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東尋坊マジック [二階堂黎人]

水乃サトル<社会人編>シリーズ文庫本では最新作。
まずはAmazonさんの紹介ページから。

旅行代理店勤務の名探偵・水乃サトルは、女性部下の由加理と東尋坊で銃殺事件に遭遇。
犯人は姿をくらました。東尋坊事件に臨むサトルと馬田警部の前に、新たな猟奇事件が立ちはだかった。
過去20年にわたり、女性を手にかけてきた絞殺魔が、四番目の犯行を起こしたのだ。
常人離れしたサトルの推理力で、20年以上も不明だった事件の真相は突き止められるのか!?

前作「鬼蟻村マジック」になぜか美並由加理が登場せずでしたので、
久しぶりに由加里視点からの物語。
観光ツアーの下見に来ていて殺人事件に巻き込まれたサトルが
20年前に発生した<冥妖星>事件の謎をも解き明かす。

東尋坊での事件はイラスト入りのトリック解説で、気合が入ってます。
物語の中では「軽井沢マジック」の事もふられたりしていて、
シリーズもずいぶんと続いているなあと思ったり。

ところで前も書いたかもしれませんが、
水乃サトルは奇想天外な行動や膨大すぎる知識と、完全に変人なのですが、
やはりどこか浅見光彦を思い起こさせるんですよね。

本作ではラストにある驚愕の事実が明らかにされ、
シリーズの分岐点になるのではないかと思います。

それと本格ミステリとしてみた場合、
社会人編よりも学生編のサトルの方がより本格の色合いが強いとも
感じました。
奇跡島の不思議や宇宙神の不思議などはかなり本格色が強く、
デビュー作・奇跡島は絶海の孤島にイカダで登場するという奇抜
な登場でしたしね。

学生編の続編も待ち遠しい。


東尋坊マジック (実業之日本社文庫)

東尋坊マジック (実業之日本社文庫)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2014/12/05
  • メディア: 文庫



東尋坊マジック

東尋坊マジック

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 実業之日本社
  • 発売日: 2011/08/18
  • メディア: 単行本



誘拐犯の不思議 [二階堂黎人]

水乃サトル学生編の最新刊。
そしてワトソン役(?)のシオンも再び登場!
まずはAmazonさんの紹介ページから。

「心霊写真家」が取り出した三枚の写真。それを見た二之宮彩子は、
十ヵ月前に自らが誘拐された事件の顛末を語り始める。写真に写る男が、犯人の一人だというのだ。
彼女は無事救出されたが、身代金は消え、事件は未解決のまま。
捜査に乗り出した彩子の恋人・水乃サトルの前に、完璧に構築されたアリバイが立ちはだかる。
名探偵と誘拐犯の息づまる対決。長編本格推理。

トリックについては、なんとなく予想が付くのではないかと思います。
犯人側の行動が少しあからさまに感じましたね。

ただそれを「特殊相対性理論的推理法」によって見破ったサトルはさすがの一言。
一見意味不明な推理方法ですが、実はちゃんと意味があるのです。

後は「心霊写真家」上祐レイが不気味でしたねえ。
今回も彼から手渡された写真から物語は始まりましたし。
最後、再び彼はサトルに対して「写真」を提示し挑戦してきました。
この後日談は語られるんだろうか?

短編集「名探偵水乃サトルの大冒険」や所収作品や「宇宙神の不思議」など、
サトルものにはオカルト的要素が入った作品が多くありますが、
それを合理的に解いていくのがサトルの役割。
今回もそれに当てはまります。
だから、いっそうこの上祐の挑戦状はぜひ後日談を書いて貰いたいなあと
思っているんですよね。


誘拐犯の不思議 (光文社文庫)

誘拐犯の不思議 (光文社文庫)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2013/01/10
  • メディア: 文庫



鬼蟻村マジック [二階堂黎人]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

会社の先輩・臼田竹美に、実家で婚約者のふりをしてほしいと頼まれた水乃サトルは、
長野県の北端にある寒村・鬼蟻村を訪れ、連続殺人事件に巻き込まれる。
村に残る鬼伝説と昭和13年に起きた不可思議な密室からの犯人消失事件の謎も含め、
すべての真相を明らかにすべく、サトルの頭脳はフル回転を始める。

序章として「上鬼頭家の歴史」が語られますが、
サトルが興奮するのも納得の横溝正史ワールド!
まさに『犬神家の一族』な世界なんですよね。
さらに鬼頭という名から『獄門島』も彷彿とさせてくれる、
二階堂先生による横溝正史へのオマージュ作品かと思いました。

