崖の館 [ミステリ]
人里離れた<崖の館>に住むおばを訪ねて毎年集まる高校生の涼子と従兄弟たち。
二年前、おばの娘・千波は崖から落ち命を落とした・・・
雪に閉ざされた「館」で起こる不思議な出来事、そして殺人。
果たして犯人は誰なのか?そして二年前の千波の事件の真相は?!
今では何の違和感もなくこうした設定の小説は受け入れられ、いわゆる本格モノ、
そして「館」モノというジャンルになるかと思います。
ただ、僕が読んだ感想としては、館モノの形式はとっているものの、
そうした印象はあまり受けませんでした。
いつも集まっていた従兄弟たち。その人間関係、あるいはおばとの関係。
そして亡くなった千波との関係・・・
各人物の性格や<崖の館>の持つ不可思議な力・・・
一人の探偵が閉ざされた館で謎を解いていくというモノではなく、
様々な思惑・思いが錯綜し、物語はエピローグに向かっていきます。
館シリーズは三部作、今後の刊行が楽しみです。
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