで、私自身も、途中ホロヴィッツが
披露した推理と同じ事を思いましたが、あっさりホーソーンに袖にされました(笑)。
このあたりは、完全に作者のミスリードに嵌まったなと思います。

なお、解説を読むと、本作はシリーズ物第1作のようです。
つまり、ホーソーン&ホロヴィッツは今後何作にもわたりコンビを組むわけですね。

その点を加味すると、本作で触れられたホーソーン個人のことなどは、
今後のシリーズに期待でしょうか。


メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: アンソニー・ホロヴィッツ
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/09/28
  • メディア: 文庫



メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

メインテーマは殺人 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/09/27
  • メディア: Kindle版



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失われた過去と未来の犯罪 [小林泰三]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

女子高生の梨乃はある日、記憶が短時間で消えてしまうことに気付く。
この現象は全世界で発生し人類はパニックに陥った―。それから数十年。
記憶する能力を失った人類は、外部記憶装置なしでは生きられなくなっていた。
記憶=心が切り離せるようになった世界で「わたし」は何人分もの奇妙な人生を経験する。
これは本当に自分の記憶?「わたし」は一体、何者なのか…?『アリス殺し』の鬼才が贈る、
予測不能のブラックSFミステリ。

人類が体験した、わずか10分程度しか記憶を保つことができなくなる「大忘却」
しかし、人類はこの未曾有の危機を、外部記憶装置に記憶を留め、
それを装着できる人類を創り出すことで乗り越えます。

そして本書は、外部記憶装置が当たり前となった世界の中で、
各人が体験した物語が(連作的に)語られます。

外部記憶装置の人体間での入れ替えや、記憶装置のコピーなどが
物語の中核となるのですが、本来人類は10分程度しか記憶が保たれないにもかかわらず、
なぜか最初の人格の記憶が残っていたり、自分が誰なのかわからなくなったり、
どちらが自分自身なのか、いや同じ記憶装置にもかかわらず、別人格が形成されたり、
果ては、現在起こっている事が現実なのかどうか、それすらあやふやになることに。

つまり、外部記憶という極めて科学的かつ合理的な方法を採ることで、
人類を安定化させているのですが、にもかかわらず、
上記のような科学とはかけ離れたことが起こるという矛盾が生じていくのです。

生と死とは何か。肉体と魂、肉体と心は?
記憶が保持できなくなることを科学的に解決したのに、上記のような哲学的、非科学的
な問題が襲いかかってくるという、SFなのですが、人の根源を突いている小説でした。

最後の場面は、イタコを生業としていた「人物」が各人格の記憶等を持ち続けているのか、
それとも、その「イタコ」に装着されている外部記憶装置が、それらの記憶等を上書きせず
持っているのか、実はここはうまくあやふやにしていて、後者の解釈を取れば、
SFホラーでもあり、機械にある意味支配されていく人類を描いているとも考えられます。

しかし、ここまで酷いことは起きていないとしても、スマホ、PCなどにより、
電話番号もいつの間にか暗記する必要もなく、漢字も覚える必要ない日常が
当たり前になってきています。
脳は記憶装置だけではもちろんありませんが、案外と記憶を保てなくなる人類は
近い将来来そうな気がしますね。


失われた過去と未来の犯罪 (角川文庫)

失われた過去と未来の犯罪 (角川文庫)

  • 作者: 小林 泰三
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: 文庫



失われた過去と未来の犯罪 (角川文庫)

失われた過去と未来の犯罪 (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: Kindle版



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屍人荘の殺人 [今村昌弘]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

神紅大学ミステリ愛好会会長であり『名探偵』の明智恭介とその助手、葉村譲は、
同じ大学に通うもう一人の名探偵、剣崎比留子と共に曰くつきの映研の夏合宿に参加するため、
ペンション紫湛荘を訪れる。初日の夜、彼らは想像だになかった事態に見舞われ、
荘内に籠城を余儀なくされるが、それは連続殺人の幕開けに過ぎなかった。
たった一時間半で世界は一変した。数々のミステリランキングで1位に輝いた
第27回鮎川哲也賞受賞作!

