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霧にたたずむ花嫁 [赤川次郎]

まずはAmazonさんの紹介ページから。

女子大生探偵は、失恋しても事件解決? 狙われた恋敵を救え!
霧の中、家路を辿っていた仲間朋代は不穏な気配を感じて逃げようとする。
もうダメだと思った瞬間、偶然居合わせた女子大生・亜由美の恋人、谷山によって助けられる。
それをきっかけに二人は急接近し、なんと結婚することに。失恋した亜由美は傷を癒そうと旅に出るが、そこでトラブルに巻き込まれ――。表題作のほか「カリスマ花嫁の誇り」収録。


花嫁シリーズ文庫版最新作です。
本書は、というか、赤川先生の作品は上手い具合に大団円になるのが
多いですが、本作はかなり異色だと思います。

まず表題作で、亜由美の恋人である谷川准教授がなんと結婚する。それも亜由美以外と。
亜由美が傷心旅行に行く・・・という始まりです。
確かに、前のシリーズで2人の仲が微妙な感じだったので、それの答えが本作で
描かれたということなんでしょうね。
最後に寄りが戻りそうな感じですが・・
亜由美の台詞「時間が必要ね。私もよ。」、次にどう繋がるのか・・・
しかし、谷山准教授、結構酷いヤツですね。
吊り橋効果的なところはあるにせよ、なぜいきなり結婚にまで・・・謎すぎる。

さて、谷山と亜由美の話はまあ良いのですが、本書はもう1作の「カリスマ花嫁の誇り」
が、これまでの花嫁シリーズ中でも、最大の怪作ではないかと個人的には思います。

亜由美を名探偵と見込んで(?)ひっぱりこんだ大橋あかりは、
自分の夫である刈谷三郎のケータイメールに
「刈谷弘士の誕生日のパーティは、あなたの愛する女性の血で染まるだろう」という
殺人予告とも取れるメールがあったから。
まあ普通は警察に言う案件かと思いますが、そこは赤川作品。

ところがです。
この話。大橋あかりは刈谷弘士の二男である北原と(三郎と別れて)結婚することになり、
三郎の兄の克彦が、結構トンデモないヤツで、まあ彼が一連の犯人だったのですが、
どうみても、計画殺人ではなく、衝動的なもの。
父親の弘士もとんでもないことをしでかしますが、こっちは最後に大団円に。

克彦が犯した犯罪で、女性が亡くなりますが、三郎のメールと
どういう関係があるのか、さっぱり分からず。
しかも、本作では亜由美や殿永もほとんど活躍せず、犯人が自白。
そんなこんなで大橋あかりは北原と結婚宣言。

もう何が何だかわかりませんでした。
1つだけ考えられるのは、大橋あかりが全て仕組んだ、ということ。
でもそんな描写は無いんですけど、結果的には彼女が一番得をしてるんですよね。
謎だらけです。



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コースケ

みなさま、いつも御訪問&nice!ありがとうございます!
by コースケ (2023-08-23 19:44) 

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