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仮装の時代 富士山麓殺人事件 [西村京太郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

この世には勝者と敗者しかいない。あらゆる策を弄して自分は勝者になる
―幼時に両親を失いアルバイト生活を送る早川吾郎は、新聞・テレビ界を牛耳る
“マスコミの帝王”五味大造を叩き潰すことを決意する。手始めに五味の愛娘・奈美子に近付き、
背後にうごめく疑惑を探ることに。手を変え品を変えて五味を罠にかける早川、
反撃に転じる五味。手に汗握る死闘の行方は!謎とサスペンス満載の傑作長篇!初期代表作!

本作はどういう作品になるのか、とても難しい作品です。
ググると、ピカレスク・ロマン(悪漢小説)と書かれています。

とにかく主人公の早川吾郎の野心がすごい。娘である奈美子への近づき方だけでなく、
五味大造に直接ケンカを売る場面なども中々大胆です。
しかし、五味も言うとおり、単なる負け犬の遠吠え的な面は自他ともに認識しており、
五味の弱みをどうにか掴もうとするところが、本書の分岐点でもあります。
正義感溢れる貴生知勝とのコンビが、驚愕のラストをもたらすことになるのですが、
果たしてこれは早川の望んだことだったのでしょうか?

一方で、早川・美奈子・江崎の三角関係も描かれていて、これがまた1つの物語に
なっています。特に、野心一筋の早川なのに、彼に微妙な揺れをもたらす恋や愛という
感情があるところが、早川という人物に少し人間味を感じます。

しかし、美奈子からの手紙で究極の選択をした早川が選んだ道が、
結果的には上記の驚愕のラストを迎えることになるのは、ある意味必然だったのでしょう。

西村御大の初期作品群は本当におもしろいものばかりです。
本書は全くしりませんでしたが、徳間文庫さんの復刊は本当に有り難い。
これからもどうぞ名作の復刊をお願いします。



仮装の時代 富士山麓殺人事件 (徳間文庫)

仮装の時代 富士山麓殺人事件 (徳間文庫)

  • 作者: 西村京太郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2019/12/06
  • メディア: 文庫



仮装の時代 (光文社文庫)

仮装の時代 (光文社文庫)

  • 作者: 西村 京太郎
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2020/02/16
  • メディア: 文庫



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コメント 5

コースケ

@ミックさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2020-02-20 20:17) 

コースケ

ストックン様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2020-02-20 20:18) 

コースケ

鉄腕原子さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2020-02-20 20:18) 

コースケ

31様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2020-02-20 20:19) 

コースケ

むうぴょんこ様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2020-02-20 20:19) 

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