以下、ややネタバレ。






新本格の嚆矢である綾辻行人先生の『十角館の殺人』を思わせるような、
クローズド・サークルでの事件に、
昨今(?)流行りのパニック・ホラーを組み合わせた作品。

パニック・ホラーの象徴たるゾンビが突如登場しますが、
きっかけは本シリーズの核になりそうな「斑目機関」なる組織。

しかし、このゾンビが突如襲ってくるという設定は、
パニック小説らしさを出しているかというと、全くそんな感じはありません。
これが良いのか悪いのか判断に苦しみますが、
あくまでも本書のクローズド・サークルの大きな設定に留まっている印象です。

ただし、この設定を相当に活かしたトリックが用いられているのは確かで、
最初の殺人と次の殺人については、この設定により群を抜いてます。

一方で、犯人はこの偶然生じた事態が起こらなければ、どうするつもりだったのだろうと
いうのも少し感じたところ。
偶然を実にうまく計画に入れているのですが、あらかじめ起こることが予想されていない
ため、本来の計画はどうであったのか(それも周到に練られたものなのか)などは
不明瞭なままでした。

個人的には最初の殺人が一番唸ってしまいましたが、
あとは明智恭介の扱いは、もっとどうにかならなかったのかと思いました。


屍人荘の殺人 (創元推理文庫)

屍人荘の殺人 (創元推理文庫)

  • 作者: 今村 昌弘
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/09/11
  • メディア: 文庫



屍人荘の殺人 屍人荘の殺人シリーズ (創元推理文庫)

屍人荘の殺人 屍人荘の殺人シリーズ (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/09/13
  • メディア: Kindle版



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悪魔のトリック [青柳碧人]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

麻薬の取引現場を押さえそこねて負傷した新宿東署の刑事有馬孝信は、職場復帰後、
不気味な刑事九条一彦の下で特別任務を命じられる。九条によれば、この世には悪魔が存在し、
強い殺意を抱いた人間に一つだけ“悪魔の力”を授けるという。草木を腐らせる力、
水を宙に浮かせる力…不可思議な力と殺しはどうつながるのか?超難解、
離れ業トリックに刑事二人が挑む!

以下、ややネタバレ。




現実では実現不可能なトリックを、悪魔の力により可能にさせ、
それをミステリのトリックとして組み込んだ作品。

しかも何でもできる、ではなく、悪魔から授かる能力は1つだけ。
その能力が直接に人を殺害できる訳ではないため、その力をもって
どのように殺害したのか、いわゆるハウダニットを充分に楽しめます。

2話目ですでに悪魔自身が、悪魔の力で殺人を行っていることに気付いている人間が
居ると犯人に指摘するなど、シリーズものとして描くのではなく、変化球を付けてきている
ところもまた面白い。本来なら何編かハウダニットを続けた上で、このような変化を付ける
気もしますが、本作1作での完結(連作短編集)というのが初めから
構想としてあったということでしょうか。

最初は刑事コンビの物語として読んでましたが、悪魔に詳しい九条に、
なぜ有馬という人物が必要だったのかというのが、物語後半の核となっていきます。
そしてプロローグで描かれた場面についても。

第4話は交換殺人なのですが、悪魔から授かった能力が瞬間移動という、
もうどうにもできないだろうという能力です(笑
しかし、驚くべきはその能力をも凌駕した九条でしょう。

最終話で全ての謎が明らかになりますが、彼らの捜査は相当長い道のりです。
できたら時折二人の活躍する短編が読みたいなあ。



悪魔のトリック (祥伝社文庫)

悪魔のトリック (祥伝社文庫)

  • 作者: 青柳碧人
  • 出版社/メーカー: 祥伝社
  • 発売日: 2019/05/15
  • メディア: 文庫



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猫には推理がよく似合う [深木章子]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

