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幽霊たちのエピローグ [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

〈幽霊屋敷を取り壊すのをやめよ。さもないと幽霊の復讐がある〉

大宅令子は警視庁捜査一課のベテラン警部を父に持つ大学生探偵。
家庭教師の生徒である末川ひとみに連れられて「幽霊屋敷」に忍び込んだ。
そこでひとみは殺人を計画する幽霊の話し声を聞いたのだという。
命を狙われているのはひとみの父親ではないか――疑う令子の顔に滴り落ちてきたのは、
なんと真っ赤な血! 見つかったのはひとみの恋人の死体で……。
(表題作「幽霊たちのエピローグ」)


大宅令子が探偵役を務める2編が収録された中編集です。
読んだ記憶がないので、初ですね(笑
解説の山前譲さんも書かれているのですが、
赤川次郎先生と幽霊は非常に親和性が高いのです(笑
タイトルに入っているのも(当然ながら「幽霊」シリーズ)
今ならば、「怪異名所めぐり」シリーズが該当しますね。

実際に幽霊が出てこないのと、出てくるもの合わせるとまた多い。
後者は『怪談人恋坂』『三毛猫ホームズの怪奇現象』『幽霊はテニスがお好き』
もっとたくさんあると思いますが、思い出すのはこのあたり。

さて本書はというと、先に挙げた事例ならば、実際には出てこない前者のグループ。

「幽霊の前半分」、これは双子のことを指しているのかなあと。
最後の最後まで、本当に双子のどちらが亡くなったのかがわからなくするところがよい。

表題作、劇団「幽霊」というのはいいですね。
本作は色々と解かないといけない謎が多すぎて、ちょっと渋滞している印象。
地下道をもう少し活かしてほしかったなあ。


幽霊たちのエピローグ (徳間文庫)

幽霊たちのエピローグ (徳間文庫)

  • 作者: 赤川次郎
  • 出版社/メーカー: 徳間書店
  • 発売日: 2023/12/08
  • メディア: 文庫






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不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録 [ゲーム]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

1000回遊べるダンジョンRPGシリーズ最新作
【『不思議のダンジョン』最新作が発売決定!】
長年に渡り多くのファンの皆様に愛されてきた「不思議のダンジョン」シリーズ。
入るたびに構造が異なるダンジョンを、知識と経験、閃きと運を駆使して踏破する― 
本シリーズの根源的な面白さはそのままに、新たな要素を加えてさらにやりこみ度も
遊びの幅も広がった『不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録』が、
Nintendo Switchに登場いたします。
【新要素でさらに楽しい不思議のダンジョン】シレンがなんか大きくなったかと思えば、
巨大なモンスターがダンジョンを徘徊!?何度も挑戦を重ねることで物語が進行し、
不思議のダンジョンをさらに楽しく、より長くプレイできる数々の新要素が用意されています。

久しぶりの、というよりまさか出るとは思わなかったシリーズ最新作。
初代から全部している、一応シレンジャーとしては(笑)当然買いました。

最初のエンディング、というか、不思議のダンジョンはそこからがスタートですが、
それをクリアした後も、結構謎を残しているので、初見の人はそこでは中々
止めない仕様にしているのかと感じました。
あと、道具は初期からかなり良いものが出ます。これは初心者向けなのか。
というか、シレンジャーでも最初のエンディングまで中々厳しい(私だけ?)

今はヤマカガシ峠やら鬼木島をプレイ中。99階ある火口付近のダンジョンはまだ。
持ち込み可ダンジョンからとも思ったのですが、この2つのダンジョンで足止めです(苦笑

○○祭りとか、クロンの挑戦(試練)とか、この辺りのアイデアは素晴らしいですね。
あと今回食べ物も意外と豊富という。
要は、大幅なチェンジはせず、基本路線を守りつつも、そこかしこに新たな試みを
しているのが、良いんですよね。

杖と巻物の領域って、アスカにもあったなあ。
常にアスカを移植して欲しいと思ってます。あれ最初のエンディングの後、
完全に積んだんですよね・・・

というわけで、しばらく離れていた方も、初めての方も、ぜひプレイした欲しいです!


