君に読ませたいミステリがあるんだ [東川篤哉]
キュートな文芸部長がたくらむ“大仕掛け”を見破れますか?
ユーモアミステリの超快作!
ベストセラー『放課後はミステリーとともに』の鯉ケ窪学園に新ヒロイン登場!
4月、新入生の僕は「第二文芸部」の部室に迷いこんでしまう。
部長で学園一の美少女(自称)の水崎アンナは、自作のミステリを強引に僕に読ませるのだが――
テンポの良い展開、冴え渡るユーモア、そして想像を超える大トリックに
一気読み必至の傑作ユーモアミステリ!
鯉ケ窪学園シリーズ最新作。
水先案内人のもじりである、水崎アンナなる<第二文芸部>部長が登場し、
「僕」に自分の書いたミステリを読ませるという、作中作の作品です。
鯉ヶ窪も長いですよね。
久しぶりすぎて、今までどんな探偵役が登場したのか、思わず確認しました(笑
大仕掛けとか、最後の大トリックとか、色々と帯文や推薦文でありますが、
それらは抜きで、このユーモア・ミステリを楽しむだけで充分だと思います。
「僕」が各事件で常に動機にこだわっていたのが、一番印象に残りました。
まあそりゃそうだという(苦笑
それにしても、他のキャラクターたちは、もう卒業しているのかなあ。
探偵さえいなければ [東川篤哉]
さまざまな着ぐるみが集う烏賊川市のビッグイベント「ゆるキャラコンテスト」。
その準備中に、一人の出場者が胸を刺されて死んでいるのが発見された!
事件解決のリミットはコンテスト開始までの一時間。
探偵の鵜飼は真相解明に乗り出すが―。(「ゆるキャラはなぜ殺される」)
おなじみ烏賊川市の面々がゆるーく活躍する、大人気ユーモアミステリー傑作集!
久しぶりの烏賊川市シリーズです。待ってました!
鵜飼杜夫に戸村流平、鵜飼事務所の入るビルのオーナ-・二宮朱美の3名が謎を解く、
というよりも巻き起こる、でしょうか(笑
本書は短編集ですが、それぞれにしっかりと見せ場があります。
「倉持和哉の二つのアリバイ」では、泥酔状態にありながらも、驚異の記憶力を魅せる鵜飼。
「とある密室のはじまりとおわり」で、相変わらず酷い目に遭う戸村流平。
「被害者によく似た男」では砂川警部が、一応面目躍如の活躍を(笑
いや、実際砂川警部と志木刑事、この短編集では中々の活躍を見せてるんですよね。
さて、そんなユーモア溢れる短編集ですが、少し自分勝手な深読みを
してみると、
「博士とロボットの不在証明」、これでは朱美さんが見事に大活躍なのですが、
博士とロボット(ロボ太)のおかしいやりとりだけでなく、
最後のシーン、ロボ太がステレオタイプのようなロボットになって終幕というのは、
皮肉が効いています。ロボ太は人間のようにずる賢く、自分の立場が悪くなって
こうした態度を取ったと見えるわけですが、科学が発達し、AI○○なんてのも
登場した現在、人間の言う事を真に受けて聞くロボットが居なくなり、
自分に都合の良い行動を取るロボットが登場してもおかしくありません。
そして「ゆるキャラはなぜ殺される」という、高木彬光「人形はなぜ殺される」
の本歌取りの作品では、ゆるキャラという、殺人を犯しそうも、何か事件が起こりそうも
ない現場で、事件(殺人事件)が発生し、ゆるキャラ(の格好をした人物たち)が
鵜飼&朱美と問答をしつつも、鵜飼が事件を解決する、という流れなのですが・・・
ラスト、鵜飼の推理が誤りで、真犯人が逃亡する場面が描かれるのは、
ゆるキャラという外見に騙された鵜飼ら「探偵」がしてやられた場面でもあります。
解説にあるように、確かに本編は「探偵さえいなければ」捕まっていた、という
他短編とは異色の作品となっています。
やはり烏賊川市シリーズは東川先生の看板作品ですね。
これからもずっと続いてほしい。
探偵部への挑戦状―放課後はミステリーとともに [東川篤哉]
そして、ミステリ研究会大金うるるからの2度の挑戦。
そして、無事に探偵部部長・多摩川流司と
八ツ橋京介は卒業できるのか?