とある弁護士事務所に勤める花織は、先生に寄せられる依頼を盗み聞きしては、
“おしゃべりする猫”のスコティと噂話に花を咲かせていた。ある日、
愛らしく気高くちょっと生意気なスコティが、推理合戦を仕掛けてくる。
「もしいま先生が殺されて、金庫の中身が盗まれたら、犯人は誰だと思う?」。
金庫に入っているのは、5カラットのダイヤ、資産家の遺言書、失踪人の詫び状、
12通の不渡り手形。怪しい依頼人たちを容疑者に、
あれこれと妄想を膨らますふたり(1人と1匹)だったが、なぜか事件が本当に起きてしまい―。
現実の事件と、謎解きに興じる“しゃべる猫”の真実は?ミステリ界注目の気鋭による、
猫愛あふれる本格推理。

以下、ややネタバレ




猫による猫のための猫推理小説(笑
いやいや、それはちょっと違いますが・・・
猫とミステリについては我孫子先生の解説に詳しいですが、やはり三毛猫ホームズ。
そして仁木悦子先生の『猫は知っていた」『赤い猫』などが僕は思い浮かびました。
(動物繋がりでいえば迷犬ルパンも。)

しかし本作に登場するのは、ずばり猫が推理する。人間の言葉を話す猫<スコティ>
が登場するのです。
このスコティが考えた「猫密室」は全く解けなかった・・・(苦笑

物語は半ば引退した弁護士・田沼清吉弁護士事務所に来る依頼人とその依頼内容等を巡る
飼い猫スコティ、そして事務員・椿花織との会話が主を占めます。
(時折、上記の「猫密室」のようなスコティからの挑戦状あり)

物語の本当に終盤まで、事件らしいことは何も起こりません。

ただ、この会話では<見立て殺人>や<密室殺人>といった、
推理小説の定番的な要素についてスコティが何がおもしろいのか?と
花織に議論をふっかけるパートがあるのですが、これはミステリ好きには
中々に面白い・興味深い掛け合いです。

そしてその瞬間は唐突に訪れます、スコティと花織の推理合戦中に。
想像で話していた事件が、現実の事件へと。

物語が一気に反転するところがあまりに唐突感があり、驚きますが、
その後の(ある種)怒濤の展開が素晴らしく、後半一気に読んでしまいました。


本書大部分が実は叙述トリックが仕掛けられていることや、
依頼人たちが全員容疑者たる物語の構成や、
猫がそこそも喋るという本書の大前提を、最後に崩しながらも、
ラストでその崩した大前提の余韻を残すかのような終わり方。
とても面白かったです。
ミステリ好きだけでなく、猫好きな方にもオススメです。




猫には推理がよく似合う (角川文庫)

猫には推理がよく似合う (角川文庫)

  • 作者: 深木 章子
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: 文庫



猫には推理がよく似合う (角川文庫)

猫には推理がよく似合う (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/08/23
  • メディア: Kindle版



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みやこさわぎ お蔦さんの神楽坂日記 [西條奈加]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

高校生になった滝本望は変わらず祖母と神楽坂でふたり暮らしをしている。
お蔦さんと呼ばれる祖母はご近所衆から頼られる人気者だ。
その日、お蔦さんが踊りの稽古をみている、若手芸妓・都姐さんが寿退職することに。
けれど「これ以上迷惑はかけられないし」と都姐さんの表情は冴えなくて……。
神楽坂を騒がす事件をお蔦さんが痛快に解決していく! 人情と粋、
望が作る美味しい料理がたっぷり味わえる、大好評シリーズ第三弾。

以下、ややネタバレ。





前作「いつもが消えた日」をアップしたのが2016年なので、
3年ぶりになります。
望も気付けば高校生。楓との仲は進展するのか?

オススメは「百合の真雁」
常に頼りなく、どことなく不安を感じさせる叔父の泰介が、
実は結構有名な画家であることや、大半の作品では情けない姿しか
描かれない(失礼!)イメージですが、本作は中々の活躍(?)