本作品は衆人環視の中、どうやって毒が混入されたのか?
というのが一つの大きな謎になりますが、
これはサトルが見事に解き明かします。

しかしサトルとしては最後の最後で詰めが甘かったなあと
個人的な感想。
動機そのものを「関係者を集めた場所で」看破できなかった事よりも、
最後の殺人は防げたんじゃないかなあと思いました。

動機については、「犬神家」よりも遙かにわかりやすい。
サトルが、村や鬼頭家の因習や風習、そして犯人の性格をよく観察し見抜いた
のはまさに見事でしたねえ。

前作の「智天使の不思議」がサトルに対してガッカリ感(笑)が
あったので、本作は最後ミスをしましたが、それでも楽しめました。

美並さんが出てこなかったのが残念でしたね。
後は表紙がミステリーリーグの時の方が良かった。


鬼蟻村マジック (文春文庫)

鬼蟻村マジック (文春文庫)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2012/06/08
  • メディア: 文庫



智天使の不思議 [二階堂黎人]

いやいや、しばらく更新が止まりました。
別件がすごく忙しくて、更新できませんでした。

さて水乃サトルシリーズ文庫版の最新作。
本作はシリーズ初の倒叙小説であり、かつ
「不思議」から「マジック」へと、
サトル学生編から社会人編へとなんと物語が進行する作品です。
以下、ややネタバレ。






本作は本格ミステリとしてはおそらく相当良い出来だと思います。
メイントリック、というよりもトリックはたった1つなのですが、
これが余りにも見事すぎて、全員が騙されてしまいます。

ただそれを解くヒントは実は物語の中に常に散りばめられているのです。
ここも本当に素晴らしかった。
なぜ杉森は「アレ」が頭の中で唄うのか?

さてここからはミステリでなく感想を(笑
本作は水乃サトルシリーズとしてはあまりにも不甲斐ない。
学生サトルは彼女が犯人であると推理しながらも、
結局はその謎を解けませんでした。

そして社会人サトルはパーティで彼女に会うのですが、
そこでも仕事の話のみ。
「真実は、意外に簡単な所にあるという実例だよね」などと
語ってる割には、なぜ謎を解けなかったんだ!!とこっちが怒り心頭です(笑

その意味で本作の真の探偵は編集者の長山潤でしょう。
彼の執念はすさまじいものがありますが、
彼が居なければ、サトルの推理も完成しませんでした。

しかし結果的には完全に追い詰める事は出来なかったわけですね・・・
サトルは完敗といって良いと思います。

そして最後にサトルはある驚愕の推理を披露しますが、
それは読者の誰もが不思議に思う、杉森の絶対的なまでの服従(「献身」)が、
何に拠るのかを明らかにしています。

それにしても、これほど手強く、そして結果名探偵が敗北してしまう
解説にもあるように「名犯人」小説はなかなかありません。
未読の方は、ぜひ読んで下さい。


智天使の不思議 (光文社文庫)

智天使の不思議 (光文社文庫)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2012/03/13
  • メディア: 文庫



カーの復讐 [二階堂黎人]

「びっくり館の殺人」同様、『ミステリーランド』から
刊行された叢書の一冊。

さてルブラン好き、ルパン好きの方には
大変申し訳ないのですが、
これまでルパンものはほとんど読んだ事がありません。
たぶん青い鳥文庫でしたか、それで出ていた「ルパン対ホームズ」
くらいではないかと記憶してます。

ホームズもポワロも小学生から読んでいたのですが、
ルパンはどうも記憶がない。
というのも薦められて読んだのですが、
借りた本が普通に一般の大人向けのもので、
ジュブナイルになっていなかったものだったんですよねえ。
まあ普通に考えれば青い鳥文庫とかのを
借りればよかったのですが、
それをなぜしなかったのか非常に悔やまれます。
あれ以来ルパンものを手にする事はなかったですねえ。

さて二階堂さんが描くルパンですが、
非常におもしろく読めました。
絶対に不可能に思われる密室。
消えたミイラ。目撃されるミイラ男。
これらの謎に敢然と立ち向かうルパン。
そしてわすれちゃならない、お宝もゲットします。

あれだけの活躍を魅せたのがルパンだと
なぜ公安部長は気付かないのか?(笑

『ミステリーランド』叢書、講談社文庫に
次々と収録してもらいたいですね。


カーの復讐 (ミステリーランド)

カーの復讐 (ミステリーランド)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2005/11/25
  • メディア: 単行本



カーの復讐 (講談社文庫)

カーの復讐 (講談社文庫)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2010/11/12
  • メディア: 文庫



