双蛇密室 [早坂吝]
まずはAmazonさんの紹介ページから。
本邦初トリックに唖然!
「蛇の悪夢」は「地と天の密室」に関わりが?
ミステリランキングを賑わす「らいちシリーズ」最強作!
援交する名探偵・上木らいちの「お客様」藍川刑事は
「二匹の蛇」の夢を事あるごとに見続けてきた。
幼い時に自宅で二匹の蛇に襲われたのが原因のようだが、
その裏に藍川の両親が関わった二つの密室事件が隠されていた。
らいちが突き止めた前代未聞の真相とは?
「本格」と「エロ」を絶妙に融合した人気シリーズ!
以下ネタバレを少し含みます。
今回はシリーズキャラクター、というか、らいちの援交相手である藍川刑事の
過去に迫る作品。
タイトルでどかんと銘打っているように、ずばり密室トリックです。しかも2つも。
2匹の蛇と2つの密室(天の密室と地の密室)が実にうまくリンクしています。
藍川刑事の夢に出てくる蛇も、実在の蛇とメタファーとしての蛇という、
密室と同じく2つの意味があるというのは、援交探偵というシリーズらしい、
うまさを感じました。
そして、2つある密室の、地の密室のトリックは、推理小説史上、前例のない
前代未聞のトリックであることは間違いありません。
このトリックも援交探偵というシリーズだからこそできたトリックとも言えます。
ただし、このトリック、あまりに飛び抜けすぎていて、見抜けるかどうかとかでなく、
実現可能なのかどうか・・・ここは評価が分かれそうです。
一方で、本作は藍川刑事にとってどうやら大きな転換になった物語であり、
ラストの1行が、シリーズ次作を早く読みたいという衝動に駆り立てます。
もっともあとがきを読むと、藍川刑事は登場はするみたいですが(笑
それでも、二人の関係性はどうなるのか気になるところです。
本邦初トリックに唖然!
「蛇の悪夢」は「地と天の密室」に関わりが?
ミステリランキングを賑わす「らいちシリーズ」最強作!
援交する名探偵・上木らいちの「お客様」藍川刑事は
「二匹の蛇」の夢を事あるごとに見続けてきた。
幼い時に自宅で二匹の蛇に襲われたのが原因のようだが、
その裏に藍川の両親が関わった二つの密室事件が隠されていた。
らいちが突き止めた前代未聞の真相とは?
「本格」と「エロ」を絶妙に融合した人気シリーズ!
以下ネタバレを少し含みます。
今回はシリーズキャラクター、というか、らいちの援交相手である藍川刑事の
過去に迫る作品。
タイトルでどかんと銘打っているように、ずばり密室トリックです。しかも2つも。
2匹の蛇と2つの密室(天の密室と地の密室)が実にうまくリンクしています。
藍川刑事の夢に出てくる蛇も、実在の蛇とメタファーとしての蛇という、
密室と同じく2つの意味があるというのは、援交探偵というシリーズらしい、
うまさを感じました。
そして、2つある密室の、地の密室のトリックは、推理小説史上、前例のない
前代未聞のトリックであることは間違いありません。
このトリックも援交探偵というシリーズだからこそできたトリックとも言えます。
ただし、このトリック、あまりに飛び抜けすぎていて、見抜けるかどうかとかでなく、
実現可能なのかどうか・・・ここは評価が分かれそうです。
一方で、本作は藍川刑事にとってどうやら大きな転換になった物語であり、
ラストの1行が、シリーズ次作を早く読みたいという衝動に駆り立てます。
もっともあとがきを読むと、藍川刑事は登場はするみたいですが(笑
それでも、二人の関係性はどうなるのか気になるところです。
誰も僕を裁けない [早坂吝]
まずはAmazonさんの紹介ページから。
「援交探偵」上木らいちの元に、名門企業の社長から「メイドとして雇いたい」という手紙が届く。
東京都にある異形の館には、社長夫妻と子供らがいたが、連続殺人が発生!
一方、埼玉県に住む高三の戸田公平は、資産家令嬢・埼(みさき)と出会い、互いに惹かれていく。
そして埼の家に深夜招かれた戸田は、ある理由から逮捕されてしまう。
法とは? 正義とは? 驚愕の真相まで一気読み!エロミスと社会派を融合させた渾身作!!