絵画の真雁によって再燃した遺産相続問題が物語の本筋。
解決の仕方がとても素晴らしく、単に贋作と伝えるだけでなく、
そこには兄弟姉妹の仲も取り持つ、本シリーズのもつ人情味あふれる解決です。
また、なぜ贋作なのかの理由も、(芸術を生業としている人にとっては)
当たり前の感覚なのかもしれませんが、新藤省燕先生の語る話がまた良いのです。

表題作は少し重い話も入り、神楽坂の花柳界存亡にかかわる事件が起きるのですが、
最後は見事にご意見番たちの活躍もあり丸く収まります。

「四月のサンタクロース」や「三つ子花火」はいずれも家庭内、特に夫婦の問題
から端を発する物語ですが、いずれもお蔦さん(+奉介おじさん)の名推理ならぬ名裁きで
物語を大団円へと導きます。

神楽坂だからこそ残る粋や人情、ではなく、昔は町内に一人や二人、
お蔦さんのようなご意見番や仲裁役が居て、そして町内もコミュニティとして
本作の登場人物たちのように、まとまりがあったのだろうなと感じました。

特に「三つ子花火」は現代社会でも日々起こっている問題でもあり、
お蔦さんがどこにでも居てくれたらなあと、なんだか物語を離れて
色々と考えてしまいました。

本作は時間軸は望が成長していることからも少しずつ時計の針は進んでいます。
今度は彼の大学進学を巡る頃の物語になるのでしょうか。



みやこさわぎ (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

みやこさわぎ (お蔦さんの神楽坂日記) (創元推理文庫)

  • 作者: 西條 奈加
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/07/11
  • メディア: 文庫



みやこさわぎ お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

みやこさわぎ お蔦さんの神楽坂日記 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/07/12
  • メディア: Kindle版



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泡坂妻夫引退公演 絡繰篇 [泡坂妻夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

緻密な伏線と論理展開の妙、愛すべきキャラクターなどで読者を魅了する、
ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。著者の生前、単行本に収録されなかった
短編小説などを収めた作品集を、二分冊にした文庫化でお届けする。
絡繰篇は、大胆不敵な盗賊・隼小僧の正体を追う「大奥の七不思議」ほか、
江戸の雲見番番頭・亜智一郎が活躍する時代ミステリシリーズ、
五節句の紋を誂えた着物にこめられた想いを読み解く「五節句」ほか、紋章上絵師たちのシリーズ、
背中に見事な彫物を持つと評判の美女を巡る「荼吉尼天」といったノンシリーズなど、17編を収めた。



なんといっても本作は雲見番頭の亜智一郎シリーズ続編が読めるのが大きいです。
時は幕末、内憂外患、さらには尊王攘夷吹き荒れる中でも、そんな世の中の動向には
我関せず、亜たちは変わらず雲見を続け、将軍側衆・鈴木阿波守正團の指示を受け、
様々な依頼をこなしていきます。

「吉備津の釜」は、御庭番御用を務める二人が、長州藩への調査で行方不明になったという、
いよいよ幕末の激動に智一郎たちが巻き込まれる?!と思いきや・・・
なんという脱力!これこそ智一郎シリーズかつ泡坂作品。

「大奥の七不思議」は私のオススメ。
干物をくわえて出て行った狸(阿波守)、そしてラストに阿波守が言う台詞。
狸が化けた姿だったのか、それとも本当の阿波守だったのか。
いや、台詞を考えれば後者なんですが、そうだとするとあまりに行動が奇妙過ぎる(笑

ホラー小説である「母神像」や、奇妙な味わいを感じる「荼吉尼天」もオススメです。
紋章上絵師のシリーズは<手妻篇>の奇術シリーズ的な位置付けでしょうか。

しかしもう新作が読めないのが本当に残念です。
絶版や入手困難な作品がまた復刊することを望みます。


泡坂妻夫引退公演 絡繰篇 (創元推理文庫)

泡坂妻夫引退公演 絡繰篇 (創元推理文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/04/11
  • メディア: 文庫



泡坂妻夫引退公演 絡繰篇 (創元推理文庫)