永遠の館の殺人 [二階堂黎人]

ついにキタ━━━ヽ(∀゚ )人(゚∀゚)人( ゚∀)ノ━━━!!
「キラーエックス」シリーズ最後を飾る本作。
黒田研二×二階堂黎人の共作もしばらくは読むことはできないとなると悲しいものです。

さて本作も前作と同じくとあるスキー場が舞台。
遭難してしまった主人公たちは山奥に建てられたとある館に助けを求めます。
しかしそこの館に住む人たちは何かを隠して暮らしている・・・
そして起こる連続殺人、死体消失の謎。
同時に描かれる「キラーエックス」の犯行・・・
はたしてキラーエックスの正体とは?
以下ネタバレ。

すでに正体は我々にはわかっているわけですが、
彼女がなぜ殺人鬼となったのか、それが本作で明らかにされます。
今回も名探偵は登場、しかし彼女もまた殺人鬼だったのですがね。

キラーエックスの犯行はここ2年ほど見られなかったと書かれていますが、
実際には昨年おこった<千年岳>事件も彼女の仕業。
しかしあの状況でよく彼女は生きていたなと思います。

第一作「Killer X」で見事な推理を見せた本郷大輔、彼は彼女の存在の危険さに
気づいていたものの、突き落とし魔として逮捕されました。

第二作「千年岳の殺人鬼」でも最後まで残った柳倭文子も彼女の犯行を暴いたものの
行方不明に。

本作では過去と現在の事件が描かれ、我々に叙述トリックをしかけた見事さも
ありますが、結局彼女の動機や正体ははっきりしたものの、
そこで物語は終了しています。

続編、無いとは思いますが、期待してしまいますね。
黒田研二さん、講談社文庫で新作を書いてほしいですねえ。


永遠の館の殺人―長編推理小説 (光文社文庫 (く12-3))

永遠の館の殺人―長編推理小説 (光文社文庫 (く12-3))

  • 作者: 黒田 研二
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2009/01/08
  • メディア: 文庫



Killer X キラー・エックス (光文社文庫)

Killer X キラー・エックス (光文社文庫)

  • 作者: 黒田 研二
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 文庫



千年岳の殺人鬼 (光文社文庫)

千年岳の殺人鬼 (光文社文庫)

  • 作者: 黒田 研二
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/02/08
  • メディア: 文庫



稀覯人の不思議 [二階堂黎人]

水乃サトルシリーズ、学生編第3弾!
「奇跡島」、「宇宙神」に続く待望の第三弾ですねえ。
以下、ネタバレ。

本書はこれまでの学生編、ひいては水乃サトルシリーズとは一線を画した異色作といえるでしょう。
もちろん水乃サトルの相変わらずっぷりは(笑)健在ですが。
大きな違いは、学生編ではワトソン役ともいえるシオンが不在なのですね。
そして今回は手塚治虫をこよなく愛するサークル<大都会>のメンバーが登場し、
古本、特に稀覯本、ひいては希少本を巡る殺人事件にサトルは挑むことになります。

全編にわたって手塚治虫ファンにはたまらない一作と言っても過言ではありません。
多くの手塚作品、そして稀覯本、古書マニアなどなど・・・もうトリビアから
様々な知識が散りばめられています。

そこに古書をめぐる殺人が発生し、<大都会>メンバーであるサトルが登場するわけです。
ちなみに、このサトルは事件が起きた当初、どうやらゴムボートで日本海を横断している最中でした(笑
そして本書内でも語られますが、アノ奇跡島の事件に遭遇していたのです。
時系列から言うと、奇跡島→稀覯本→宇宙神となるんですかね。

本書のトリックは見事だと個人的には思いました。
「アリス・ミラー城」でも触れましたが、探偵が興味を抱く密室トリックを逆手に取った
ある種の心理トリックでサトルも見事に騙されてしまいました。
蓋をあけてみると「な~んだ」と思う方もいるかもしれませんが、
盲点をうまくついているなあと思います。

さて本書のエピローグでサトルが所属している、そして社会人編にも登場する馬田権之助警部補
も所属していた<警官制服愛好会>の初代会長が登場します(笑
なぜアノ人はサトルに非常に好意的だったのか?
その謎が解けるわけですね。

さて、二階堂さんのホームページによれば今年、来年と「智天使の不思議」、「仮面王の不思議」
と学生編が執筆されているようです。
タイトルからしてすでに楽しみなのでぜひぜひ早く読みたいものです。

ま、その前に黒田研二さんとの共作「キラーX」三部作最終作を文庫化してもらいたいんですけどねえ。


稀覯人の不思議 (光文社文庫 に 18-6)