今年の広島優勝に涼は飛び跳ねるどころの騒ぎじゃないくらい
喜んだことでしょう。
どういうリアクションを取るのか、そればっかり気になってました。
7編収録の連作短編集ですが、オススメをあげるならば、
ミステリ研からの挑戦は1つめの「霧ヶ峰涼への挑戦」
一度きりのトリックですが、同じ探偵部だからといって、
信じてはいけません。
「霧ヶ峰涼と映画部の密室」
最初の何気ない出来事が実は事件を解明する鍵であるお話。
さて本作で「鯉ヶ窪学園探偵部」の主人公たち2名
が無事に卒業します。
ということは、本作とメインシリーズがついに合体するのか?
さてどうなることやら。
探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに (実業之日本社文庫)
- 作者: 東川篤哉
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2016/10/06
- メディア: 文庫
探偵部への挑戦状 放課後はミステリーとともに (実業之日本社文庫)
- 出版社/メーカー: 実業之日本社
- 発売日: 2016/10/05
- メディア: Kindle版
私の嫌いな探偵 [東川篤哉]
男が真夜中の駐車場を全力疾走し、そのままビルの壁に激突して重傷を負った。
探偵の鵜飼杜夫は、不可解な行動の裏に隠された、
重大な秘密を解き明かしてゆく。(「死に至る全力疾走の謎」)
烏賊神神社の祠で発見された女性の他殺死体が、いったん消失した後、
再び出現した!その驚きの真相とは?(「烏賊神家の一族の殺人」)
何遍読んでも面白い、烏賊川市シリーズ傑作集!
東川さんの作品は最近「鯉ヶ窪」シリーズの文庫化が多かったような
気がして、烏賊川市シリーズは久しぶりな気がします。
本短編集は、探偵かつ主人公の鵜飼杜夫は当然全編登場しますが、
大家の朱美さんこそ本作では主人公です。
なぜか本当の助手である戸村流平はあまり登場せず、
(しても最後にエライ目にあいます・笑)
鵜飼&朱美コンビが基本的に事件解決&遭遇する短編集です。
やはり愁眉は「死に至る全力疾走の謎」。
なぜ男性は全力疾走でアパートの壁に激突したのか?
こんな奇妙な謎から、1つの事件を解き明かしていく
鵜飼の推理が素晴らしい。
「烏賊神家の一族の殺人」はどう読んでも「犬神家の一族」の
オマージュ。
神主一家しか出てこないのが残念です。
ただ姉と妹が同時に話すのはなぜか「八つ墓村」の小竹小梅姉妹を
思い出した。
鯉ヶ窪も良いですが、やはり烏賊川市シリーズが一番安定していますね。
謎解きはディナーのあとで 3 [東川篤哉]
お嬢様刑事の宝生麗子と、毒舌な執事探偵の影山のコンビが活躍する、
シリーズ累計400万部突破の国民的ユーモアミステリ第3弾。
宝生邸に眠る秘宝が怪盗に狙われる「怪盗からの挑戦状でございます」、
体中から装飾品を奪われた女性の変死体が発見される「彼女は何を奪われたのでございますか」をはじめ、
続々と発生する難事件に麗子はピンチ。しかしながら、
「お嬢様は無駄にディナーをお召し上がりになっていらっしゃいます」――
影山の毒舌と推理は絶好調! そして、影山、麗子、風祭警部の3人の関係にもついに変化が訪れて・・・・・・
文庫版の特典として、「名探偵コナン」との夢のコラボレーション短編「探偵たちの饗宴」も収録。
コナンと影山が力を合わせて、パーティ会場で起きた奇怪な殺人事件に挑む!!