泡坂妻夫引退公演 絡繰篇 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/04/12
  • メディア: Kindle版



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シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊 [シャーロック・ホームズ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

1889年冬。とある名家のマダムと知り合ったホームズとワトスンは、一族の夕食会に招かれた。
だが最後の料理皿の銀蓋を開けると、そこに人間の切断頭部が…。事件調査のため、
一族が暮らすスコットランドの古城にすぐさま向かった二人。その城は幽霊が出ると噂されていて、
何年も前から不審死が相次いでいるようで―。
すべての謎はやがて予想外の結末へ!本格パスティーシュ第2弾。

ポニー・マクバードによるシャーロック・ホームズの冒険譚第2弾。
前作と本作を読んで、なんとなくですが、これらはポニー・マクバードが
シャーロック・ホームズという人物を探偵役に据えて描いた事件で、
ホームズパスティーシュではないのではないか、ということです。

ホームズを探偵役とすれば、パスティーシュあるいはパロディだと
考えるのが当然なのでしょうが、
「芸術家の血」と本作で描かれているホームズは
聖典のホームズとは、違う印象を強く持ちます。

前作も本作もホームズらしからぬミスがあったり、
前作は派手なアクションシーンらしきものがいくつも出てきたり、
本作では、ホームズの語られざる学生時代、しかもそこに
アイリーン・アドラー以上の女性が登場したりと、
聖典からだいぶかけ離れてるなあと。

特に本作では上記の語られざる学生時代の話が、物語の核心でもあるし、
想像を逞しくすれば、ホームズがアイラ・マクラーレンからの依頼を
頑なに受けなかったのも、上記の過去が関係している事は明白ですね。
何よりも事件そのものへの興味から、ホームズは依頼を引き受けるのであって、
邪推かもしれませんが、個人的な事で引き受けないというのも
聖典ではないでしょう。

解説で日暮雅通さんが書かれているように、ホームズがなぜ大学を去ったのか、
女性を避けるようになったのかを、見事に説明している、という捉え方も
あるのでしょうが、うーん、中々に難しい。
シャーロキアンの方々は、本シリーズをどう受け止めているのだろうか。

事件の始まりや、亡霊の出る館の秘密など、それらの謎は中々面白く、
終盤にあかされていくマクラーレン家(当主)の抱えていた秘密と密接に関係してきて、
読み応えがあるのですけどね。
(ただし、エリザベス・マクラーレンの死はよくわからず。)

といいつつも、おそらく三部作最終作も購入して読むはずです(笑



シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊 (ハーパーBOOKS)

シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊 (ハーパーBOOKS)

  • 作者: ボニー マクバード
  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ ジャパン
  • 発売日: 2019/06/17
  • メディア: 文庫



シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊 (ハーパーBOOKS)

シャーロック・ホームズの事件録 眠らぬ亡霊 (ハーパーBOOKS)

  • 出版社/メーカー: ハーパーコリンズ・ジャパン
  • 発売日: 2019/06/17
  • メディア: Kindle版



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ひとり暮し [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

東京の大学に入学した依子は、念願のひとり暮しをすることになった。
家賃が安いだけがとりえのアパートに決めたはいいが、複雑な事情がありそうな住人ばかり。
入居早々、部屋は隣に住む女性の荷物に占領されており、自分の荷物を預かってくれている
という部屋を訪れると、そこの住人が倒れていた!どうやら、自殺未遂を繰り返している人物…。
しかも、彼女を助けたことがきっかけで、女優デビュー?波瀾万丈の青春ミステリ。

赤川作品はこれまで多く読んできましたが、この作品はこれまで読んだ系統には
あまり当てはまらない感じがしました。
というのも、説明文には「青春ミステリ」とあるのですが、
本書はミステリというジャンルになるのかなあと。

主人公の板垣依子の成長を描く物語、かとも思いましたが、
そうでもない(苦笑)
というのも、物語が進んでいっても、
彼女自身の性格は全く変わっていないからです。
むしろ、持ち前の優しさで、彼女の周囲の人たちの人生を良い方向へ変えていきます。