不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録 -Switch

不思議のダンジョン 風来のシレン6 とぐろ島探検録 -Switch

  • 出版社/メーカー: スパイク・チュンソフト
  • 発売日: 2024/01/25
  • メディア: CD-ROM






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もしかして ひょっとして [大崎梢]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

バスケ部の雰囲気が最悪になったのはなぜ? 長年勤めてくれていた家政婦さんは、
なぜ辞めてしまったのか? 会社の同期は罠にはめられたのか? 
友人がどうしても猫を隠さなければいけなかった理由とは? 部屋で亡くなっていた叔父さん。
何があったのか? あの日隠した、胸の痛み。計り知れない、あの人の心の中。
秘密が明らかになるとき、人生が少し、輝き始める。
日常の謎解きの魅力がたっぷり詰まったミステリー短編集。

大崎さんの光文社刊行は、ノンシリーズが多いですね。
前回自分が読んだのは『ドアを開けたら』(長編)で、結構久しぶりかも。

「小暑」は、おそらく本書内でも、もう普通に小説と言って良いと思うくらいの
軽いジャブ。「日常の謎」ですらない。悪い意味ではありません。
本当にそんな感じ。

次から怒濤に攻めてきます。
「体育館フォーメーション」、青春小説だなあ。解説を書かれている似鳥先生
の作品に近似しています。
「都忘れの理由」、これが本作では愁眉。めちゃくちゃ面白いです。
本当に謎だけど、その謎は本当に単純。これは登場人物の個性に拠るところも大きい。

「かもしれない」、これも良いです。現在進行形でなく、過去をふと思い出して、
自分の考えを再考していく過程というか、「回想の殺人」、別に殺人は起きてないけども、
なんか、こういう過去から現在に繋がる話は、変化球的な「日常の謎」という印象です。

「灰色のエルミー」と「山分けの夜」はサスペンスと殺人あり。
この2作、前者は主人公お見事な作品で、後者はやや謎を残しつつ了。

久しぶりに、成風堂書店シリーズも読みたいですね。


もしかして ひょっとして (光文社文庫)

もしかして ひょっとして (光文社文庫)

  • 作者: 大崎 梢
  • 出版社/メーカー: 光文社
  • 発売日: 2023/09/13
  • メディア: Kindle版






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汚れた手をそこで拭かない [芦沢央]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

もうやめて……ミステリはここまで進化した!

第164回直木賞候補作。

ひたひたと忍び寄る恐怖。
ぬるりと変容する日常。

話題沸騰の「最恐」ミステリ、待望の文庫化。

閉鎖空間に監禁された
デスゲームの参加者のような切迫感。──彩瀬まる

平穏に夏休みを終えたい小学校教諭、元不倫相手を見返したい料理研究家……。
きっかけはほんの些細な秘密だった。

保身や油断、猜疑心や傲慢。
内部から毒に蝕まれ、
気がつけば取返しのつかない場所に立ち尽くしている自分に気づく。

凶器のように研ぎ澄まされた“取扱い注意”の傑作短編集。

芦沢央先生は、短編の名手だなと改めて感じました。
「ただ、運が悪かっただけ」は、過去のある事件に悩む夫と、
余命宣告を受けた妻の話。
最後に、「運が悪かっただけ」というのが、かつての事件と今の妻の状態に
合致して、ラスト、恐らくは・・・というところで了。
最後まで書かないところが素晴らしい。

「埋め合わせ」、最近ニュースでもよく見かける、学校でのプールの排水や給水を
めぐる話。弁償を当該学校の校長や教員が分担して・・・というのをよく報道してますね。
個人的には、悪意でないのなら、そこまでなのかなあと思いますが・・・
本作もそのまさに誤って排水してしまったという事案。
いや、このラストは全く読めませんでした。同僚の五木田先生が、どういう役回りなのか、
脅迫者?と感じてしまうのが、大方の見方でしょうが、こういう終わり方はあまりに見事。
予想外過ぎました。