東川さんを一気に売れっ子作家に押し上げたシリーズ。
個人的には一番好きなシリーズかも。
というのも、ユーモア・ミステリとしても、本格ミステリとしても、
うまい具合にバランスを取っていると感じているから。
あまりにギャグが前面に出過ぎの「鯉ケ窪学園」や本格色の最も強い
「烏賊川市」よりも、本書が一番「ユーモア・ミステリ」という表現が
合うかなあと思います。
内容的にはこれまでと同じですが、最終話「さよならはディナーのあとで」
では、あるレギュラーキャラクターがまさかの卒業!?に。
「怪盗からの挑戦状でございます」は異色作品。
初代御神本探偵はどうかわかりませんが、三代目は無能すぎるだろう(苦笑
他の短編では、発想の逆転的なトリックが多かったかなと思います。
ただ「殺人には自転車をご利用ください」はいくらなんでも風祭警部以下、国立署は
無能すぎる気がしますが・・・(苦笑
これ続編はどうなるのかなあ・・・気になりますね。
はやく名探偵になりたい [東川篤哉]
烏賊川市で探偵業を営む鵜飼杜夫&戸村流平が挑む
いくつかの(?)難事件。
オススメは「宝石泥棒と母の悲しみ」
これはある叙述トリックがあるのですが、第三者の視点から物語を描く
という方法を、見事にトリックに転化させています。
次に「時速四十キロの密室」
万に一つの偶然が引き起こした事件ですね。
それにしても、タイトルにある名探偵にすでに鵜飼はなっている
んですけどねえ。それとも戸村を指しているのか?
それなら納得ですが(笑
謎解きはディナーのあとで 2 [東川篤哉]
ドラマや映画は全く観てませんが、
原作は読んでいます。
ともすればキャラクターありきになりそうな
シリーズですが、十分に本格ミステリを楽しませてくれます。
個人的オススメは「アリバイをご所望でございますか」と
「殺意のパーティにようこそ」の二編。
前者は表題からアリバイものと錯覚しがちですが、
そこに実はトリックが隠されています。
これは逆転の発想でした。
後者は非常によくありそうな話(笑
たぶん上流階級の方だけでなく、庶民にも
こうした経験はありますね。
ところで本作には密室ものが二編ありますが、
後者の密室ものはまずわからないだろうと思います(笑
この話は図が欲しかった。
放課後はミステリーとともに [東川篤哉]
いうのが適切なのか、あるいはこちらが正統なのか(笑
探偵部の副部長・霧ヶ峰凉が活躍する短編集。
尚、シリーズでは副部長は登場していません(笑
所収作では「逆襲」が一番のオススメです。
他の話も二転三転するものがありますが、
この「逆襲」は心理トリックとでもいうか、その使い方と
ある思い込みを利用している所が一歩先んじている感。
東川さんはユーモア本格推理の書き手と
著者紹介にありましたが、
烏賊川市や探偵部、あるいはディナーのあとで、
確かにユーモアを全面に打ち出してますが、
ユーモア色なしの本格も読みたいですね。
殺意は必ず三度ある [東川篤哉]
まずはAmazonさんの解説から。
連戦連敗の鯉ヶ窪学園野球部のグラウンドからベースが盗まれた。
われらが探偵部にも相談が持ち込まれるが、あえなく未解決に。
その一週間後。ライバル校との対抗戦の最中に、野球部監督の死体がバックスクリーンで発見された!
傍らにはなぜか盗まれたベースが…。探偵部の面々がしょーもない推理で事件を混迷させる中、
最後に明らかになる驚愕のトリックとは?
探偵部の面々はそこそこ良いところまでは
行っていたと思いますけどねえ。
見立て殺人までは順調なのになあ。
事件の探偵役はもちろん別に居るわけですが、
球場のトリックよりも、ある「思い込み」を利用した心理トリック
の方がお見事。これは騙される。
ただ動機、という面ではあまり釈然とはしません。
このシリーズ、文庫化が遅い気がしますが、
最近はあまり書かれてないのかなあ。
謎解きはディナーのあとで [東川篤哉]
ここに死体を捨てないでください! [東川篤哉]
中途半端な密室 [東川篤哉]
烏賊川市最新作か?と思いましたが、
初期の、そしてデビュー作含む短編集。
十分に楽しめました。
表題作と南の島の殺人の2編が中でもオススメ。
片桐&十川のコンビは「中途半端な密室」のみ
登場なのかな?