そして殺人など到底起こりません(傷害事件は起こりますが)。

赤川作品のヒロイン像とも依子は少し違うし、ユーモアミステリでも
青春ミステリでもなく、だけど、おもしろく、読後感が良い小説。
まだまだこうした赤川作品も多そうな気がします。



ひとり暮し (角川文庫)

ひとり暮し (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/07/24
  • メディア: 文庫



ひとり暮し (角川文庫)

ひとり暮し (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2019/07/24
  • メディア: Kindle版



ひとり暮し (幻冬舎文庫)

ひとり暮し (幻冬舎文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2002/10/01
  • メディア: 文庫



ひとり暮し (幻冬舎文庫)

ひとり暮し (幻冬舎文庫)

  • 出版社/メーカー: 幻冬舎
  • 発売日: 2002/09/30
  • メディア: Kindle版



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女學生奇譚 [川瀬七緖]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

この本を読んではいけない――奇妙な警告文の挟まれた古書が
オカルト雑誌の編集部に持ち込まれた。
古書の持ち主だった兄が数カ月前に失踪し、現在も行方不明だと竹里あやめは訴える。
フリーライターの八坂駿がその本を少しずつ読み始めると、周囲で不気味な出来事が続く。
いたずら? 狂言? それとも……。
八坂はペアを組むカメラマンの篠宮、依頼人のあやめとともに、古書の謎を追う。

以下、ややネタバレあり。


川瀬さんの作品は「よろづのことに気をつけよ」以来2作目。
前作は期待外れだったんですよねえ・・・

本作もオカルト系という伝承系とミステリの組み合わせだと思いましたが、
「女學生奇譚」を読みながら、謎を解いていく八坂&篠宮コンビは好感が持てます。

女学生たちがどこへ連れて行かれたのか、その真相を看破し、
奇譚に描かれている屋敷や遺骨を発見するまでは、1つのミステリとして
かなり面白かったです。

ただ、ここからが問題。
というか、最初に「この本を読んではいけない」という警告文から
全てが始まっているのですが、
途中途中に挟まれる八坂を襲う不可思議な現象。
唐突に登場する八坂の双子の弟。

このあたりの伏線を一気に回収するのが、最後の謎解き&真犯人の登場なんですが、
これは蛇足だったような気がします。

むしろオカルト系ライターとしての八坂とカメラマン篠宮コンビを主人公とし、
こうした奇書の謎を解いていくシリーズとした方が良かったのではないでしょうか。

シリーズを重ねていく上で、八坂の弟の存在や、彼の持つ特殊な性格、
それらを匂わせながら、本作の展開にもっていった方が、まだ受け入れやすい。

物語がタイトルの「女學生奇譚」から、一気に乖離していくのが非常に残念。
ただ、「この本を読んではいけない」は八坂の興味を惹くだけでなく、
読者の興味も惹くので、無かった方がいいかと言えば、微妙なところ。

「女學生奇譚」という奇書をめぐるミステリとしては快作。
しかし、全体としてみると、陰謀論のような、残念な作品な気がしました。



女學生奇譚 (徳間文庫)

女學生奇譚 (徳間文庫)

  • 作者: 川瀬七緒
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: 文庫



女學生奇譚 (徳間文庫)

女學生奇譚 (徳間文庫)

  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/07/05
  • メディア: Kindle版



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泡坂妻夫引退公演 手妻篇 [泡坂妻夫]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

ミステリ界の魔術師・泡坂妻夫。その最後の贈り物である作品集を、
二分冊にした文庫化でお届けする。
手妻篇は、辛辣な料理評論家を巡る事件の謎を解く「カルダモンの匂い」ほか、
ヨーガの達人にして謎の名探偵・ヨギ ガンジーが活躍するミステリシリーズ、
酔象将棋の名人戦が行われた宿で殺人が起こる、単行本刊行後に発見され初書籍化となる「酔象秘曲」、マジシャン同士の心の機微を描く「ジャンピング ダイヤ」ほか、
マジックショップ・機巧堂を舞台にした奇術もの、
住人が次々と死んだマンションの一室で交霊会を行い、
真実を暴く戯曲「交霊会の夜」など13編を収録。

