殺しの双曲線 [西村京太郎]
西村京太郎さん初期の傑作。
クリスティ「そして誰もいなくなった」への挑戦とでも言うべき作品。
事件はいわゆる「吹雪の山荘」もの
招待状で呼び出された6人が次々と殺害されていきます。
犯人はいったい誰なのか?なぜ自分たちが集められたのか?
そして殺害現場に残される奇妙な図形の謎は?
そしてもうひとつ。双子による強盗事件が並行して描かれます。
この二つの事件がどう関係してくるのか?見物です。
さらに最初に筆者からトリックは「双生児」ものであることが
書かれています。しかしこれは大いなる叙述トリック。
僕個人としては犯人の動機の点をもう少し叙述してほしかったのと、さらにはその正体については若干唐突的な感じもしました。
しかしいくつもの複線を張り巡らしてあり、最後までのめり込みます。
まさに傑作、です。
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