誰彼 新装版 [法月綸太郎]
まずはAmazonさんの紹介ページから。
謎の人物から死の予告状を届けられた教祖が、その予告通りに地上80メートルにある密室から消えた!
そして4時間後には、二重生活を営んでいた教祖のマンションで首なし死体が見つかる。
死体は教祖なのか? なぜ首を奪ったのか?連続怪事の真相が解けたときの驚愕とは?
以下、ややネタバレ。
昨年刊行された『このミス』『本格ミステリ』で、大山誠一郎さんが
ある作品の解説を書かれることを近況報告で述べられおられました。
確か拙ブログでも何の本なのか、と気になりますと記しましたが、まさか『誰彼』とは!
私にとっては二重に楽しめました(本編+解説)。
法月綸太郎シリーズ、というか法月先生の作品を初めて読んだのは、
奇しくも『生首に聞いてみろ』。
ちなみに改めて見ると、まるで内容に触れていない紹介記事です(すいません)。
本書と同じ、<首無し死体>を扱った作品。そしてまさに多重推理。
悩む名探偵がどちらの作品でも描かれています。
この『生首』の単行本版では「お帰り!法月綸太郎』と帯に書かれた文字が印象的で、
これは長編に名探偵・法月綸太郎が登場したのが相当久しぶりだったということ
だったと記憶しています。
本書のキーワードは、本格推理では鉄板の、首無し死体・双子・密室。
特に双子については冒頭から読者に明かされることから、それが事件に確実に関与している
であろうことはわかるのですが、この双子というのがある意味ではミスリードでもあります。
ただ、途中で綸太郎が披露する交換トリック。教祖である甲斐辰郎と、弟にあたる安部兼等
の<二人一役>の二重生活ですが、囲っていた女性であるドゥアノが
全く気づかなかったはずはない。というか気づいていたことは彼女自身が仄めかしているんですが、
そうではなく、あくまでこの<二人一役>トリックを行っているのは双子ではなく、
兄弟なので、さすがにそこまで顔が似ているのか?区別が付くのでは?という疑問はもちました。
ただし、そこまで。その先にある、まだ「彼」は誰なのか?という、最後の真相は驚いた。
そうきたかと。登場人物一覧を見て頂ければわかるように、容疑者、実はかなり少ないです。
その中で、綸太郎は論理の海とでもいうべき場所で、ずっともがき続けています。
そして最後には見事に真相にたどり着くのです。
綸太郎のいくつもの推理と、それへの否定。さらに父親である法月警視とのディスカッションで
披露される仮定も含め、本書で披露される推理は相当な数です。
ところがそれにうんざりするどころか、なるほど!と思いつつどんどん続きを
なってしまうんです。もうイッキ読みしました。
推理に次ぐ推理。それを繰り返せば繰り返すほど、事件の真相が藪の中に隠れてしまうかの
ような難事件。そしてこのまさに本書の内容を一言で表す『誰彼』というタイトル。秀逸です。
まだ未読の方はぜひ一読をお勧めします。
謎の人物から死の予告状を届けられた教祖が、その予告通りに地上80メートルにある密室から消えた!
そして4時間後には、二重生活を営んでいた教祖のマンションで首なし死体が見つかる。
死体は教祖なのか? なぜ首を奪ったのか?連続怪事の真相が解けたときの驚愕とは?
以下、ややネタバレ。
昨年刊行された『このミス』『本格ミステリ』で、大山誠一郎さんが
ある作品の解説を書かれることを近況報告で述べられおられました。
確か拙ブログでも何の本なのか、と気になりますと記しましたが、まさか『誰彼』とは!
私にとっては二重に楽しめました(本編+解説)。
法月綸太郎シリーズ、というか法月先生の作品を初めて読んだのは、
奇しくも『生首に聞いてみろ』。
ちなみに改めて見ると、まるで内容に触れていない紹介記事です(すいません)。
本書と同じ、<首無し死体>を扱った作品。そしてまさに多重推理。
悩む名探偵がどちらの作品でも描かれています。
この『生首』の単行本版では「お帰り!法月綸太郎』と帯に書かれた文字が印象的で、
これは長編に名探偵・法月綸太郎が登場したのが相当久しぶりだったということ
だったと記憶しています。
本書のキーワードは、本格推理では鉄板の、首無し死体・双子・密室。
特に双子については冒頭から読者に明かされることから、それが事件に確実に関与している
であろうことはわかるのですが、この双子というのがある意味ではミスリードでもあります。
ただ、途中で綸太郎が披露する交換トリック。教祖である甲斐辰郎と、弟にあたる安部兼等
の<二人一役>の二重生活ですが、囲っていた女性であるドゥアノが
全く気づかなかったはずはない。というか気づいていたことは彼女自身が仄めかしているんですが、
そうではなく、あくまでこの<二人一役>トリックを行っているのは双子ではなく、
兄弟なので、さすがにそこまで顔が似ているのか?区別が付くのでは?という疑問はもちました。
ただし、そこまで。その先にある、まだ「彼」は誰なのか?という、最後の真相は驚いた。
そうきたかと。登場人物一覧を見て頂ければわかるように、容疑者、実はかなり少ないです。
その中で、綸太郎は論理の海とでもいうべき場所で、ずっともがき続けています。
そして最後には見事に真相にたどり着くのです。
綸太郎のいくつもの推理と、それへの否定。さらに父親である法月警視とのディスカッションで
披露される仮定も含め、本書で披露される推理は相当な数です。
ところがそれにうんざりするどころか、なるほど!と思いつつどんどん続きを
なってしまうんです。もうイッキ読みしました。
推理に次ぐ推理。それを繰り返せば繰り返すほど、事件の真相が藪の中に隠れてしまうかの
ような難事件。そしてこのまさに本書の内容を一言で表す『誰彼』というタイトル。秀逸です。
まだ未読の方はぜひ一読をお勧めします。
- ショップ: 楽天ブックス
- 価格: 1,012 円
2021-02-06 19:52
nice!(7)
コメント(8)
コースケ さん
にんにちは。
「誰彼」を読んだのはもうずいぶん前ですが
「うわぁ、コリン・デクスターだ!!」
と思ったのを覚えています。
by 31 (2021-02-08 21:52)
鉄腕原子様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-02-10 19:50)
@ミック様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-02-10 20:26)
xml_xslさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-02-10 20:27)
yam様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-02-10 20:27)
31さま、nice!&コメントありがとうございます。
コリン・デクスター、恥ずかしながら未読で、
大山誠一郎さんの解説でも触れられていたので、
読んで見たいと思います。
by コースケ (2021-02-10 20:33)
ネオ・アッキー様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2021-02-20 19:04)
まいきー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2021-02-20 19:04)