稀覯人の不思議 (光文社文庫 に 18-6)

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2008/10/09
  • メディア: 文庫



白銀荘の殺人鬼 [二階堂黎人]

雪の山荘、外界とは閉ざされた空間、そこに居る殺人鬼・・・
まさに定番中の定番を舞台に繰り広げられる事件。

主人公は多重人格の立川順一、あくまで彼はメインの人格なだけで、
「美奈子」が本作の主人公です。
スキー旅行で多くの殺人を行い、順一という人格を殺す、それが彼女たちの目的です。

あくまでも「美奈子」の視点で描かれるので、彼女以外の人格が出ているときは我々にも
その行為はわかりません。
しかし彼女以外の人格は彼女にメッセージを残しています。
それが我々にとっても事件を解く大きな鍵となっているんですが・・・

多くの伏線が張り巡らされ、そのエピローグを読んだときは思わず「あっ!」と思ってしまいました。
物語の核心であるトリックは他の作品でも見られますが、
それを見抜くことができるかどうか、それは我々読者に委ねられているわけです。

本当の真相を知ることが出来たのは実は殺人鬼でなく、読者だけ、なんですねえ。
読み応えある作品でした。

白銀荘の殺人鬼 (光文社文庫)

白銀荘の殺人鬼 (光文社文庫)

  • 作者: 愛川 晶, 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2004/02/10
  • メディア: 文庫


千年岳の殺人鬼 [二階堂黎人]

<キラーエックス>シリーズ三部作第二弾。
今回は団体のスキー客を殺人鬼<キラーエックス>が襲いかかります。

本作で最も重要なのは「ANOTHER SIDE」の話。
なぜ彼らは殺されなければならなかったのか?その謎が全てここに入っています。
そしてもうひとつの<キラーエックス>による連続ホテトル嬢殺人事件も並行して進行します。
つまり、こんかいは3つの話が複雑に絡まりあい、そして最後には・・・

今回も前作同様見事なまでの叙述トリックが使われています。
そして前作に登場したあの人物も・・・

スキー板の色を選ばせるトリックは非常に素晴らしいものでした。
いやあ、おもしろかったです。

しかし本作はあくまで三部作。完結編が気になって気になってしかたありません・・・(泣
いったいどうなるのだろうか?
はやく光文社文庫から出してほしい!

千年岳の殺人鬼

千年岳の殺人鬼

  • 作者: 黒田 研二, 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2007/02/08
  • メディア: 文庫


Killer X<キラーエックス> [二階堂黎人]

久々にミステリを読んで興奮しました(笑・変な意味ではないです!)
早く先を読みたい!その一心で一気に読み進めてしまいました。

本書は<キラーエックス>と呼ばれるキャラクター商品が出回っている世界を舞台とし、
登場人物も共通しているといういわゆる<キラーエックス>シリーズ三部作第一弾。

「吹雪の山荘」という設定は本格ミステリでは珍しくありませんが、
本書はその設定よりも、やはり内容が濃い!

学生時代の恩師からその別荘「深雪荘」に呼ばれた同窓生。そこでは
<キラーエックス>と呼ばれる人形もたくさんあり、また奇妙な事が次々と起こる・・・
「招待状」を出したのは一体誰なのか。そして次々と起こる殺人・・・
はたして犯人は?!

そしてもう一つの事件が同時に進行する。全く別の所で起こる無差別連続殺傷事件。
「連続突き落とし魔」と呼ばれた犯人を追う刑事たち。

この二つの事件の関連は一体・・・?

さて、本書にはいくつものトリックが散りばめられています。
それがあまりに鮮やか、そして次々と起こるどんでん返し!
最後の最後に怒濤の展開が待っています!!

あえて少しネタバレをするなら、綾辻行人さんの「迷路館の殺人」
そして東野圭吾さんの「悪意」
この二つのミステリに用いられたトリックが少し関係している・・・かも。

しかし最後の最後、個人的には真相は一体何であったのか?それが
わからなくなってしまいました。
難しい・・・いや、書いてあるあのままなのか・・・

それにしてもこれほどおもしろいと思ったミステリは久々。
クローズド・サークルという設定ではなく、その見事なまでのトリックには
見事に騙されました。
三部作二作目もすでに文庫化。早速読みたいと思います。

PS:本書はあくまで主人公・本郷大輔の「日記」です。これが大きなヒントです。

Killer X キラー・エックス

Killer X キラー・エックス

  • 作者: 二階堂 黎人, 黒田 研二, 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2006/01
  • メディア: 文庫


猪苗代マジック [二階堂黎人]

