過去から来た女

「田」＜でん＞という村で起こった奇怪な事件。
田村の名家・常石家の一人娘文江は、
19歳の時人知れず出奔した。
その時文江は殺されたという噂が流れ、幼な馴染みの容疑者和也は自殺し、一家は離散した。
そして7年後、事態は急変する。
東京でデザイナーとして成功した文江は突如村に帰ってくる・・・

殺されたと思っていた女性の登場に小さな村「田」で
次々と奇怪な事件が巻き起こる。
不審な火災、幽霊騒動、駅長の死・・・
文江は自らが招いた騒動に恋人とともに解決に乗り出すが・・・

ユーモア・ミステリの傑作なんて言葉が
赤川さんにはよく使われますが、
ユーモアという言葉がちょっとひっかかるんですよねえ。

本作もサスペンスとして十二分に読み応えがある作品で、
小さな村という、いわば俗世間などから孤立した場所を舞台とした
のがかなり作品をおもしろくさせています。
誰が味方で、誰が敵なのか、全くわからない状況の中で
奮闘する文江やその恋人は赤川ミステリの主人公そのもの。

結末は「あっ」と思わせる展開です。

過去から来た女 (角川文庫)

• 作者: 赤川 次郎
• 出版社/メーカー: 角川書店
• 発売日: 1987/01
• メディア: 文庫

タグ：赤川次郎 ミステリ ユーモア・ミステリ サスペンス 角川文庫 過去から来た女