エロミスを定着させた早坂先生の功績は大きい。
上木らいちのエロさが伝わる文章がまた良いのです。
本作の舞台となる逆井邸。この図が登場するのですが、確かに異形の館。
で、らいちも言っているように、明らかに「回る」だろうと思われる館(笑)
この「回る」館を使ったトリックより、犯人がアノ最中に殺人をしていたことの方が
遥かに驚きました。
そして「上木らいち」と「戸田公平」という2人の視点で交互に語られる物語が
果たしてどんな繋がりなのかが、最後に明らかにされるのですが、
これが中々唸らせる結びつきです。
上記館の回るトリックは、実際には、殺人だけでなく、戸田公平の人生をも
左右するトリックだったことがわかります。
そしてこの結びつきこそ、作中でのらいちと推理作家をめざす一心の会話にあります。
「本格と社会派の融合」、「本格のルールが現実社会のルールをも浸食する」。
この台詞は、そっくりそのまま本作に当てはまります。
戸田公平の人生を変えた現実社会の法律というルールと、
戸田公平が経験したまさに本格ミステリさながらの殺人事件。
そしてそれが明らかになった時、本書のタイトルの真の意味も明かされるのです。
本格と社会派の融合、古くて新しい課題にエロを入れつつ、見事なアプローチで
完成させた傑作です。
「援交探偵」上木らいちの元に、名門企業の社長から「メイドとして雇いたい」という手紙が届く。
東京都にある異形の館には、社長夫妻と子供らがいたが、連続殺人が発生!
一方、埼玉県に住む高三の戸田公平は、資産家令嬢・埼(みさき)と出会い、互いに惹かれていく。
そして埼の家に深夜招かれた戸田は、ある理由から逮捕されてしまう。
法とは? 正義とは? 驚愕の真相まで一気読み!エロミスと社会派を融合させた渾身作!!
エロミスを定着させた早坂先生の功績は大きい。
上木らいちのエロさが伝わる文章がまた良いのです。
本作の舞台となる逆井邸。この図が登場するのですが、確かに異形の館。
で、らいちも言っているように、明らかに「回る」だろうと思われる館(笑)
この「回る」館を使ったトリックより、犯人がアノ最中に殺人をしていたことの方が
遥かに驚きました。
そして「上木らいち」と「戸田公平」という2人の視点で交互に語られる物語が
果たしてどんな繋がりなのかが、最後に明らかにされるのですが、
これが中々唸らせる結びつきです。
上記館の回るトリックは、実際には、殺人だけでなく、戸田公平の人生をも
左右するトリックだったことがわかります。
そしてこの結びつきこそ、作中でのらいちと推理作家をめざす一心の会話にあります。
「本格と社会派の融合」、「本格のルールが現実社会のルールをも浸食する」。
この台詞は、そっくりそのまま本作に当てはまります。
戸田公平の人生を変えた現実社会の法律というルールと、
戸田公平が経験したまさに本格ミステリさながらの殺人事件。
そしてそれが明らかになった時、本書のタイトルの真の意味も明かされるのです。
本格と社会派の融合、古くて新しい課題にエロを入れつつ、見事なアプローチで
完成させた傑作です。
虹の歯ブラシー上木らいち発散 [早坂吝]
まずはAmazonさんの紹介ページから。
『○○○○○○○○殺人事件』で鮮烈デビューした「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!
上木らいちは援交をする高校生で名探偵でもある。殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、
密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口
――数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、
本格ミステリは新たな扉を開く! さらにパワーアップした傑作短編集登場。
日本一エロい探偵とされる上木らいちの第2作にして、連作短編集。
オススメはやはりアリバイ崩しというど真ん中に、その暴き方がらいちらしい「紫」。
そして意外な犯人ならぬ意外な被害者というただ一点のみの「青」
「橙」から、上木らいちの過去の話が登場してきて、
「赤」では各話で太字になっていた箇所の意味と、ある種メタ的な作者による謎解き。
探偵の謎に迫っているようで、実はかなりふざけているようにも読めて、
この「赤」は賛否が分かれるところでしょう。
読んでいて、私はよくわかりませんでした。
しかし本シリーズはこの後も第4作目まで出ており、この上木らいちの正体に
改めて迫っているのかいないのか、そのあたりは読み所?な気がします。
『○○○○○○○○殺人事件』で鮮烈デビューした「奇才」による待望のメフィスト賞受賞第1作!