水乃サトルシリーズ<青年編>文庫初登場です。
今回は社会派の要素も取り入れられています。

帯には密室+アリバイ崩し+犯人当てとの文字が。
確かに密室やアリバイを崩していくサトルの推理は見事です。

だがしかし、この小説最大のトリックは「叙述トリック」ではないかと。
途中、「あれ?」と思う様な表現がいくつか確かに見られたんですよねえ。
最後にそれがわかるわけですが、あれで終わり???と
思わず落丁かと思ってしまいました。
「動機には興味がない」かつてサトルが言っていた言葉を思い出します。

トリックとしては綾辻行人さんの「迷路館の殺人」
が思い出されました。
あれも見事でした。

水乃サトルシリーズ、この後は再び<学生編>が刊行かなあ。
ちなみに今作では捜査に参加したいがため、相変わらずサトルのわがまま
が飛び出し、権力を使いまくります(笑
美並さんが前作より目立ってなかったのが個人的には惜しいですね。

猪苗代マジック

猪苗代マジック

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2006/11
  • メディア: 文庫


軽井沢マジック/諏訪湖マジック [二階堂黎人]

とある発売予定表によれば、来月「猪苗代マジック」が
文庫で発売!
ということで、今回は水乃サトル・青年編の二つの事件を。

個人的におすすめは「諏訪湖マジック」
トラベル・ミステリーの雰囲気がかなりしていますが、
実際はそんなことはありません。
まさに本格。トリックも見事で、「なるほど~」と思ってしまいました。
もちろん、彼ならではの迷推理も披露。

さて、このシリーズは学生編もありますが、
学生編のワトソン役・シオンが青年編に登場するなんて
ことはあるのかなあと、ふと思いました。
まあ、まだまだシリーズが続くはず、なので、
ひょっとしたらそういうことがあるのかもしれませんねえ。

諏訪湖マジック

諏訪湖マジック

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2002/10
  • メディア: 文庫


名探偵水乃サトルの大冒険 [二階堂黎人]

表紙がいかにも美男子ですが・・・
大学時代には数え切れないくらいのサークルに入り、
度を超した多趣味で、変人な水乃サトル。
以前書いた「奇跡島の不思議」は学生時代のお話ですが、
これはすでに28歳の水乃サトル。

4つの短編が収録されています。
おすすめは「ビールの家の冒険」
とある山中のログ・ハウスの中に大量の金ぴかのエビスビールがあった
という奇妙な謎から事件は始まります。
不可思議な謎から大きな事件に発展していくのはホームズ「赤髭連盟」や
あるいはポワロ「料理人の失踪」などが惹起されましたねえ(個人的に)

「空より来たる怪物」は「宇宙人の不思議」と似通った部分があって
ちょっとインパクトに欠けました。

本格好きな方には「『本陣殺人事件』の殺人」でしょうか。
「本陣殺人事件」を忠実に再現したテーマパークで本陣さながらの
殺人が起こります。これを見事に推理するサトル。
さらに、あの金田一耕助が推理した本陣の矛盾をズバズバ指摘
して、実は真犯人がいたのだと結論づけます。
う~ん、金田一さんはわざとミスリードしたのかもしれませんねえ(笑
あえてそう擁護したいと思います。

名探偵 水乃サトルの大冒険

名探偵 水乃サトルの大冒険

  • 作者: 二階堂 黎人
  • 出版社/メーカー: 講談社
  • 発売日: 2002/02
  • メディア: 文庫


奇跡島の不思議(ネタバレあり) [二階堂黎人]

二階堂黎人さんの水乃サトルシリーズ、学生編です。
二階堂さんのもう一つのシリーズは「人狼城の恐怖」など二階堂蘭子ですが、
こちらは私にはいささか重圧すぎで、未読です・・・
水乃サトルのほうは解説にもありますが、気軽に読める、それでもきちんと
本格ミステリ、でとても読みやすく、おもしろいです。

講談社文庫から出ている「名探偵水乃サトルの大冒険」
はどれも秀作。そしてそれぞれの作品があるミステリのオマージュとなってます。

さてこの奇跡島の不思議ですが、外界との連絡を絶たれ、孤島での連続殺人
が発生。一人また一人と殺害されていきます・・・
設定だけでもわくわくして、どんどん読み進めていきましたが、
解決がどうにも納得できません。
その場に居合わせず、話だけを聞いたサトルがあれだけの推理を構成できるのか
どうか??不思議でしかたありません。
次の作品である「宇宙神の不思議」はサトルの迷探偵ぶりも発揮されるので、
個人的にはこちらがおすすめ。


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