その後は山根&七尾コンビになりますが、
個人的にはこの二人が好きです。
ところでタイトルが秀逸ですよねえ。
完全な密室じゃないという。
南の島の殺人は本作愁眉かなと思います。
友人から来た手紙から、事件の謎を解き明かす山根。
しかし、その手紙自体にもフェイクがあり、
そのフェイク&事件の謎両方を解かなければならないという、
ある意味で「二重のトリック」がかかってます。
実に見事な作品です。
謎解きは~で大ブレイクした東川さんですが、
烏賊川市シリーズやこの短編集もぜひ読んでもらいたいですね。
交換殺人には向かない夜 [東川篤哉]
本書帯には「シリーズ最高傑作?」なんて文字が。
以下ネタバレあり。
以下は光文社さまからのサイトから
(http://www.kobunsha.com/shelf/book/isbn/9784334748449)
不倫調査のため、使用人を装い山奥の邸に潜入した私立探偵・鵜飼杜夫。
ガールフレンドに誘われ、彼女の友人の山荘を訪れた探偵の弟子・戸村流平。
寂れた商店街で起こった女性の刺殺事件の捜査をおこなう刑事たち。
無関係に見えた出来事の背後で、交換殺人は密やかに進行していた……。
全編にちりばめられたギャグの裏に配された鮮やかな伏線! 傑作本格推理。
さて本作の帯にある謳い文句の最高傑作との文言、
これはあながち嘘とはいえません。
個人的にも、本作はシリーズ屈指の名作になると思われます。
探偵鵜飼のパート、そして助手流平のパート、刑事のパート。
この3つのパートで話は進んでいきますが、
そこに大きな落とし穴が待っているのです。
このトリックはなかなか見抜けないなあ・・・。
ただ3年経過しているってとこが、ちょっと厳しいかなと
も思いますけど。
鵜飼探偵は最後報酬を受け取りませんでしたが、
小便小僧の所を暴いただけでも充分ではないでしょうか。
あの寒さでよく思考回路が働いた(笑
それと、これは最大の謎なのですが、
犯人を殺したのは誰なのでしょうか?
もしや凍死なのか?
最後に砂川警部が名演説で事件を締めくくりますが、
犯人の死因はいまいちわからないし、
実は・・・と勘ぐりたくもなるわけで。
まあ真実はわかりませんね(笑
もう誘拐なんてしない [東川篤哉]
http://www.bunshun.co.jp/cgi-bin/book_db/book_detail.cgi?isbn=9784163267104
下関の大学生・翔太郎がひょんなことから知り合ったのは、
門司を拠点とする暴力団花園組組長の娘・絵里香。
彼女がお金を必要としていることを知り、
冗談で狂言誘拐を提案したところ絵里香は大はりきり。
こうしてひと夏の狂言誘拐がはじまった。
いっぽう、そんなこととはつゆ知らない組の面々。
身代金を要求する電話を受け、
「組長よりもヤクザらしく、組長よりも恐ろしい」絵里香の姉・皐月が妹を救うべく立ち上がる。
キュートな姉妹、トボけた翔太郎、個性豊かなヤクザたちの活躍が楽しいユーモア誘拐ミステリー。
主人公樽井と花園絵里香の出会いはまさにステレオタイプ的(笑)
こんな偶然ないって~と何度も思ったシーンです(笑
しかしそれがよい。
どこか憎めない花園一家、それを実質的に取り仕切る長女の皐月。
樽井の先輩・甲本。そして頼りないし、なんども絵里香に迫ろうとする(笑)樽井。
魅力的なキャラクターに彩られてます。
展開は非常にスピーディ。
狂言誘拐と偽札作りの事件、そして殺人事件と次々と事件が起こり、
それとの関係性を最後に一気に暴く。
赤川さんの作品を読んでいるかのような錯覚。
花園絵里香も良い味出してると思うのですが、
僕は樽井が非常に好きですね。
下心はたくさんだけど、狂言誘拐をいきなり切り出したり、
実は行動力抜群の大学生。
最後も絵里香を助けまいと思い切った行動に出ますが、
ラストはトンでもないことに・・・(笑
夏の想い出の小説としてぜひ読んでみて下さい。
学ばない探偵たちの学園 [東川篤哉]
本作は新しく探偵部に入部した赤坂通、「オレ」の視点で物語が進みます。
東川さんのこだわりはやはり「密室」にあり。
デビュー作しかり、そして新たなシリーズの始まりもやはりまた
「密室」をメインに据えた本格かつユーモラスミステリです。
途中誰が探偵役になるのかなあと思って読んでました。
どう考えても多摩川部長や八つ橋くんではないものなあ(笑
本作での「密室」は結構偶然に助けられた感が個人的にはしますが(ヘリの音とか)
なぜ被害者が正面から刺されていたのかというところから
推理を組み立てていく石崎は見事。
にしてもまさに東川ワールドですよねえ。
怪しげな名前の刑事たちも登場するし(烏賊川市シリーズの刑事さんよりマヌケです・笑)
すでに短編・長編ともに続編が書かれているようです。
今後も楽しみなシリーズ。
しかし本書刊行は2004年。
文庫化まで5年は長すぎるだろ・・・
光文社、しっかしろ!