上木らいちは援交をする高校生で名探偵でもある。殺人現場に残された12枚の遺体のカラーコピー、
密室内で腕を切断され殺された教祖、隣人のストーカーによる盲点をつく手口
――数々の難事件を自由奔放に解決するらいち。その驚くべき秘密が明かされる時、
本格ミステリは新たな扉を開く! さらにパワーアップした傑作短編集登場。
日本一エロい探偵とされる上木らいちの第2作にして、連作短編集。
オススメはやはりアリバイ崩しというど真ん中に、その暴き方がらいちらしい「紫」。
そして意外な犯人ならぬ意外な被害者というただ一点のみの「青」
「橙」から、上木らいちの過去の話が登場してきて、
「赤」では各話で太字になっていた箇所の意味と、ある種メタ的な作者による謎解き。
探偵の謎に迫っているようで、実はかなりふざけているようにも読めて、
この「赤」は賛否が分かれるところでしょう。
読んでいて、私はよくわかりませんでした。
しかし本シリーズはこの後も第4作目まで出ており、この上木らいちの正体に
改めて迫っているのかいないのか、そのあたりは読み所?な気がします。
○○○○○○○○殺人事件 [早坂吝]
Amazonさんの紹介ページから。
アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。
赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。
さらには意図不明の密室が連続し……。果たして犯人は? そしてこの作品のタイトルとは?
「タイトル当て」でミステリランキングを席巻したネタバレ厳禁の第50回メフィスト賞受賞作
ノベルス版の表紙が印象的で(笑)
文庫版はどうなるのかなーと期待してましたが、案外と落ち着いてました。
初っ端から「読者への挑戦状」が入り、作者の煽りが強烈ですが、
このタイトル当て(ミステリとしては初めての試み?)に引っ張られすぎると
本書の犯人当てを見失ってしまう恐れがあります。
孤島での殺人、仮面を付けた登場人物、電話は不通に・・・etcと
これでもかとミステリの「ひな形」を持ってきている本書。
しかし一方で、南国モードとい、一見「厨二病」かと思うような記述が入り込み、
(読んでいてやや苦痛)
語られ始める主人公と成瀬の本格ミステリファンの話などなど。
途中で誰もが疑うある「トリック」について筆者自身が否定するのですが、
これこそが、作者の仕掛けたトリック。
タイトル当てに目を惹かれがちですが、本書の特徴は1つの大仕掛け?
なトリックで、まあバカミスでしょう(笑
私は一度しか読んでないのですが、これは叙述トリックに分類できるのかどうか・・・
どうなんでしょう。
アウトドアが趣味の公務員・沖らは、仮面の男・黒沼が所有する孤島での、夏休み恒例のオフ会へ。
赤毛の女子高生が初参加するなか、孤島に着いた翌日、メンバーの二人が失踪、続いて殺人事件が。
さらには意図不明の密室が連続し……。果たして犯人は? そしてこの作品のタイトルとは?
「タイトル当て」でミステリランキングを席巻したネタバレ厳禁の第50回メフィスト賞受賞作
ノベルス版の表紙が印象的で(笑)
文庫版はどうなるのかなーと期待してましたが、案外と落ち着いてました。
初っ端から「読者への挑戦状」が入り、作者の煽りが強烈ですが、
このタイトル当て(ミステリとしては初めての試み?)に引っ張られすぎると
本書の犯人当てを見失ってしまう恐れがあります。
孤島での殺人、仮面を付けた登場人物、電話は不通に・・・etcと
これでもかとミステリの「ひな形」を持ってきている本書。
しかし一方で、南国モードとい、一見「厨二病」かと思うような記述が入り込み、
(読んでいてやや苦痛)
語られ始める主人公と成瀬の本格ミステリファンの話などなど。
途中で誰もが疑うある「トリック」について筆者自身が否定するのですが、
これこそが、作者の仕掛けたトリック。
タイトル当てに目を惹かれがちですが、本書の特徴は1つの大仕掛け?
なトリックで、まあバカミスでしょう(笑
私は一度しか読んでないのですが、これは叙述トリックに分類できるのかどうか・・・
どうなんでしょう。