鏡の迷宮、白い蝶 [谷原秋桜子]
しばらく更新が止まってました。
ちょっと体調を完璧に崩してしまい、
もう治らないんじゃないかと思ってました(苦笑
まだ全く本調子ではありませんが、
いちおうそこそこ動けるので、
メールやら何やらのためPCを起動させました。
さてず~っと寝ている訳にもいかず、
本も読んだりしてたので、その一冊を。
今日の相棒も感想は見合わせ。
さて谷原秋桜子さんの<美波の事件簿>シリーズ前日譚。
本作には5編収録で、修矢・かのこ編と美波・直海編とに分かれています。
本書は発売日に購入したのですが、
ずるずるときてしまい、年越ししてしまいました。
いわゆる積ん読状態でした・・・
さて本作オススメはなんといっても「イタリア国旗の食卓」
これは見事。
なぜ特定の人物に毒物(?)が入った料理が置かれたのか?
よくあるシチュエーションかもしれませんが、
非常に良くできたトリック・ロジックだと思います。
もう1つは「二つの真実」
これは<美波の事件簿>本編へと繋がる重要な話。
名探偵の水島のじいちゃんがいまだ見習い?の修矢に話す
直海と「小蝶の夢」の蝶子と直海・祖母梅の関係、そして本編ヒロイン美波の事、
そして修矢が看破する西園寺家と水島のじいちゃんの関係。
じいちゃん自身が語る自らの<寿命>・・・
とてももの悲しく、寂寥感ただよう話ですが、
もはやこればかりはどうしようもない・・・
できうれば本シリーズにて水島のじいちゃんの探偵譚が
「回想」なんていう形で読めれば良いですねえ・・・
ちょっと体調を完璧に崩してしまい、
もう治らないんじゃないかと思ってました(苦笑
まだ全く本調子ではありませんが、
いちおうそこそこ動けるので、
メールやら何やらのためPCを起動させました。
さてず~っと寝ている訳にもいかず、
本も読んだりしてたので、その一冊を。
今日の相棒も感想は見合わせ。
さて谷原秋桜子さんの<美波の事件簿>シリーズ前日譚。
本作には5編収録で、修矢・かのこ編と美波・直海編とに分かれています。
本書は発売日に購入したのですが、
ずるずるときてしまい、年越ししてしまいました。
いわゆる積ん読状態でした・・・
さて本作オススメはなんといっても「イタリア国旗の食卓」
これは見事。
なぜ特定の人物に毒物(?)が入った料理が置かれたのか?
よくあるシチュエーションかもしれませんが、
非常に良くできたトリック・ロジックだと思います。
もう1つは「二つの真実」
これは<美波の事件簿>本編へと繋がる重要な話。
名探偵の水島のじいちゃんがいまだ見習い?の修矢に話す
直海と「小蝶の夢」の蝶子と直海・祖母梅の関係、そして本編ヒロイン美波の事、
そして修矢が看破する西園寺家と水島のじいちゃんの関係。
じいちゃん自身が語る自らの<寿命>・・・
とてももの悲しく、寂寥感ただよう話ですが、
もはやこればかりはどうしようもない・・・
できうれば本シリーズにて水島のじいちゃんの探偵譚が
「回想」なんていう形で読めれば良いですねえ・・・
砂の城の殺人 [谷原秋桜子]
<激アルバイター美波の事件簿>第3弾。
本作は創元推理文庫からの書き下ろし新作長編です。
相変わらずひょんな事から武熊さんのバイトを
代わりに引き受けた美波。
今度のバイトは廃墟専門カメラマンの撮影助手。
ひょんなことから直海とともに向かうことになった
カメラマン阿賀野瑞姫の実家に向かう。
そこでなんとミイラに遭遇!
崩れ落ちそうな廃墟<砂の城>で次々に起こる事件・・・
外部から閉ざされた状態で、美波どうなる?
直海とケンゾウが事件に挑む(笑
本作は<廃墟>といういわゆる「嵐の山荘」モノとなっています。
しかも登場人物はたった5人(+ケンゾウ1匹)
そのうち2人は死亡という状況・・・
しかし読者には途中名前だけが出てくる
宇賀神家の末弟が明らかに怪しいということは
なんとなくわかるはずなのですな。
しかし・・・
その後に迎える「意外な犯人」までは予想外。
これにはケンゾウが大活躍を見せるわけですが、
それは読んでみてください。
彼は天才だ(笑
修矢も最後の最後に再び登場し、
かのこに任せていた事件の本当の真相を語ります。
しかし作者の谷原さん、密室や物理トリックとでも言えばいいのか、
すごくこだわっているんだなあと感じます。
本作でも宇賀神静子が突如消えたという<密室>の謎や
その後起こった伸二殺害の方法など、
図解がないと結構難しいなと個人的に思ってます(笑
(これは前作にも言えることですね。)
さて本作では美波の父親の行方がついに明らかに!