館島 [東川篤哉]
東川篤哉さんの作品。
タイトルからもわかるように「クローズド・サークル」ものです。
天才建築家が謎の死を遂げてから半年・・・
再びその島に関係者が集められる。
そして起こる殺人事件・・・
はたして犯人は誰なのか!?
一応電話は通じるんで、完全な孤立ではないんですが、
それでもどこか緊迫感を感じないのはやはり主人公とワトソン役のキャラクターによります。
女探偵の小早川沙樹と県警捜査一課の相馬刑事のやりとりは爆笑もの。
あらぬ妄想や予期せぬラブロマンスを期待したりするところなんて
殺人が起こっているのを忘れさせてくれます。
主人公である沙樹も大酒飲みでこれまたおもしろい。
とはいえ、事件の謎に着実に近づいていて、最後には見事に解決させます。
烏賊川市を舞台としたミステリも本作もユーモアといいながら、
十分に本格ミステリです。それはお間違いのないように、です!
本作でのトリックも島田荘司さんの「斜め屋敷」を彷彿とさせました。
解説によれば、本作は続編もあるのではないかとのこと。
期待が高まります。
完全犯罪に猫は何匹必要か? [東川篤哉]
密室に向かって撃て! [東川篤哉]
烏賊川市のシリーズもこれが二回目。
売りは「お笑い本格ミステリー」なわけですが、出てくる人間がドジな人が多いよなあ。
しかし、探偵である鵜飼や烏賊川署の刑事である砂川警部など、確かにドジで笑ってしまう
場面も多々あるのですが、頭はキレます。どちらが探偵役になったとしても異論なし。
今回はタイトルにあるように「密室」が大きなテーマ。
まあ最初に刑事二人のお馬鹿な逮捕未遂劇が見られますが(w
内容紹介はしません(笑・おいおい)
いや、お笑いとありますが、十分に本格ミステリです。
犯人を匂わせる描写が実はいくつも登場していたとはなあ・・・・
それと「銃弾の謎」、これは見事でした!鵜飼の推理もそうですが、もうひとつ大きなモノを
「吹き飛ばす」ためにやったんですねえ。こちらは砂川警部が見抜きました。
個人的には十乗寺家のさくらさんが好きです(w
どこまで世間に疎いんだよ・・・
密室の鍵貸します [東川篤哉]
東川篤哉さんの長編第一弾。
解説は有栖川有栖さんです。
有栖川さんは「飄々としたユーモア」と評されてますが、まさに言い得て妙。
「烏賊川市」なる怪しげな場所が舞台で、
出てくる人物もどこかおかしな人ばかり・・・
しかし本格ミステリとしては十分秀作。
ビデオを利用したアリバイトリックや、殺人の動機などよく練られている
と感じました。
主人公の戸村流平、その義理の兄である鵜飼杜夫が事件を追う一方、
警察の砂川警部と志木刑事からの目線でも事件を追うという二つの
視覚があったのはおもしろかったです。
あいかわらず警察はお間抜けかと思いきや、最後にどかんと
名推理を発揮してくれました(笑)
戸村、鵜飼のシリーズはまだまだ続くようですが、
はたして、この二人が「探偵役」なのかどうか
今後も楽しみです。