「忘却」、高齢者のアパートで、エアコンを付けずに亡くなる。これもまた
最近増えた社会問題の1つ。本作はこれに80代という、後期高齢者で記憶力も
弱ってきている妻と暮らす夫の苦悩を描いた(かのようにみえる)作品。
これもまた超予想外の所で物語が終幕する作品でした。
必死に電気代督促状の件を思い出させまいとする夫の努力が書かれながら、
最後の最後で、全く違う事実を登場させるという。

正直、「埋め合わせ」と「忘却」の2作は、本作愁眉、選べませんでした。

「お蔵入り」、ある映画を撮る無名監督。しかし主演俳優に薬物使用の疑いが・・・
これもかなり捻りが効いている作品で、やはり嘘を付くのは止めるというのが、
逆に自分たちの首を絞めるという、とんでもない皮肉になっています。

「ミモザ」、料理ブログが話題になり、書籍まで出すことになる売れっ子料理研究家。
そこのサイン会にかつてアルバイトしていた出版社の社員、いや元恋人が現れ・・・
本作、何とも表現が難しい。
突如現れた元恋人(というよりも自分が愛人)よりも、最後の夫の台詞、
「何考えててもいいけど、ちゃんとしてよ」の方が恐ろしく感じました。

やはり芦沢短編は素晴らしい。何度も読み返したくなりますね。
ところで「イヤミス」と表現されているのですが、「イヤミス」なのかなあ。
まあ、「イヤミス」の定義もよく分からないのですけどね(笑


汚れた手をそこで拭かない (文春文庫)

汚れた手をそこで拭かない (文春文庫)

  • 作者: 芦沢 央
  • 出版社/メーカー: 文藝春秋
  • 発売日: 2023/11/08
  • メディア: Kindle版






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新シャーロック・ホームズの冒険 顔のない男たち [シャーロック・ホームズ]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

名コンビが、映画誕生期に起きた怪事件を追う!

ホームズとワトスンが下宿しているベイカー街221Bへ
白髪頭に長く白い顎ひげの依頼人が訪ねてくる。
彼の名はエドワード・マイブリッジ。かつて走る馬の連続写真で時の人となったが、
現在はアメリカから帰国して
細々と講演活動を続けている。何者かに脅迫されていて、講演中、
大きなスクリーンに映写した自身の顔に
不吉な傷がつけられていたり、街路で馬車に轢かれそうになったりした。
犯人の動きを探っていた矢先、不可解な焼死体が見つかったことから、
事件は思わぬ展開を見せ……

ティム・メジャーによる、ホームズパスティーシュ第2弾。
本作は『漱石と倫敦ミイラ』など、実在の人物とホームズ&ワトソンの冒険譚。
エドワード・マイブリッジは実在の写真家、のようです。

連続写真や映画史などに詳しい人が読むと、本作はさらに楽しめるのだろうと
思います。
ホームズ冒険譚としてみると、ワトソンがやたらと僻んでいるなあと言う印象。
ホームズはそんなに秘密主義だったかなあ?
謎解きの場面では、ワトソンに推理を促す行動も見られたりして、
ワトソンの僻みは収まってたようですが・・・

本作ではいわゆる「顔の無い死体」が登場します。これは副題からもなんとなく
想像が付くと思いますが、もう1つ、この副題には意味があります。
人の顔というのは意識して見ていないと、中々覚えていないということ。
そこを上手くミステリに落とし込んでます。

さて、パスティーシュとしての出来はともかく、やはりホームズ冒険譚は短編
が良いなあと改めて思いました(笑)
ここ最近のパスティーシュはほぼ長編が多い印象(もちろん個人的な、です)で、
短編は中々アイデアを活かすのが難しいとかあるんですかねえ。


新シャーロック・ホームズの冒険 顔のない男たち (角川文庫)

新シャーロック・ホームズの冒険 顔のない男たち (角川文庫)

  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2023/06/13
  • メディア: 文庫






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