修矢が残された手がかりから見事に推理しました。
さらにはかのこの強大な(笑)バックアップもあり。
今回のバイトで美波は往復の航空券分の
バイト代は貯まったようですし。
次回、いよいよ海外編がスタートか?
本作は創元推理文庫からの書き下ろし新作長編です。
相変わらずひょんな事から武熊さんのバイトを
代わりに引き受けた美波。
今度のバイトは廃墟専門カメラマンの撮影助手。
ひょんなことから直海とともに向かうことになった
カメラマン阿賀野瑞姫の実家に向かう。
そこでなんとミイラに遭遇!
崩れ落ちそうな廃墟<砂の城>で次々に起こる事件・・・
外部から閉ざされた状態で、美波どうなる?
直海とケンゾウが事件に挑む(笑
本作は<廃墟>といういわゆる「嵐の山荘」モノとなっています。
しかも登場人物はたった5人(+ケンゾウ1匹)
そのうち2人は死亡という状況・・・
しかし読者には途中名前だけが出てくる
宇賀神家の末弟が明らかに怪しいということは
なんとなくわかるはずなのですな。
しかし・・・
その後に迎える「意外な犯人」までは予想外。
これにはケンゾウが大活躍を見せるわけですが、
それは読んでみてください。
彼は天才だ(笑
修矢も最後の最後に再び登場し、
かのこに任せていた事件の本当の真相を語ります。
しかし作者の谷原さん、密室や物理トリックとでも言えばいいのか、
すごくこだわっているんだなあと感じます。
本作でも宇賀神静子が突如消えたという<密室>の謎や
その後起こった伸二殺害の方法など、
図解がないと結構難しいなと個人的に思ってます(笑
(これは前作にも言えることですね。)
さて本作では美波の父親の行方がついに明らかに!
修矢が残された手がかりから見事に推理しました。
さらにはかのこの強大な(笑)バックアップもあり。
今回のバイトで美波は往復の航空券分の
バイト代は貯まったようですし。
次回、いよいよ海外編がスタートか?
龍の館の秘密 [谷原秋桜子]
<激アルバイター美波の事件簿>第2弾。
今回はなんと托鉢のバイトをやることに!
未成年なのにお酒まで飲んじゃいまして(苦笑
なんといつのまにか京都へ・・・
今回は前作ほどの驚きはありませんでしたが、
物語としては和みましたねえ。
主人公美波は行動力はあるんですが、
どうも頼りないし、鈍感で、災難ばかりに
巻き込まれて・・・
しかしそんな主人公を守るように
江戸っ子の直海やちょっと変わっている
けれど友人のためには一生懸命なかのこ、
時には西園寺家の権力も使います!
さらに喧嘩ばかりしつつも
なんだかんだと気にかけ、
美波の危機を救う探偵役の修矢。
そしてその飼い猫で三毛猫ホームズに
比肩する頭脳を持つ(?)ケンゾウ。
こうした人たちに支えられて
主人公・美波はなんとか今回も
無事を迎えられているわけですねえ。
ちなみに本作では修矢と美波の
関係が一歩進展(?)しています。
ちょっとしたラブストーリーに。
本書には未発表短編「善人だらけの街」
も収載。
善人だらけの意味が秀逸。
思わず笑った。
東京創元社から出ている「ミステリーズ!」Vol.38
からいよいよ美波の事件簿連載が再開されるとか。
これからもますます楽しみです。
今回はなんと托鉢のバイトをやることに!
未成年なのにお酒まで飲んじゃいまして(苦笑
なんといつのまにか京都へ・・・
今回は前作ほどの驚きはありませんでしたが、
物語としては和みましたねえ。
主人公美波は行動力はあるんですが、
どうも頼りないし、鈍感で、災難ばかりに
巻き込まれて・・・
しかしそんな主人公を守るように
江戸っ子の直海やちょっと変わっている
けれど友人のためには一生懸命なかのこ、
時には西園寺家の権力も使います!
さらに喧嘩ばかりしつつも
なんだかんだと気にかけ、
美波の危機を救う探偵役の修矢。
そしてその飼い猫で三毛猫ホームズに
比肩する頭脳を持つ(?)ケンゾウ。
こうした人たちに支えられて
主人公・美波はなんとか今回も
無事を迎えられているわけですねえ。
ちなみに本作では修矢と美波の
関係が一歩進展(?)しています。
ちょっとしたラブストーリーに。
本書には未発表短編「善人だらけの街」
も収載。
善人だらけの意味が秀逸。
思わず笑った。
東京創元社から出ている「ミステリーズ!」Vol.38
からいよいよ美波の事件簿連載が再開されるとか。
これからもますます楽しみです。
天使が開けた密室 [谷原秋桜子]
前に予告(?)したように、谷原さんの
<美波の事件簿>シリーズ第1弾を読みました。
今年読んだモノの中でも、
ベスト5にははいるであろう作品でした。
以下、ネタバレ。
本作はタイトルに「密室」とありますが、
その謎よりもやはり「意外な犯人」でしょう。
これは本当に意外だった。
驚きました。
この感動を誰かに伝えたいくらいに(笑
「密室」については、
物理的密室と内面的密室(人の「心」)の
2つの密室が登場します。
後者の密室については、
本書のタイトルと意味深なプロローグ、
この2つが最後まで読むことで、
見事にその意味がリンクするのですねえ。
天使とは?その密室とは?
