密室の鎮魂歌

最近読みたいと思う本が文庫化されているんで、このところミステリの記事が豊富です。
しかしその文庫もそろそろ尽きてしまうので、またつまらない日々を送ることになりそうです。

本作は第14回鮎川哲也賞受賞作品。
タイトルにもあるようにまさに「密室」が次々と登場します。
しかし物語の核は密室ではなく、登場人物たちそれぞれの内面を描いた所にある気がしました。
主人公若泉麻美は探偵の役割を果たすわけではなく、あくまで物語を語る一人。
そして彼女自身も多くの葛藤や悩みを抱えつつ、本事件へ関心を募らせ調査をしていくことになります。

読んでいて思ったのはプロットが見事です。
登場人物が少ないし、誰が何を隠しているのか？これがこの事件を解く鍵となるわけです。
明らかになった真相はとても深い。
個人的には最も不幸だったのは主人公自身だったような気がしました。

密室の鎮魂歌(レクイエム)

• 作者: 岸田 るり子
• 出版社/メーカー: 東京創元社
• 発売日: 2004/10/22
• メディア: 単行本

タグ：ミステリ 鮎川哲也賞 密室の鎮魂歌 創元推理文庫 岸田るり子

コメント 2

おぉ、これ買ったまま積んでました。面白そうですね。
by leilang_taotao (2008-06-03 22:19) 

leilang_taotaoさん、nice！＆コメントありがとうございます。
最近はやたらと本読もうという気分なので、かなり読んでますが、
そうでないと僕も積んであります（ｗ
なぜか急に読みたいという衝動に駆られ一気に読む時が
あるんですよねえ。

この本は買った日に読了しました(笑
by コースケ (2008-06-03 22:42)