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三世代探偵団 次の扉に潜む死神 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

天才画家の祖母と、生活力皆無でマイペースな母と暮らす女子高生の天本有里。
彼女が出演した舞台で、母の代役の女優が何者かに殺された。
有里の目の前で倒れた被害者が最後に口にしたのは、母の名前だった。
彼女の身に何が起きたのか。事件を追ううちに、3人の周囲に次第に不穏な影が忍び寄り……?
個性豊かな女三世代が贈るユーモアミステリ開幕!


2017年、赤川次郎先生が、『キネマの天使』と同じく初めた新シリーズ。
御年69歳(70歳)で新たなシリーズを始めるという、すごい試みです。

主人公は高校生の天本有里、ですが、探偵役は祖母の幸代なのでしょう。
年の功(失礼!)といってはあれですが、彼女は物語の中である程度の事態を
見通している感があります。

相変わらず場面転換が激しいですが、それ以上に物語に惹き込まれます。
有里の目の前で起きた殺人事件。有里が通う学園の事務員である三田洋子の弟・三田広士
の元に突然現れた女性・アケミ。洋子の上司が原口恒子が抱える何らかの秘密・・・
殺人事件にどう絡んでいくのか、想像が付きません。

様々な人物の思惑と、その後ろで何かを企む組織が見え隠れする中で、
物語は続いていきます。

個人的にはラストの犯人というか、組織というか、このあたりはもっと明確に記す、
具体的に書いて貰いたかったですね。何が学園を含め起こっていたのか。
実のところよくわかりません。

ただし、赤川先生の狙いは当然結末にあるのではないのだろうというのは、
これまでの作品からも想像が付きます。

本書の副題「次の扉に潜む死神」は、人が歩んでいく上で、その都度その都度
何が潜んでいるかわからない、どうその人が変わるかわからない、という意味を
含んでいるのであろうと勝手に想像しました。

大人しそうな三隅研一や、裏の顔役をしていた永田、そして三田洋子等々・・・
多くの人たちがまるで違う人物かのように変貌、変化していく様が描かれています。

しかし、三毛猫ホームズシリーズしかり、本シリーズでも祖母の幸代がグリップ(?)
しつつ、文乃や有里は彼彼女たちの変貌に影響を受けながらも、前に進み
事件を解決に導いていくのもまた事実。

人間ちょっとしたことで、道を踏み外したり、変わったりしてしまうけれども、
彼女たち三世代のような人が近くに居れば、どんだけ安心だろうかと思ってしまいますね。

赤川先生の作品群の主人公はそんな優しい人たちばかりなのが素晴らしい点なのですが。

本シリーズ、すでに3作品刊行され、4作目もという話のようです。
1・2作は同時刊行されましたので、また近いうちに。


三世代探偵団 次の扉に棲む死神 (角川文庫)

三世代探偵団 次の扉に棲む死神 (角川文庫)

  • 作者: 赤川 次郎
  • 出版社/メーカー: KADOKAWA
  • 発売日: 2021/12/21
  • メディア: Kindle版







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コースケ

鉄腕原子様、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2022-03-15 20:23) 

コースケ

xml_xslさま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2022-03-15 20:23) 

コースケ

@ミック様さま、nice!ありがとうございます!
by コースケ (2022-03-15 20:23) 

コースケ

31様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2022-03-15 20:23) 

コースケ

サイトー様、nice!ありがとうございますm(_ _)m
by コースケ (2022-03-15 20:23) 

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