プロローグを語っている人物とは?
謎が一気に明らかになる爽快感もありますが、
本当によくできています。
主人公の美波は本当にエライ。
このバイトは僕にはできませんよ・・・
なんか泣いてばかりでしたが、
これは仕方がない。
「手焼き煎餅の密室」では寡黙な高校生
だった藤代修矢が、
本作では大学生に。
「手焼き煎餅~」の頃と
全く変わってしまっていて
驚きました。
水島のじいちゃんから
探偵作法を学んだか?
本書には「たった、二十九分間の誘拐」
という短編も収載。
こっちの修矢の方が好感持てます(笑
<美波の事件簿>シリーズ第1弾を読みました。
今年読んだモノの中でも、
ベスト5にははいるであろう作品でした。
以下、ネタバレ。
本作はタイトルに「密室」とありますが、
その謎よりもやはり「意外な犯人」でしょう。
これは本当に意外だった。
驚きました。
この感動を誰かに伝えたいくらいに(笑
「密室」については、
物理的密室と内面的密室(人の「心」)の
2つの密室が登場します。
後者の密室については、
本書のタイトルと意味深なプロローグ、
この2つが最後まで読むことで、
見事にその意味がリンクするのですねえ。
天使とは?その密室とは?
プロローグを語っている人物とは?
謎が一気に明らかになる爽快感もありますが、
本当によくできています。
主人公の美波は本当にエライ。
このバイトは僕にはできませんよ・・・
なんか泣いてばかりでしたが、
これは仕方がない。
「手焼き煎餅の密室」では寡黙な高校生
だった藤代修矢が、
本作では大学生に。
「手焼き煎餅~」の頃と
全く変わってしまっていて
驚きました。
水島のじいちゃんから
探偵作法を学んだか?
本書には「たった、二十九分間の誘拐」
という短編も収載。
こっちの修矢の方が好感持てます(笑
手焼き煎餅の密室 [谷原秋桜子]
谷原秋桜子さんの著作を読むのは初めてです。
これも読書の秋特集ならでは(笑
さて本作はすでに創元推理文庫(初出は富士見ミステリー文庫)
から刊行されている<激アルバイター美波の事件簿>前日譚。
解説にて<美波の事件簿>レギュラーキャラクター
や背景などが詳しく説明されており、
また前日譚ということもあり、
本シリーズを未読な僕でも
フツーに楽しめました。
本作には5編(4+1編)の作品が収載されています。
最後の「そして、もう一人」はもう一人のレギュラー
キャラクターの為に書かれた書き下ろし。
かつ作中作のような体裁をとっています。
猫丸先輩の「日曜の夜は出たくない」
を思い出しました。
以下少しネタバレ。
収載作品オススメは「回る寿司」
激安回転寿司の謎が明らかになります(笑
それは冗談ですが、
しゃりを残す老人客、クレームをつける客
クビになった武熊さん・・・
水島老人の推理が冴えに冴えた一編といえます。
「熊の面、翁の面」は
母親がお面をしていた理由が漠然とでしか
描かれていませんが、真相はわかりません。
さてこの連作短編集を読んで、
本編<美波の事件簿>を読みたくなるのは
至極当然の流れかと(笑
本作では水島老人の推理に驚かされっぱなしの
藤代修矢が探偵役のようですが、
その成長ぶりもぜひとも拝見(拝読)したいものです。
これも読書の秋特集ならでは(笑
さて本作はすでに創元推理文庫(初出は富士見ミステリー文庫)
から刊行されている<激アルバイター美波の事件簿>前日譚。
解説にて<美波の事件簿>レギュラーキャラクター
や背景などが詳しく説明されており、
また前日譚ということもあり、
本シリーズを未読な僕でも
フツーに楽しめました。
本作には5編(4+1編)の作品が収載されています。
最後の「そして、もう一人」はもう一人のレギュラー
キャラクターの為に書かれた書き下ろし。
かつ作中作のような体裁をとっています。
猫丸先輩の「日曜の夜は出たくない」
を思い出しました。
以下少しネタバレ。
収載作品オススメは「回る寿司」
激安回転寿司の謎が明らかになります(笑
それは冗談ですが、
しゃりを残す老人客、クレームをつける客
クビになった武熊さん・・・
水島老人の推理が冴えに冴えた一編といえます。
「熊の面、翁の面」は
母親がお面をしていた理由が漠然とでしか
描かれていませんが、真相はわかりません。
さてこの連作短編集を読んで、
本編<美波の事件簿>を読みたくなるのは
至極当然の流れかと(笑
本作では水島老人の推理に驚かされっぱなしの
藤代修矢が探偵役のようですが、
その成長ぶりもぜひとも拝見(拝読)したいものです。