ずいぶん前に「引退公演」は読了していたのですが、アップが遅くなりました。

本書にはなんといってもヨギ ガンジーシリーズ短編が久しぶりに読めることが大きい。
ただ『ヨギ ガンジーの妖術』収録のものと少し異なり、
「カルモダンの呪い」「未確認歩行原人」いずれも、より「日常の謎」が強く出ているかなと
感じました。
それだけに未完に終わった「ヨギ ガンジー、最後の妖術」が残念でなりません。

本書所収白眉は「酔象秘曲」という、かつてあった「酔象」という駒を使った
将棋をめぐる殺人事件。
少し艶っぽい描写、またトリックありと、楽しめる作品となっています。

またわずか4ページの「絶滅」は星新一のショート・ショートを彷彿とさせる快作。
「聖なる河」も短編ながらも最後にどんでん返しが待っている良作です。

「交霊会の夜」はぜひ戯曲を小説として描いて欲しかったなあ。
かつてクリスティのポワロもので戯曲「ブラック・コーヒー」を
別の作者が小説として刊行した事がありますが、これを小説化してくれる方が
居ればなあ。

近日中に「絡繰篇」もアップ予定です。


泡坂妻夫引退公演 手妻篇 (創元推理文庫)

泡坂妻夫引退公演 手妻篇 (創元推理文庫)

  • 作者: 泡坂 妻夫
  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/04/11
  • メディア: 文庫



泡坂妻夫引退公演 手妻篇 (創元推理文庫)

泡坂妻夫引退公演 手妻篇 (創元推理文庫)

  • 出版社/メーカー: 東京創元社
  • 発売日: 2019/04/12
  • メディア: Kindle版



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クジャクを愛した容疑者-警視庁いきもの係 [大倉崇裕]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

学同院大学で起きた殺人事件の容疑者は、クジャク愛好会の奇人大学生!
だが無実を信じる警視庁いきもの係の名(迷)コンビ、窓際警部補・須藤友三と
動物オタクの女性巡査・薄圭子はアニマル推理を繰り広げ、
事件の裏側に潜むもうひとつの犯罪を探り当てる!?
表題作と「ピラニアを愛した容疑者」「ハリネズミを愛した容疑者」の傑作中編3本を収録!

シリーズとしても円熟期に達しつつあるいきもの係ですが、
本書はこれまでのシリーズとはひと味違う試みがなされています。

まず大きいのはいきもの係に3人目が配属されたことでしょう。
「ピラニアを愛した容疑者」で登場した所轄署の刑事・芦田巡査部長。
彼に与えられた大きな役割は運転手。
私としては、毎回繰り返されるタクシー運転手とのやりとり、楽しみだったのになあ(笑
3回に1回くらいはタクシー使う場面を描いてほしい。

そして、もう一つは「ピラニア」と表題作「クジャクを愛した容疑者」のラスト。
これまでは事件解決→コメディタッチな終わり方があったのですが、
この2作は、あの刑事コロンボのような終わり方をしています。
作品が実は繋がっている<福家警部補>を逆輸入したのかもしれませんね。

もっとも薄巡査のキャラクターや聞き間違いは全く変わりませんのでご安心を(笑

「ハリネズミを愛した容疑者」が公安との関わりもあり、事件含めて面白いのですが、
前2作の犯人との直接対決は中々読み応えがあり、どの作品も甲乙付けがたい。
つまり、どれも楽しめるということです(笑)

次々と動物たちが増えますが、須藤警部補がお世話をする所もぜひ読んでみたいものです。


クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 作者: 大倉 崇裕
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/06/13
  • メディア: 文庫



クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

クジャクを愛した容疑者 警視庁いきもの係 (講談社文庫)

  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2019/06/13
  • メディア: Kindle版



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